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 待っていようと思ったのですが、眠い。思ったより帰ってこないなー、ライムント団長。二人の温かさと相まって、寝ました。

 起きたら、朝でした。がばっと起きた衝撃で、マノンとヨハンも起床です。


「おはよう」

「おはよ」

「おは」

「良く寝れた?」

「うー」

「んー」


 おや?私がぐっすりな間に、誰かこの部屋を覗きに来たりしましたかね?ごめんマノン、ヨハン。二人は気配の察知もやってのけるのでした。熟睡とはいかなかったみたいです。

 この第三騎士団で使っている建物を宿代わりにしてしまったようですから、牢屋に入れられていないので、探りには来たのでしょう。ちょっと、気を抜きすぎですね。気を付けましょう。ゲームの中のライムント団長を知っているだけなのに、どうにも隣国から脱出した安堵感と、ライムント団長の私達に対しての穏やかさにやられてしまいました。

 尤も、ピーターは自業自得だと思います。騎士団で団長の指示に従わないのはどうかと思うんです。受け入れがたい指示でもないはずだったのですが・・・。ライムント団長が本気を出せば、私を人質にとるなりして何とかできそうですしね。

 ピーターには要注意です。マノンとヨハンの警戒の仕方も気になります。

 まだ眠そうに目を擦っている二人に問い掛ける。


「もう少し、寝る?」

「だいじょぶ」

「ぶー」

「そう? 今日はこの国で生活できるかどうか、色々調べようと思っているの」

「うん」

「う」


 二人がしっかり返事をしてくれたので、それに勇気付けられました。朝食はこちらで食べられるかな?いや、可愛いマノンとヨハンのためだ。頑張るよ。私はもうお腹が鳴ることは無いだろうしなー。タイミングよく、二人は鳴らせるかな。ここでも二人に頼って、ごめん。鳴るほどの空間が無さそうなんだよなー。幼児体型からは抜け出して、ぺったんこのお腹を撫でながら思案します。前世はお腹を鳴らないようにするのが精いっぱいで、鳴らそうなんて考えたことも無かったので困惑していると、扉がノックされた。


「はい」

「ライムントだ。入って良いだろうか?」

「どうぞ」


 許可を出すと颯爽と入って来る格好良さ。しかも、朝食付き!三つも持っていますよ!!!


「起きていたか。朝食を持って来た。食べられるか?」

「おはようございます。頂いて良いのですか?」

「ご飯!」

「はん」

「ああ。そのつもりだ」

「ありがとうございます」


 私がベッドの上でお礼を言っている間に、ライムント団長は短い脚の木の机のような物をベッドに置いた。その上には三セットの朝食がある。私は心の中で「いただきます」と言い、一番に口を付ける。もぐもぐ。うん。大丈夫そう。食事に釘付けの二人に声を掛ける。


「二人ともどうぞ」

「はい」

「あい」


 マノンとヨハンが物凄い勢いで食べ始めた。食欲旺盛で何よりです。消化に悪そうなものは手伝ってね。お肉もある。豪勢だなー。これはきっと消化不良になる。マノンに一つ。ヨハンに一つ。どんどんお食べ。

 見られているなーとは思っています。分かっていて、知らない振りをしています。ライムント団長、熱視線ー!毒見は仕方が無いと思って下さい。私が一番、適任です。マノンの野性的な勘が食べられる物を見分けるので、食べる前に止めて貰えます。毒的な物があればヨハンが回復の魔法をかけてくれるでしょう。万全です。

 ライムント団長は探るような気持ちは無いのでしょう。純粋に見ています。


「君達は仲が良いのだな」

「はい」

「うん」

「うんっ」


 お肉を分けているのを見て、そう思ったのでしょう。仲良しですよ。


「これからどうするんだ?」

「この国で生きていく術を探します」

「そうか。君達の年齢であれば孤児院が妥当だろう」

「はい。ありがとうございます」


 孤児院はどんな所か調べる必要がありますね。後は二人の力がここではどんな風にとられるかですね。最後にどうして私達はここに連れて来られたのか?この口ぶりなら、最初から孤児院でも良かったですよね?

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