第34話 掃除魔道具と母
昼食をみんなで食べつつ、俺は話し始める。
「食べながらでいいから聞いてね。午後は掃除用の魔道具の説明をするから仕事前に一度ロビーに集まってね」
「かしこまりましたご主人様!」
うん、元気がいいな。ナナやリリアと仲良くなったって言ってたけどその影響だろう。
昼食を食べ終えたので、ロビーに集まる。
「とりあえず掃除魔道具を作ったから使ってみてくれ。魔力はスイッチオンで魔心石から流れるようになってる。吸い込み口より小さい物しか吸い込めないから、それ以外は普通に拾うか箒と塵取りだな。箒くらい軽いから箒使うよりも楽だとは思う。使い方はこんな感じだな。」
軽く使いながら説明をする。
「そんで筒部分と先端は取り外し可能だから、場所によって筒部分をなくして長さを調節したり、隅や狭い空間を掃除する時は細い先端したりしてくれ。この水の魔心石付きの物は飲み物とか溢してカーペットが汚れたときにすぐ使うと汚れが殆ど落ちる。あくまで応急処置みたいな物だから溢した液体によっては諦めるしかないけどな。それぞれ先端に布を縛り付ければ小物を吸い込まずに掃除も出来る。水拭きが必要な時はモップ使うしかないけどな。」
「かなり掃除が楽になりそうですね。ありがとうございますご主人様!」
「うん、じゃあ宜しくね」
そういうと俺は部屋に戻る。ナナとリリアも一緒だ。
「レオ、また便利な物を作ったな。やはり発想力が凄いな」
「流石お兄ちゃん!」
まあ前世のものをこっちの世界風に再現しただけなんだけどな。魔心石は使いすぎると壊れるけど、前世の電気代とかと比べると多分安いな。魔法便利すぎる。
「ありがとう、それで俺はまたなんか作ろうと思ってたけど何かして遊ぶ?」
「はい!魔法を教えてほしいです!」
「そうだな、威力の高いものや広範囲の攻撃魔法は座学でしか学んでないから色々と教えてほしい。頼んでいいか?レオ」
「じゃあ亜空間部屋に行こうか」
そう言って暫く亜空間に篭り、ナナとリリアは魔法を大量に放ち魔法の訓練をする。
風呂にせっかく入ったので汗をかかない程度練習してからナナとリリアは父さんの屋敷に戻っていった。
父さん達がいる間は一緒に過ごすそうだ。俺は一応当主になったので外聞の為極力自分の屋敷で過ごす。少し寂しいが、奴隷達もいるので問題ない。むしろハーレム感が俺を元気にしてくれている。
部屋で新しい魔道具を考えるか、ルクヴァンと貴族メインの商会をしている人達にする話を考えるか迷っていると、屋敷の玄関の扉が勢いよく開く。
「レオ!話があるわ!」
母さんの声だな。タイミング的になんとなく理由は分かるが…。
ポルーチェが呼びに来てくれたので俺は玄関に向かう。
勢いよく入ってこられたせいで、奴隷達は厳戒態勢になったがナナとリリアがいた事からすぐに冷静になり、俺を呼びに来たそうだ。
ロビーにはナナとリリアと母さんとルル母さんがいた。奴隷達には仕事に戻って良いと伝えて母さんに話しかける。
「どうしたの?母さん。予想は大体出来るけど」
「分かってるなら話が早いわ。ナナとリリアから話は聞いたわ。母さん達の分は無いのかしら?」
笑顔だが俺は知っている。少し威圧が入っている事から拒否はさせない姿勢だ。まあ拒否なんてしないけど。
「まだ数はないけどある程度はすぐ作れるから屋敷に届けるよ」
「ならいいわ」
「ありがとうレオ君」
母さんは満足そうな顔だ。ルル母さんも直接きた事から大分欲しかったんだろう。良い笑顔だもの。
「それでレオ。奴隷?使用人?の使っていたあれは何?」
「奴隷でも使用人でも呼びやすい方でいいよ。使っていたのは掃除用魔道具だよ。風で吸い込んで掃除を出来るんだよ」
「へぇ、便利そうね」
「使用人は掃除が大分楽になると思うよ。王都の屋敷用とヴァルダイルの屋敷用に用意しておくよ」
「本当?ありがとう。使用人も喜ぶと思うわ。私達は1週間しないうちに領地に戻るからその時にまた来るわね」
「分かったよ、母さん」
母さん達は屋敷に戻っていった。
さて、約束したし作れるだけ作るか。
部屋に戻った俺は亜空間を開き中に入る。農業用の亜空間だ。
原料は植物のみだから個人的に作る分はこれからも自作だな。亜空間と時間魔法で時を進めるのは中々いいな。生産力が桁違いだ。収穫は中々面倒だが…。
亜空間に出たり入ったりを繰り返し、種まきから収穫までを何度もする。
農業用亜空間も広げるか…。
俺は神力と魔力をたっぷり使う。
ちょっと広げすぎたかもしれんな。まあ手前だけ使えばいいか。
中に入って何となく広さが分かったが、かなり広い。例のドーム換算だと3個分はありそうである。
それでも最初の家庭菜園レベルよりは効率は上がったので、屋敷全員が使っても1ヶ月は持つであろう量は確保できた。
匂いは花メインで花の名前を容器に書いておく。
本体容器はガラス製でいいか。俺の大量の魔力で硬化魔法を強化しておけば割れないし。
