第9話 神域と驚愕
あれから暫く経ち、俺は5才になった。
ステータスプレートの発行をする事になる。
かなりワクワクしている。魔法は使えるはずだし、便利スキルも貰えているはず。
ステータスプレートさえ貰えれば堂々と魔法の練習は出来るのである。
やっと魔法が使える…。
馬車の中で俺は感極まっていた。
ナナ姉さんは土魔法と木魔法、水魔法が適正らしい。
練習風景を眺めて羨ましいと思っていた為、魔法欲求がやばい。
ナナ姉さんは魔法の練習の為堂々と魔力操作を練習していた。俺とリリアは父さんとルル母さんが近くにいる為魔力操作はしていない。
「ナナは本当に魔力操作が上手いなぁ。」
「本当ね。既に王家直属のの魔術師と同じくらいかもしれないわね。」
「えっ?お城で働くのは嫌だなぁ。一緒に居られなくなるし…」
ナナはレオを見るが、馬車の外を眺めているレオは気が付かない。
ガルブレッドとルルは気が付き、王城で働きたくないと言う娘になんとも言えない感情を抱えながらも、幸せになって欲しいと思うので笑顔を向ける。
リリアはずっとレオを見ている。やはりレオは気が付いてない。
勿論他のメンバーはその事に気が付いているが、いつもの事なので特に何も言わない。
おっ、冒険者ギルドだ。あの食べ物はどんな味がするんだろう。
俺の仮説が正しかったようで食糧の問題が改善され、前通った時より賑わいを見せる街を眺めていると教会についた。
そういえば中に入るのは初めてだな…。
「領主様、お越しいただきありがとうございます。準備は出来ておりますのでこちらへ。」
「ああ、本日はよろしく頼む。」
神従官と父さんが言葉を交わし、中へと入る。
正面に像が7つある。多分神様の像だろう。フィルピスっぽい像とファメールっぽい像がある。
俺の視線に気が付いたのか神従官が話をする。
「レオフリート様、あちらの像は神様達の像でございます。左から商業神ロダナール様、魔法神ファメール様、生命神フィルピス様、創造神アルデベール様、地海神ガイナプラス様、武闘神マキアルタ様、技能神ガルダルカ様でございます。」
へえ、結構神様いたんだな。
そう思っていると神従官が続ける。
「創造神様、魔法神様、生命神様、地海神様が世界を作り、商業神様と武闘神様、技能神様は後から集まったとされています。この世界は神様達が作り、見守ってくださっております。神様は時折加護を下さり、我々を助けてくださっております。あなたの心から輝かしく暖かい光が感じ取られます。きっと神様もあなたのような方に加護を下さるでしょう。」
そう言うと、神従官が像の前まで行き、俺もそれに続く、父は後ろで待つそうだ。
神従官に従い、片足をつき、手を祈るように合わせる。
神従官も同じようにし、像に向かい祈る。
「神々よ、輝かしき未来を待つ者に祝福を与えたまえ。」
『フィルピス様、ファメール様、無事5才を迎えられた為、ステータスプレートの授与とご挨拶に参りました。新しい人生はとても充実しており、楽しんでいます。転生させて下さりありがとうございます。』
俺も祈る。その瞬間目の前が真っ白になった。
見た事のある白い世界。
まさかここに来るなんて…と驚いていると、目の前の光景にさらに驚く。
フィルピス様が茶のようなものをすすり、ファメール様と後ろ姿の神であろうお方が煎餅を食べ、テレビを見ていた。コタツで。
ファメール様がこちらに気づき、あんぐりと口を開ける。かじった煎餅が落ちる。それを見たフィルピス様がこちらを見てお茶を噴き出す。
そして最初から気が付いていたかのごとく、後ろ姿だった神であろうお方がこちらを笑顔で見て
「やっときたね。」
と言ってきた。