表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あなただけは

いよわ様の楽曲、わたしは禁忌の二次創作小説です。自己解釈マシマシなため、苦手な方は閲覧注意です。

わたしは禁忌 https://youtu.be/al263xnknLE?si=bsN_fOa6UvbIgFt8

いよわ様YouTubeチャンネル https://youtube.com/@igusuri_please?si=mlBIvrXbkrF9EXxs


この小説は、いよわ様の二次創作ガイドラインに則り、作成されています。

https://note.com/igusuri_please/n/n03cf704465bf

あぁ、寒いな。あまりにも寒い。

もういっそ、太陽が落ちてくればいいな。それで少しはマシになるだろう。

私は死んだ。もういつから死んでるのかもわからずに、幽霊としてここにいる。 この体になってから、色々不便になったものだ。せっかく死んだのだから行きたい場所にすぐ行けると思ったのに、この街の外に出れない。たぶんそういう決まりなのだろう。

私は退屈で退屈で、あくびを咀嚼しながら、彼と泣きながら歩いた、この道を歩いてる。 すると街の影から次々と黒いものがボコボコと溢れ出てくる。おそらく私と同じ、幽霊なのだろう。

一つ私と違うのは、影の外へと出られないこと。暗がりの奥には、いつもヤツらがいる。 ヤツらは口々に

「なぁ、こっちへ来い。俺らの仲間になろうぜ。」

「お前だけズルい代われ代われ」

「代われ代われ」

そう叫ぶ。ヤツらが言うには、私は禁忌に触れたらしい。でも、そんな事私からしたらどうでといい、むしろ鬱陶しいことだ。だから私は暗がりの奥は歩かない。

こんな時にはいつも

「でもそこは動けないほど冷たいだろう?そこから先には行けないだろう!」

「ざまぁみろよ!」 と言ってやる。何があっても、この日常は渡さない。

それは、生前付き合っていた、彼との日常。と言っても、私の姿は窓や鏡に映らないし、もちろん彼は幽霊になった私を見ることはできない。ある一つの方法を除いて、彼に干渉することはできない。

それでも、彼の側にいる時だけは暖かい。それは、まだ彼が私を忘れていない証だ。その時だけ、私はほんのちょっぴり、幸せを感じるのだ。

しかし、やはり時折感じてしまう。ここで彼と共に暮らせたなら、どんなに幸せだろう、と。もし、彼をここに引き込むことができたら。彼に触れ、連れていってしまうことができたなら。

けど、できない。あなたがそんな顔で泣くから。私のことを想って、泣いてくれるから。 そんな時、辺りに声が鳴る。

「お前の仲間にしようぜ」 気づけばここはもう影の中。黒い幽霊達は溢れ、次々と叫ぶ。 「ガマンは無理だろ?ホラ、触れ」

「触れ触れ」 「触れ」

私は目の前の彼に手を伸ばす。紛れもなく、ここへ引き込むために。

でもさ、やっぱりここは暖かいんだ。惜しいほどに。

それに比べれば、こんな寒さが何だってんだ。

すぐさま手を引っ込めて、一番近かった幽霊に噛みついた。

あなたにたくさん悲しい思いをさせてしまった。だったら、あなただけは、守らなくちゃいけない。守らなくちゃ、意味がないだろ。 もう一度会いたいけれど、どうかここで私に合うのはやめてほしい。ここは動けないほど冷たいから。

あぁ、寒いな。


でも、よかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