魔法袋を用意し、掃除機の量産をしてシャンプー類と一緒にしまう。
大分早いけど届けるか。
俺は1時間足らずで用意したそれらを父さんの屋敷に運ぶ。
門番は顔見知りだったのでそのまま屋敷に入る。
「母さ〜ん、持ってきたよ〜」
少しして母さんがやってくる。
「早かったわね、レオ」
「材料はあったからね。ほとんど使ったけど。とりあえずこの魔法袋の中身に屋敷で住んでる人が全員で使っても1ヶ月は持つ分入ってるよ。こっちの屋敷の人用もあるから適当に分けといてね。使い方と順番はうちの屋敷に設置してある物を複写して強化した額縁に入れといたから風呂場の中に置いておいても大丈夫。これもここと領地用の2つ用意したよ。掃除魔道具も、ここと領地用で数を用意したから適当に分けてね」
「ありがとう、レオ。じゃあお風呂で頭を洗って貰おうかしら?ナナとリリアが絶賛してたからお願いね」
お風呂イベント再びか。まあ今回は洗うだけだが。
「分かったよ。じゃあ先に頭洗って、母さんが風呂に入ってる時に使用人達に魔道具の使い方教えるね」
「ええ、お願いするわね」
…
「いい泡立ちね。これは…中々…ナナとリリアが絶賛するのも分かるわ…はぁ…」
「じゃあ後はコンディショナー付けて時間を置いてね」
「私もお願いレオ君。…はぁ…確かに良いわね…ふぅ…気持ちいいわ…」
「じゃあルル母さんも同じようにコンディショナー付けて、時間を置いてからぬるぬるが取れるまで流してね。じゃあ先に出て、魔道具の説明してくるよ」
「ええ、ありがとうレオ」
ちゃぽん…
「メア…」
「ええ想像以上だったわね、分かってるわ、ルル。今夜はガルに頑張って貰いましょう」
…
俺は上がってからドライヤーとふんわりタオルを用意していない事に気づき作った。
そして使い方の紙とドライヤーをタオルの上に置いておく。
タオルは大量に先程の魔法袋に入れて、ドライヤーは3つ入れる。
俺は風呂場を後にすると、俺は使用人に声をかけつつロビーに行く。
少しすると掃除を良くする手の空いている使用人が集まる。
「仕事中に集まって貰ってごめんね。この掃除魔道具を使ってもらう為に説明しておこうと思ってね…」
俺は奴隷達に話した内容を話す。
「…まあそんな感じだよ。多分高い位置とか掃除が楽になると思うから、すぐには慣れないだろうけど頑張ってね。腕とか腰の負担は減ると思うから」
「ありがとうございます、レオフリート様。他の使用人にも伝えておきます」
「うん、宜しくね。使ってて不便だと思う人は使わなくてもいいからね。掃除の仕方は人によって向き不向きがあるから」
そうしてる間に母さん達が風呂から上がったようだ。
「ちょうど良いタイミングだったみたいね。レオ、タオルとドライヤーもありがとう。調節しなくていいから髪乾かすのも気を付けなくて良くなったのはありがたいわ」
「うん、タオルもドライヤーも魔法袋に入れておいたよ。あれはここ用で、3つは屋敷用って感じかな。タオルは大量にあるから適当に分けてね」
「ふふ、至れり尽くせりね。助かるわ。それに本当にサラサラになったわ。艶も少し出てきた感じがするわ」
「継続すればもう少し艶が良くなる筈だよ」
「ふふふ、楽しみね」
「レオ君ありがとうね」
「気にしないでよ。近いうちに売られるように手を打つから売られ始めたら、他の香りのものは増えるかもね。俺が用意出来るのは随時送るから。一般的に売られるまではあんまり香りは増えないけどね」
「ふふ、今回もレオが作ったものは大分売れそうね。値段とかはどうするの?」
「一応平民にも買える値段にはしたいんだよね。固形石鹸に香りを付けるのは成功してるから、ボディソープとコンディショナーを少し高め設定で、シャンプーは平民でも手の届く値段にして貰うようにするよ」
「あら?固形石鹸に香りがつくならシャンプーも高めでいいんじゃない?レオの事だから固形石鹸の香りもそんなにシャンプーとかと遜色無いんでしょ?差別化がないと貴族も少し煩そうだけど」
「とりあえず差別化はコンディショナーと泡立ちの違いでボディソープだけで良いかなって。やっぱり髪を洗うのに固形石鹸は髪にダメージ与えやすいから、専用のもので洗った方がいいからね。綺麗な女性が増えれば人口も増えて経済も回るでしょ?」
「結構考えていたのね」
「まあ自分がナナやリリア、身近な人の綺麗な姿を見たいって思ったから作っただけだけどね。…良い女性を沢山見たいって思った気持ちもあるけど」
「ふふ、それでも凄いわよ。色んな香りに興味はあるから頑張って販売まで取り付けてね」
「任せてよ母さん」
「頼もしいわね。あっ、私達明後日に出発になったわ。セバスチャンが結構四苦八苦してるみたいね。レオが盗賊除けしてくれたから、単純に要望が増えたのね。盗賊がいた場所は少し荒れてたから区画整理を少しやらなきゃね」
「頑張ってね、母さん。明後日の朝見送りに来るね」
「ありがとう、レオ」
そう言って俺は屋敷に帰宅した。




