第19話 鏡作りとパーティ準備
「で、出来た。完璧だ。」
思わず独り言が漏れる。
材料や分量は検索で調べてガラスは簡単に作れた。無駄な物質は入り込む余地が無いのでかなりクリアである。
銀も最初熱してガラスに塗ろうとしたがガラスが熱で歪んだり割れてしまった。
そこは再び錬金術の出番である。便利すぎてやばい。
失敗しても変形、分離があるので無駄にならない。
その為大量に様々な形の鏡を作ってしまった。
実戦訓練で倒した魔物や生き物は売ったが、お金はナナとリリアに譲り魔物の魔心石は譲って貰った。
魔心石に魔力を蓄積させ、付与魔法で陣と魔法を付与する。
鏡の耐久力アップの付与をする。衝撃を受けたとき自動発動する、鏡の位置を固定をする陣をつける。
かなり割れにくくなった筈だ。我ながら凄いと思う。
巨大鏡はジュエリードラゴンの鱗を枠に、装飾に宝石を付けて、ゴテゴテしつつも調和の取れた鏡が出来た。
満足してそれをしまい、次に大人の身長より少し大きめの姿見に木枠を取り付け、木に蔓のような模様を描いていた時、部屋のドアが開かれる。
「レオ!ルクヴァンから使いが来たから今から商会に向かうわ…よ?」
集中し過ぎて気がつかなかった。まあこれは見られてもいいか。家用に作ったやつだし。
「れ、レオくん?そ、それは…か、か」
「うん、鏡だよ母さん。父さんにお願いして銀を用意してもらえたから母さんの為に作ったんだ。父さんと俺からのプレゼントだよ。もう少しで装飾が終わるから少し待ってね。」
周りに蔓や花の模様をつけて色をぬり完成させた。
そして後ろを見ると母さんは涙を浮かべていた。
「レオが私のために…。ありがとうレオ!!嬉しいわとっても!!!」
そう言い抱きしめてくれる。作ったかいがあった。
「持っていっていいかしら!!」
「うんいいよ。立てれるように折りたたみ式の足も付け足し、壁にかけられるように紐も通しておいたから好きなところにおいてね。耐久力も上げておいたから魔心石に魔力が無くなるまでは割れないはずだよ。」
「ありがとうレオ!」
そう言い鏡を抱え母さんは部屋を出て行く。
俺は他のところにつけに行くか。
まず風呂場の体を洗うスペースの壁に曇り防止用風魔法を付与した魔心石付き鏡を付ける。
洗面台の場所にも大きさ違いの同じ効果の物を付ける。
住み込み用使用人の家にもシンプルな姿見を渡しに行ったら泣いて感謝されてしまった。
勿論ナナとリリアの部屋にも姿見を持って行く。喜ばれ、抱きしめて貰った。幸せである。
部屋でゆっくりしていると、母さんが慌ててやってくる。
「レオ忘れるところだったわ!商会にいくわよ!」
ああそう言えばそんな話してたな。
「分かったよ。行こう母さん。」
商会までの間母さんはずっと俺に感謝してくれて抱きしめてくれていた。うーん柔らかい。幸せである。
「わざわざ直接来て下さりありがとうございます。販売の目処が立った為ご報告をさせて頂きます。」
「いえいえ、暇だったから問題ないわ。いや、暇じゃなくなったから直ぐに戻りたいんだけどね。」
「それは…」
「レオが鏡を作ってくれたのよ〜。それも全身が見れるタイプの大きいものを。横にも大きいからドレスがどんな感じかも見やすくなるわ〜。」
母さんがぶちこむ。商会には言って欲しくなかったけど口止め忘れてたし仕方ないか。
「鏡を作った!?れ、レオフリート様はどれだけの才能をお持ちなのですか…。」
「ふふっ、レオは使用人の家にも鏡を用意してあげる優しい子なのよ〜。レオまだあったら見せてあげて。」
「分かったよ母さん。…これがそれ鏡です。」
そう言い手鏡を取り出すとルクヴァンに渡す。
「これは…鏡に歪みがない…!?それに私の鏡よりもより鮮明に映って…。レオフリート様これは…。」
「材料は大体ルクヴァンさんが考えているものと変わりませんよ。作成方法も多分考えている通りです。でもこれで商売するつもりは有りませんよ?鏡やガラスを売っている商会に喧嘩を売るようなものですからね。」
「そう…ですよね。今の値段よりもかなり安い値段で売れるようになってしまいますからね。…その…妻のために売ってもらう事は可能ですか?」
「構いませんよ?契約期間も切れていますからね。確か手鏡で小金貨1枚出したよね?こちらも同じ値段でいいですよ?」
そう言いシンプルな姿見を出し、手鏡を回収する。
「こんな立派な物を…。いえ小金貨3枚出させて頂きます。」
そう言うと近くの引き出しから小金貨3枚を取り出し俺に渡してくる。
「ではお言葉に甘えて頂きますね?魔心石が付いているのがわかると思いますが、それに魔力がある限り割れにくくなっていますので、家まで運ぶ際あまり慎重に運ばなくても大丈夫ですからね。魔心石が浪費されて使えなくなったら変えてください。無属性の物で大丈夫ですので。」
「そんな機能まで!?追加で1ま…」
「もう商談は成立しましたから必要ありませんよ。そのお金はご家族の為にお使い下さい。」
「…ありがとうございます。」
「それでおもちゃはいつ頃販売開始するんですか?」
「あっ、はい。1ヶ月後に貴族の懇親会があるそうですのでその日に販売出来ればと思います。」
「王都まで馬車で4日だからドレスやパーティ服は間に合いそうね。明日例の服屋でお願いしていいかしら?レオの物は男物だけど、そこで選べるようにしてくれると有り難いわ。あとガルの服の調整も。」
「勿論構いません。優先で作らせていただきます。パーティ参加の趣旨の手紙を貰えれば私達の荷物と共に運ばせて頂きますので明日お持ちください。」
「何から何まで悪いわね。お願いするわね。じゃあこれで。」
「本日はありがとうございました。」
「こちらこそありがとうございました。」
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帰りの馬車でにて…
「レオ、そういえばガルに感謝しに行ったら、俺にはくれなかったんだが、って悲しそうにしてたわよ?」
「父さんも欲しかったのか…。」
「ふふふ、帰ったら渡してあげなさい?」
「うん、分かったよ。」
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次の日ドレス選びやパーティ服選びは1日を要した。
俺が臨時収入を得た為それを支払いの足しにしてもらい、全員分新しい服を用意する事が出来た。
そして服を届けて貰ったり、追加のおもちゃ用魔道具を渡したり、いつもの訓練やナナとリリアと遊びながら王都出発の日を待つ。
そして、事件は起きる。秘密がバレたのだ。
話の進行が早いのか遅いのか分からんな。
自分で言うのもなんだけど内容がうっすい気がするわ。




