『嫌い』ではありません。『興味が無い』のです。お分かり頂けて?
フワッとしています。あらすじにも書いたようにありきたりなテンプレですし…。最早ざまぁでも無いのかな…?
「ザクロール・ブランシェ!!お前との婚約を破棄するッ!!そして、ここに居るアンリとの婚約を新たに結ぶッ!!!」
碧い瞳をカッと開いて短い金の髪を神々しく輝かせ、ドヤ顔を決めるのは、書類上だと私の婚約者のフランツ第2王子殿下。その人に腰を抱かれているのは聖女であり平民のアンリ様。
「殿下、その様な発言を夜会で仰るのはよろしくないかと」
赤黒い髪を揺らし、猫みたいな黒の瞳で淑やかに笑う。
私は16歳のうら若き乙女。そしてブランシェ公爵家当主ですの。通常は25歳の各家で1番優秀な者が継ぐので、若すぎると言われております。
「あぁ、それと、婚約破棄承りました」
妃の教育係にベタ褒めされたカーテシーをする。
「へ…?」
何故かアホみたいな顔になってしまわれた。
「どうかなさいまして?」
キョトンとする。
「し、嫉妬とか、無様に泣いたりはしないのか…?」
「あら?それをご所望でしたの。ならば一度メイクを落としてまいりますね。メイドが選んでくれたドレスを汚すのは忍びないですから」
(控室で落としましょ)
クルリと踵を返す。
「待て待て!あ、アンリがお前に虐められたと…!」
初めて会ったアンリ様をどうやって虐めるのか聞きたいところだ。
「虐めなど…そんな…」
殿下はこの反応を見てニンマリと笑う。
「よってお前を国外追放…」
ドヤ顔をパワーアップさせて続きを言おうとしたが…。
「プププッ、い、虐め…!アハハッ!そんな子供みたいな事をこの私が!?フフフッ、するはずないでしょう?アハハハ、駄目、笑いが止まらないわ…!そんな荒唐無稽な事を言うなんて…!フフフフッ」
ザクロールの笑い声によって遮られてしまった。
夜会に出席している貴族達がクスクスと笑い始める。
「っ…!わ、笑うな!!これは命令だッ!!!」
「ハーハー。貴方様の命令は男爵家以下の方しか聞かなくてよ」
息を整え、キッパリと話す。
この場にいる貴族達は王族主催の夜会と言う事だけあって伯爵家以上の爵位を持っている人しか居無い。
「ぐぅッ!だ、だが婚約は破棄だからな!!!」
「あぁ、それは構いませんよ。私としても貴方様みたいな『無能』は要りませんの」
又もや嘲るような笑いが起こる。
「は?オレの所にお前が来るんだろ!!?」
「いえ、貴方様が私の所へ来るんです。第2王子なんてそんなものでしょう。王太子のスペアですから」
ケロッとした顔で答える。
「じゃ、じゃあオレはどうなるんだ!?」
「何処かのイケメン好きな奥方の愛人にでも売り出されるのでは?」
その言葉を聞いた瞬間に隣りに居たアンリ様が逃げた。
「そんなの嫌だ!!わ、悪かった!謝るからオレとの婚約を…!」
「何で?」
「だって、お前はオレの事が好きだろう!!?」
半狂乱になり叫ぶ。
「いえ、全く」
「え?」
甘やかされたお坊ちゃまは『好き』以外の選択肢を言われると思わなかった様だ。
「嫌いでは御座いませんよ」
ニッコリと笑う。
「じ、じゃあ…!」
希望が見えた様な顔をされる。
「はい。『嫌い』ではありません。『興味がない』のです」
穏やかな笑顔で告げる。
「…!」
絶望。その一言に限る。
「皆様、お騒がせして申し訳ありませんでした。それでは」
_さようなら
ここまで読んでくれてありがとうございます!!!!
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追記:ヒューマンドラマランキング…ご、5位…!ありがとうございます…!ホント〜〜〜〜〜にありがとう!!