第36話 神?いいえ愛です。
前回のあらすじ。
魔道具作ったと思ったら神具出来てました。
とか変なこと考えてたら夕食の時間みたいだ。
「ご主人様、夕食の準備が整いました」
「ありがとう、すぐ行くよ」
俺は立ち上がり、予備に来てくれたメリアーノと共にリビングへ向かう。
今日はパンとステーキ、サラダに具沢山スープだ。
このスープの具材のじゃがいもだが、食材が豊富にもかかわらず、芽に毒がある、緑の部分は体に良くないなどがしっかり広まっている。
普通食い物が他に大量にあるなら、疑わしき食べ物は見向きもされ無さそうだ。
人の経験から伝わってきたのか、女神が伝わるように何かしたのかは分からないが、じゃがいも料理好きにとっては、適切に処理すれば安全に食べれる、的な事を広める面倒事がなくて良かったと思う。
じゃがいもってだけで毒扱いされると面倒だからな。揚げじゃがいもという商品は屋台で見かけたから今度作ってもらおう。
え?屋台のは食べないのかって?油が綺麗であろう油取り替えた直後なら買って食べるが、チラ見したらそこそこ黒かったから体に悪そうで買う気にならなかったんだよ。潔癖症じゃなくても元日本人はあれは買わないんじゃないか?
まあ油も揚げ物をするほど使えば費用はかなりかかるからしょうがないっちゃしょうがない。それでも売れるからそのままなんだろうし。
錬金術使えば綺麗に出来るんだがなぁ…。
そういえばパン美味いな。化学とかはあんまり進歩してない気がしてたんだが?
いや、実家で食べたのや屋台のより柔らかくて美味いのは間違いない。
「パンは手作りか?凄く美味い」
「ありがとうございます、ご主人様。パンには集落で使っていたイースト麦の粉を普通のパン生地に混ぜて作っています。代々伝わってきた作り方で、混ぜてから2倍くらい膨らむまで待ってから、普通のパンと同じように作ると美味しくなるんです」
ポルーチェがそう答える。
「へぇ。イースト麦は王都で帰るのか?」
「いえ、手持ちにあるだけです。どこかで調達出来ればとは思うのですが…」
「種はあるのか?」
「一応少量ですがあります」
「明日3つほど貰えるか?」
「かしこまりました、ご主人様」
そんなこんなで夕食を終える。
「みんなに受け取って貰いたい物があるんだ」
そう言って俺は腕輪を取り出し、席につき食後の休憩に紅茶を飲むみんなに手渡して行く。
「普通の装備品と同じで装備すれば効果が分かるからあんまり説明はしないけど、今後それを付けて生活して欲しい。屋敷の外に行く時も同様にだ。それは所有者のみ取り外し出来る様にしてある。サイズは意識すれば変えられるから、取り外しする時に魔力を通してくれ。あと、それについてる紋章が家紋になる。それを付けてれば大体の厄介事から守ってくれると思う。じゃあ明日からも仕事宜しく。ロワーヌは後で部屋に来てくれ」
「はっ、はい!かしこまりました!」
皆腕輪を見てぼーっとしていたが、ロワーヌは名前を呼ばれ返事をする。
俺はリビングをでて風呂に入る。既に風呂に湯が張ってあった。夕食後に湯に浸かるのを見越してくれて、事前に準備していたのであろう。
昼に一度入ったので身体を軽くながし、湯に浸かる。ちょうど良い温度だ…。
凄いな…夕食後すぐに来る事が分かっているかのような温度調節だ。
今日はなんか忙しかったな…。いや、自分で仕事を増やしたに過ぎないか…。
そういえば腕輪と指輪に劣化防止と硬化魔法の付与をしてなかったな。痴漢防止に俺以外の気を許した異性以外には触れられないような結界も付けよう。後でやっておこう。
俺は風呂から上がりまだリビングにいた全員の腕輪に追加付与を施し、水を飲み部屋に戻る。
明日の予定を考えているとロワーヌが部屋に来る。
「ご主人様、ロワーヌでございます」
「入って良いよー」
「失礼します。それでどのような御用でしょうか?」
「モフモ…ブラッシングをさせて貰いたくてね」
「ありがとうございます。宜しくお願いします」
ああ、良いな。思ったよりも狼人族の毛は硬くない。
今回は風呂に新しい匂いのシャンプー類を設置したけど使ったみたいだ。ブラシをいれるたびにいい匂いがする。
俺が嫌いな匂いは使ってないから当たり前っちゃ当たり前か。
髪もブラッシングするついでに耳も触らせて貰おう。
おお…!この先端のフワフニ感が堪らない…!癖になりそうだ。やっぱり尻尾と耳はいいな。
しばらく堪能してロワーヌに感謝を伝えると、ロワーヌは部屋を出る。
ああ…今日もよかった。
俺は心地よい眠りにつく。
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奴隷side
腕輪を貰った直後、私達は動く事が出来なかった。
見て分かる。これは例の龍の鱗だろう。龍の素材は鱗一枚でも平民の生活なら一家4人で1年は暮らせる。
それに加え大小宝石が付けられている。こんな豪華な物奴隷の持ち物では無い。
ご主人様の話は聞いていたが、反応出来なかった。最後に名前を呼ばれた時はびっくりして声が裏返ってしまった。
ご主人様が風呂に向かってから少しして私達はやっと動き出す。
「ご主人様はやっぱり神様なんでしょうか?」
メリアーノが腕輪を付けた後そんな事を呟く。
私もそれは思ってしまった。神具、そう説明があったからだ。
「メリア、ご主人様は否定していたし嘘はついていなさそうだったから神様ではないでしょう。でも限りなく近いかもしれないわね。古い文献に、神力という力をもつ神従官が手伝って作った聖剣が神具だったと書いてあった覚えがあるわ。その神従官は神の使いと崇め称えられたそうよ」
マリーエルがそう答える。確かにご主人様は否定していたしその通りなのだろう。
「それにしても凄い綺麗です。模様も紋章や私達の模様、宝石を際立たせるように作られている気がします」
ポルーチェがそう話す。子供達も自分達に対しての綺麗なプレゼントに喜んでいるようだ。
「そうですね。名前にある通りご主人様の愛を感じます。私達はご主人様にずっと幸せでいて貰う為に頑張りましょう」
「はい!」「ええ!」「頑張る!」
私の言葉に皆が賛同する。
ご主人様が風呂上がりにつけ忘れたと付与を施してくれた。劣化防止と硬化魔法だそうだ。大事にしよう。
私は風呂に入り、追加されていたシャンプーに好きな花の名前が入った物があったので使ってみる。良い香りだ。
風呂でしっかり洗い、浸かったあとご主人様の部屋に向かう。
ココルがされたブラッシングをして貰った。
これは…!す、凄い…はぁ…はぁ…ココルがもう一度と言うのも分かる。
声を我慢するのも辛い。
!!耳も…そんな…ん………。
半分意識がなかった気がする。ご主人様から感謝され部屋を後にする。
またやって貰いたい…。
私の今日の夜は昨日より長かった。
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