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 聞いてみても大丈夫でしょうかね。その前に、ピーターの事でも話題にしてみましょう。


「昨日の方は大丈夫でしたか?」

「・・・ピーターか?」

「ええ」


 そんな名前でしたね。あまり覚えるつもりも、口にするつもりも無いですが。


「心配には及ばん」


 ライムント団長の表情からは何も伺えません。やるな。もう一声。こちらとしては、心配はしていませんよ。自業自得ですし。初対面で何故、あんなに執拗に当られたのか?確かに怪しいですけど、私達三人を見ての反応だったような気がするんですよねー。


「どうしてあんなに私達に反応したのでしょうか?」

「その危険があるか。すぐに働きたいのならば、ここで働くか?」

「危険とは?」


 どの危険ですか?聞き逃せない所は突っ込んでいきますよ。行き成りの方向転換ですねー。孤児院へと思いきや、ここで働けとは。襲われるんですか?ええー。孤児院よりも騎士団の方が安全なのでしょうか。騎士団では誰かが止めてくれるってこと?いやいや、騎士団が民間人を襲撃するのは可笑しいでしょう。


「ピーターは少し複雑でな」


 複雑で人に危害を加えて良いものではありません。


「この子達に危険が及ばなく、三人で働けるのならば」

「片方は難しいな。こちらも努力はするし、ピーターに釘は刺すが、三人とも働く意思があるのか? それならば特例になるが、ここで働くことを認めよう」


 特例でと言って貰えましたが、ここで働くのは無しですね。騎士団は抑止力にはならないようです。複雑って・・・同情してしまったら嫌なので、聞きませんけど。マノンとヨハンの祖父母探しの方が、余程良さそうです。


「働く意思はあり、特例も有り難いですが。折角ですが危険があるのなら、遠慮させて頂きます」

「ます」

「ましゅ」


 私に続いて問い掛けがしっかりと分かっているマノンとヨハンが続きます。うんうん。素晴らしく可愛い。可愛い上に、賢いなんて!

 可愛い攻撃にライムント団長の表情が情けなく崩れました。その反応は何故ですか?


「少し待ってくれ、整えよう」

「万全の安全対策をお願いします」


 再考の余地は有りですか・・・。へえ。またまた、なんででしょう?私達を逃したくない理由が?


「善処しよう」

「確約を求めたいですが・・・」


 そこでライムント団長が少し考えた後、口を開きました。


「君達の過剰防衛は考えない。先制攻撃もやむを得ないとする」


 よし来た。二人とも準備は良いかい?


「マノン、ヨハン、昨日の人には勝てそう?」

「大丈夫」

「じょぶ」

「では、その条件で。私達は何をすれば良いのでしょう?」


 そうこなくっちゃ。二人とも素敵!ライムント団長が私達の即決に微かに驚いた顔をしましたが、すぐに満足気な顔をして告げました。


「まずは能力の把握からだ」


 私達は普段からそんなに好戦的では無いですよ。相手によります。ですが、黙ってやられる程、お人好しではありません。特に、私の身体は弱々しいので危険です。

 孤児院ではすぐに働くことは難しいでしょうからね。稼ぐことも同様です。それならばこの騎士団で働かせて貰いましょう。どうにも私達を近くに置いておきたいようですし、それを逆手にとって好待遇を求めますよ。

 ふっ。私の能力の無さを見せつけよう!マノンとヨハンの凄さに驚嘆すると良い。マノンとヨハンの威を借りていきますよ。あ、どうして一番にここに連れて来られたのか聞くのを忘れてた。まあ、おいおいで良いでしょう。何か隠されているようで、ちょっと不安ではありますが・・・。

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