愛する気持ちを伝えたいのですが、王子を守る番人がいます。
「『愛したものを最も指南せよ』!!!!!!!!!!
昨今の心理学者たちが推奨している
愛の表現方法です。
指南というのは教え導くこと。
愛したものが何かあれば、
きちんと当事者意識を持って、
愛したものの進む道を
示さなければなりません。
"相手の勝手"は通じないのです。
もしも真に愛する側が
進む道を示さなければ、
その人が愛したものは
他人の示した道を進みます。
愛する側の愛したものは
『他人によって歪められてしまう』のです。
愛する側の意思は反映されず
『他人の意思が反映されてしまう』のです。
愛する側であれば、
"愛したものを指南"しなさい
それも1番強く指南するのです。
真に"愛する側"であるのは
あなたなのです。
他の"愛する側"とは違い
あなたの想いは本物なのです。
あなたの想いは、1番強く反映されるべきです。
"愛する側"であるあなたの想いを、
相手は最も汲みとるべきです。
愛したものに指南をしましょう。
愛するあなたの想いを
もっとも強く反映させましょう。
あなたの愛こそが"本当の愛"なのです。
伝えるべきことは伝えました。
令嬢、指南の準備はいいですね?」
「よしきた!
排気ガス令嬢長官!
世話になったな!」
ある元工場の豪邸にて。
排気ガス<人型>の令嬢は、
排気ガス令嬢長官に
別れを告げる。
令嬢は人間の王子を愛していた。
種族の差を埋めるために
人間の愛を令嬢長官から学んでいたのだ。
そして、旅立ちのときがやってきた!
令嬢はスクラップなどを押し退け、
王子のいる王宮へ向かっていく。
令嬢の目的は1つ。
愛する王子と婚約することである!
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王宮へ向かう道中。
令嬢の行く手を1人の人物が遮った!
王子への婚約を目論むときに
正体を現すという闇の使者。
婚約の番人であった!
「な、何者だてめえ!」
「我こそは婚約の番人。
王子への婚約を望むならば
我ら番人を
すべて倒してみよっ!」
番人は剣を構えると、
令嬢に飛びかかった!
闇の剣技が
戸惑う令嬢に迫っていく!
「ちっ!闇の使者か!
実在してたとは嬉しいぜ!
おらあああぁっ!」
令嬢は、番人の剣を
素手で弾いていく!
剣と拳はぶつかり合い、
力での勝負となった!
「うぬっ。やるな小娘!」
「令嬢様だ!王子の婚約者の姿、
てめえの体に焼き付けてやるぜぇっ!
だあああああぁっ!」
令嬢が力を振り絞ると、
番人の剣にひびが入る!
そのまま拳を振り切り、
剣の破片ごと
番人をぶん殴った!
「ぐおおおおぉっ!」
番人は吹っ飛ばされ、
空中で煙となって消えてしまう。
砕けた剣も煙となってしまい、
令嬢は煙に包まれる。
「な、なんだこれは!?
うおおぉっ!?」
煙が令嬢の体を飲み込んでいき、
その場から消える。
煙が晴れる頃には、
令嬢の姿は消えてなくなっていた。
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気がつくと令嬢は室内にいた。
石造りの暗い部屋は、
令嬢のいた地域にはない建物だ。
明かりの差し込む通路の前には、
光に照らされた人影が立っている。
「だ、誰だ!」
「よくぞ番人を倒しました。
と、言いたいところですが。
私達との戦いはまだ続いています。
あなたの次の相手は……。
この私、大番人だっ!」
大番人は銃を取り出すと、
闇の銃術で弾を撃ちだす!
強化された銃弾が
令嬢の肩を掠っていく!
「ぐっ!うおおおおおおぉっ!」
令嬢は肩にダメージを負うが
一歩も引くことはない。
拳を構えて、
大番人に突っ込んでいく!
「追いつけませんよ!
この通路で避けられるものかぁっ!」
令嬢が通路に入ると同時に、
大番人の銃がうなりを上げる!
奥義"秒速100連射"により、
通路は銃弾で埋め尽くされた!
「令嬢を撃てると思うなよ!
これが令嬢の力だあああぁっ!」
令嬢はガス状に姿を変えた!
銃弾の風圧はガスを押し退け、
直撃することはない!
令嬢技"自称スモッグ"に
銃弾は通じなかった!
「なんですって!?」
「後ろだっ!
だあああぁっ!」
大番人の背後に
ガス状の令嬢が合わさっていく。
姿を戻した令嬢は、
背後から大番人を殴り飛ばす!
「ぐあああああああぁっ!」
令嬢の拳を受けて、
大番人は部屋の中に吹っ飛ばされる。
そのまま壁に激突し、
大番人は闇に消えていった。
「へっ!次の番人はどこだ!?
転送はされねえのか!?
令嬢はしばらく待つが、
闇による転送は行われない。
特に他に道もないので、
令嬢は明るい通路を歩いて行った。
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「ここが王宮か!」
令嬢が通路を歩いていくと、
王宮のホールに繋がっていた。
兵士の一人が駆け寄り、
令嬢を道案内する。
案内された先は
王子の私室であった。
部屋で待ち構えていた王子は、
令嬢を見ると笑みを浮かべた。
「よく来たね。僕が王子。
番人で力を試したのは
僕の差し金さ」
「王子!俺と婚約してもらうぜ!」
「勇ましい君は好きだ。
だけど僕を倒せないような人と
婚約する訳にはいかない」
「ふん!じゃあぶっ倒して
婚約してやるぜ!」
令嬢は拳を構えて、
王子に向かっていく!
一方王子は、
落ち着いた様子で姿を消した!
「なにっ!?くっ!」
令嬢は拳を振るうが、
王子に当たることはなかった。
次の瞬間、令嬢の首筋に
王子の手刀が襲い掛かる!
奥義"番人化の一筋"が令嬢に迫った!
「うおおっ!危ない!」
「勝てば婚約。負ければ番人。
これが婚約勝負のルールだ!」
「趣味悪いぜ王子様。
だが安心しな!
俺好みに指南してやるよぉっ!」
王子は拳に
番人化のエネルギーを貯める!
そして令嬢目掛けて
拳を突き出した!
奥義"番人化の前進"で殴り掛かった!
令嬢は正面から迎え撃つ!
令嬢の拳に令嬢エネルギーを纏い、
王子の拳に叩きつけた!
2人の拳はエネルギーを発しながら
激しくぶつかり合う!
令嬢の拳は押し勝ち、
王子の体を吹っ飛ばした!
「ぐああぁっ!」
令嬢の持つエネルギーが
王子の体に流れ込む!
令嬢の価値観がエネルギーから伝わり
王子の意識は指南されていく!
「ど、どうだ!?」
床に倒れた王子の手を
令嬢は優しく握る。
すると王子はその手を掴み、
ゆっくりと体を起こす。
「ま、参ったよ。
君の力は本物だ。
排気ガスでも何でもいい。
僕は君を愛している」
「ああ、俺もだ王子!
婚約して共に過ごそう!」
こうして令嬢と王子は婚約した。
最初は種族の違いに
戸惑う2人であったが、
愛する日々を送っていくうちに
互いを理解できるようになっていった。
2人の関係は国家を栄えさせた。
異なる種族間の友好関係が
令嬢と王子によって結ばれたのだ。
人類は排気ガス耐性を獲得し、
種族の壁を乗り越えて、
愛し合う関係を築けていた。
令嬢の"指南による愛情"が、
種族の垣根を越えて、
王子や人類の心を掴んだのだ。