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二度目の人生は異世界で幸せに  作者: 夜ペンギン
終わりから始まりへ〜転生までの道のり〜
3/40

第3話 終わりの最後そして始まりの笑顔

 

「あなたには元々の予定通り私達の世界に転生して頂きます。」


 特に異論は無かった。悲しいくらいに日本では未練というものが無かったからだ。

 不幸な事は多かったし、このまま生きていてもきっと不幸続きで、心から幸せだと言える時は来ないだろうとも思っていた。

 恋人、妻子はいなかったし、両親も大学生として県外で住んでいた時に連絡が通じなくなり、それ以来会ってもいない。借金を残された為、自分の奨学金の返済と含めるとかなりの額の借金になってしまい、そこそこ恨んでいた。いい会社で働いていないのに羽振りがいい、とは思っていたんだけどまさか借金残して消えるとは思わなかった。

 唯一の心残りはゲームの続きが出来ないことや漫画、小説の続きが読めないくらいだろう。

 仕事?心残りなんてあるわけがない。


「そこはどういった世界なんでしょうか?」


 俺の問いに金髪の女神が答える。


「私達の先輩が作り出した世界です。あなたの世界でゲームや漫画、小説といったものにハマり、作ったと聞いています。あなたの世界と違い、科学というものはあまり発展せず、代わりに魔法が存在しています。魔法の認識はあなたが思っているものにあまり差異はないでしょう。」


 その言葉に震える。魔法が使える。ただそれだけで感動ものである。

 そして、銀髪の女神が続ける。


「私達の世界では、魔法の他にスキルや称号、神の加護が存在します。スキルは一定の修練や条件を達成することで得る事が出来ます。神が気まぐれに与えることもありますが。称号も同じような感じです。加護に関しても神の気まぐれだったり、信仰心の強いものに与えるもので、神の存在は強く知られている為、大体3分の1程の知能の高い生物は加護を持っています。称号や加護は持っているだけで効果があります」

「そこで転生の際、あなたにはお詫びとして加護は言わずもがな、多めにスキルを与えたいと思っております。その他身体的な要望など細々としたところまで出来るだけ願いを叶えて差し上げられます。なにか要望などはございますか?現存の魔法を最初から全て使えるようにも出来ますよ。」


 かなり優遇してくれるらしい。銀髪の女神は少し砕けた感じになってきて、魔法のくだりではなんとなくだが興奮している感じがした。魔法の神らしいから魔法がかなり好きなのだろうか?


「ありがとうございます。スキルに関してはどういったものがあるかわかりませんが、そういう知識がなまじあるので、そこそこ要望が多くなってしまうとは思いますが、大丈夫でしょうか?」


「お詫びですので遠慮はなさらず構いませんよ。」


「では、見たものの詳細が分かる力、沢山ものを収納する力、私が元いた世界の事を調べる力、それと成長が早くなるようなスキルなどがあるとありがたいです。あっ、身体的にではなく物覚えが良くなるようなものです。全ての魔法は使ってみたいですが、最初から使えるよりも頑張って使えるようになったほうが嬉しいので。…あと…できれば運も上げていただけると…」


 結構要望を出してしまったが、どれか1つでも要望が叶えば万々歳である。多分だがこの辺りの能力が役に立たないなんて事はないだろう。


「そうですね…そのあたりは叶える事が出来そうです。強い生物もいますので結構大事ですよ。そのせいでかなりの数の命がなくなってしまいましたし…そのせいで忙しくて…」


 あぁ…なんとなく分かった。俺が死んだ理由…


『なにがあったかはわからないけど、より多くの魂回収する為に急いで作業しててしっかり確認しないで被害に遭ったんだな…俺…』


「うぅ…すみません…」


 金髪の女神は申し訳無さそうにしてそう言った。何となく分かっていたが考えが読まれているらしい。神だな。


『でも結構やばい世界っぽいなぁ…』


「そのあたりは大丈夫だと思います。戦争をしている国は今殆どありませんし、魔物の争乱も暫くは起こらないと思います。知性を持った魔物は滅多に生まれませんので。今回はその稀に生まれる知性を持った魔物が、他の魔物を集めて大きな戦を挑んだせいで大きな被害が起きたわけですので…言い訳みたいになってしまいますが、平和な世界になり、新しい命が増え始めたおかげで私達はここ数年働き尽くしだったので…ミスをしてしまいましたが…」


「気にしなくて大丈夫です。忙しいとミスをしてしまうのは仕方がないですから。でも、魂を他の世界から取らなければならない程生物が増えたのですか?」


「様々な世界は魂を巡回させて、魂に刻まれた記憶そのものをリセットしているのです。巡回しなかった魂は生前の記憶を少なからず思い出し、人生そのものにかなり影響を与えてしまいますので…あなたが望むのであれば記憶を消しても構いませんよ。今回はお詫びと世界の発展の為にあなたの記憶は消さずにお送りしようと思っていました。あなたの魂はとても美しいので…」


 なるほど…そういうシステムなのか。それにあまり性格が良いとは思ったことがなかったが、女神にとっては美しいらしい。なんか褒められたようで嬉しいので出来る限り変な道に走らないよう気をつけて期待に応えよう。


「記憶は残したままでお願いしたいです。記憶がなくなると要望が今の私に関係ないものになってしまいそうですし。発展のほうも頑張ってみます。」


「わかりました。ありがとうございます。他にはございませんか?人として転生したいとは思いますが、人にも種類があり、大まかに真人種、獣人種、妖精人種、魔人種が存在しています。細やかに分けると真人種は人族のみですが、それ以外は様々な〇〇族がいます。容姿に関しても絶世の美男美女にもできますよ。」


 人に生まれ直したいとは思っていたが結構種類がいるらしい。ただどの種族がいいとは分からないし、身体的な要望を出して変に思われない種族を女神に選んで貰おう。


「種族に関しては特定の要望はありませんが、その…男として生まれて女性にモテるような容姿がいいです。出来ればずっと(・・・)幸せでいたいので…それに合う種族を選んで頂けるとありがたいです。」


「分かりました、少しお待ち下さい。要望に合う転生先を調べますので。」


 そう金髪の女神が言うと銀髪の女神と話し合う。


「ここ……じゃない?」

「…ずっと……たから…」

「こことかは……」

「……よりここは…先祖に…いるし…」

「そこは……あぁ……こうすれば……隔…遺伝でもおかしくはないか」

「…」


 ニ柱の話し合いはそこそこ続けられた。少し噛み合っていなかったが双方それには気が付かずに時は進んでいく。


『モテる容姿にするのに遺伝が必要なのは分かるが結構真剣に選んでるな。』


 俺のために選んで頂いてるのでありがたく思いつつ大人しく待っていたら話し合いが終わったらしく、金髪の女神は此方を向き話し始める。


「転生先が決まりました。貴族の家になってしまいますが三男なので、家の後継者として生まれられませんが宜しいでしょうか?家族の雰囲気は良さそうなので家族間でトラブルは起き無さそうです。」


「はい、それで大丈夫です。真剣に考えて頂きありがとうございます。」


「他に要望や聞きたいことはございませんか?」


「ではお言葉に甘えて、まず魔法についてなのですが……」


 ………。


 暫く色々な事を聞き、


「その他にはございますか?」


「いえ、要望は今考えつくものはお伝えしたもののみなので大丈夫です。聞きたいことも今までに聞いた情報だけで大丈夫です。他は生まれてから覚えていくほうが良さそうですし、楽しみでもありますから。お時間を沢山頂きありがとうございました。」


「分かりました。では、何かありましたら教会に来て下さい。祈っていただければお聴きする事が可能ですので。私の名前はフィルピスです。」

「私の名前はファメールです。」


「私は斉藤(さいとう)蓮音(れお)です。あぁ、でも転生しますし名前は変わるんですよね。斉藤(さいとう)蓮音(れお)でした。笑」


「「ふふっ」」


 色々と話をしたおかげか最初とは違い表情は柔らかくなった女神達は笑ってくれた。女神の笑った顔が見れて幸せだと感じる。こんな幸せな思いをしている人間は俺以外には滅多にいないだろう。優越感に浸る。


「「では、れおさん。あなたの新たな生に幸多からんことを」」


 ニ柱の女神に笑顔で見送られ、視界は白く染まっていく。


 あぁ…二度目の人生は幸せになるように祈り、努力して生きよう…

 やりたい事もどんどんやって後悔しない人生を送ろう!

 楽しみになってきた!!


 そう考えながら意識は遠のいていった。


前置きは終わりじゃよ

次回からは転生後のおはなし


まったり投稿

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 神の手違いで死亡とかいう超テンプレ設定で中身は大体想像が付いたが、いやしかし、ここまでドテンプレでガチガチに固められているとは思わなかった。会話のテンポは悪いし、一話一話の文量もない。…
[一言] だいたいこうゆう人間は転生しても一家皆殺しにされるんだよな(笑)しかも自分だけ生き残る形で(笑)
2020/01/04 21:20 退会済み
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