第17話 実戦訓練
「対人戦は正直お前たちに教えられる事は無くなったから、そろそろ魔物を相手に戦う練習をする。ていうかお前たちの呑み込みの早さと上達の早さは恐ろしいわ。」
俺が8才になってから数ヶ月経ったある日、父さんが朝練の時間にそう話してきた。
「やっと外に出かけられるんだね!」
俺は興奮して声が大きくなる。やっと生の魔物と出会える。料理や解体された物は見かけた事はあるが、生きている状態は見た事が無かった。
ナナも興味があるのかそわそわしている。リリアはいつも通り俺を見てニコニコしていた。
「いや、まあお前達なら油断しなければ余裕だと思うがな…。お前たちの将来の道の一つとして魔物と戦う事が必要な職業もあるからその為の練習。いわば職業体験みたいな物を体験させる。レオから聞いたかもしれんが俺とナルメアは冒険者上がりだから色々教えられる。外回りをする衛兵も必要な事である野営と討伐を体験してもらう。ナナとリリアには強制はしないが…」
「お父様。私はレオと同じ道を歩んでいくので勿論参加します。」
「私も勿論参加するよ!お姉ちゃんと同じ気持ちだからね!」
「父さん魔法や道具に制限はないんだよね?」
「お前ら…まだ若いのに逞しいのか楽観的すぎるのか分からんぞ…。レオ、勿論持てる力の全てを使って構わない。下手に制限をかけて命を危険に晒す必要は無いからな。」
「準備はしっかりするよ。いつやるの?」
「俺の都合に合わせてもらうから2日後の昼から3日後の昼までだな。実際にはもっと長い期間練習でしたいが、俺の都合もあるし、食糧とか荷物の問題はレオがいるから正直意味がないからな。ナナとリリアはレオと別に行動して野営する事は無いだろうから野営自体は軽い体験だな。」
「分かった父さん準備しておくね!」
その日の夕方。
「ナナ、リリアこれあげる。今回の野営用だからあんまり高性能じゃないけど。」
そう言い500m ×500m ×500mの容量のマジックポーチを渡す。ナナには薄い赤色、リリアには薄いピンクの腰に提げるタイプのポーチである。
「お兄ちゃんこれは?」
「マジックポーチ。容量は500m四方の立方体だよ。魔力を流してみて。」
「レオ…。」
「お兄ちゃん…多分やり過ぎだよ…。お姉ちゃん容量の事は私達の秘密にしておこう。10m四方の立方体って事にしようね。」
そう言いながらも魔力を通してくれる。
「初めてのナナとリリアへのプレゼントだからちょっと張り切っちゃったよ。ごめんね。でも盗まれないように持ち主以外には、重さ1000キロに感じるようにしてるから安心して使っていいよ。持ち主は俺と最初に魔力を通した人のみにしたからね。」
「お兄ちゃんありがとう嬉しい!」
リリアはそう言い抱きついてくる。
「いや、リリア。もっとまずい事を言っていたのはスルーなのか…。でもレオありがとう。私も嬉しい。」
そう言いナナも照れながらも腕に抱きつく。
幸せである。
「じゃあ明後日に向けて各々準備しようか!部屋に戻るね。あっ、あと時間停止機能もついてるから食べ物も入れておいて大丈夫だからねー。」
そう言い残し俺は部屋に戻る。
「「やり過ぎだよ…レオ」お兄ちゃん」
残された2人はそう呟く。
野営の日。
「よし、準備は出来たようだな。行くか。」
「「「はい!」」」
父が門番に挨拶をし、俺たちは魔の森と呼ばれる森に入る。
魔物が多く出現するため魔の森らしい。安直である。
ん?魔心石持ちの生物反応があるな。まだ遠いが進行方向だし心の準備をしておくか。マップの性能もなかなか良いのが出来たな。範囲も狭すぎず広すぎずいい感じだ。
そう、この2日で新しく魔法とスキルを作った。創造魔法様々である。
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レオフリート・フィル・ヴァルダイル Level 1
人族 年齢 8
能力値
生命 76800/76800
体力 67000/67000
耐久力 6800
速さ 7000
力 90000
魔力量 578020/578090
( 力 2100/2100)
適性魔法(Level)
基本
生活魔法(MAX) 火魔法(13) 水魔法(13)
土魔法(13) 風魔法(13) 木魔法(13)
無属性魔法(13) 電気魔法(13)
分創魔法(MAX) 創陣魔法(MAX)
ユニーク(Level)
雷魔法(11) 氷魔法(11) 闇魔法(11)
光魔法(11) 付与魔法(12) 回復魔法(14)
空間魔法(15)
(エクストラ(Level))
(時間魔法(10) 古代魔法(5) 創造魔法(MAX))
(創造魔法)
(転移(創造魔法により作られた特別性))
(亜空間(魔法の付与が可))
(検索(現世と前世の情報を引き出す事が可))
(マップ(魔法の付与が可))
(結界(創造魔法により作られた特別性))
スキル(Level)
成長促進(15) ユニーク
鑑定(MAX) ユニーク
アイテムボックス(MAX) ユニーク
(ストレージ(-) エクストラ 付与不可)
錬金術(12)
魔力操作(MAX)
(隠蔽(MAX)ユニーク)
自然回復(MAX)
魔力感知(15)
剣術(MAX)
槍術(MAX)
弓術(MAX)
格闘術(MAX)
空間把握(15) ユニーク
敵対感知(1)
(魔心石感知(-) エクストラ 付与可)
称号
神々に愛されている者 家族大好き人間 妹を愛する者
姉を愛する者 神童 魔法マニア 剣聖 槍聖 弓聖
拳聖
加護(祝福度)
創造神の加護(最大)
魔法神の加護(最大)
生命神の加護(最大)
武闘神の加護(最大)
商業神の加護(最大)
地海神の加護(最大)
技能神の加護(最大)
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【マップ】…視界の一部もしくは全面に半径5kmの地図を生成(空間把握スキルレベルでマップの地形精度が上がる)。ステータスプレートのように表示する事も可能。魔法とスキルの併用が可能。
【結界】…魔力結界、物理結界の他に、条件を付けた結界、属性毎の結界が作成可能。結界に魔法とスキルの付与が可能になる。範囲は使った魔力量に依存。創造魔法による特別性。
【空間把握】…自分を中心に周りの生物、地形の状況を把握出来る。精度と範囲はレベル依存。半径100m〜6kmまで把握可能。
【敵対感知】…自身もしくは自分が意識した対象に対して敵対心を持っている者を感じ取れる。精度と距離はレベル依存。半径100m〜6kmまで把握可能。
【魔心石感知】…魔心石の位置を把握出来る。蓄積されている魔力量の判断が可能。条件指定が可能。範囲は半径5kmが最大。
魔物が近づいてるのは伝えなくてもいいかな?魔力量はあんまり多くないから多分強力ではないでしょ。
少しすると1キロ位まで魔物と近づく。父さんが反応するのを俺が気づいた事を父さんが気がつく。
何も聞いてこない俺が既に感知しているのを何となく分かったそうだ。
500mまで近づいたところで、ナナとリリアは違和感を感じたらしく、声をかけてくる。
「レオ、この気配って…」
「うん、多分魔物だね。思ったより早く気がついたね。」
「魔物は魔心石に魔力を貯めるって聞いてたから、魔力感知に力を入れながら周りに生物がいないか注意したから。」
「うん、多分それでいいと思うよ?普通の獣も危険なものがいるからね。」
「ああ、レオの言う通りだ。レオはどれくらい前に気が付いていたんだ?」
「大体5km位かな?だんだん近づいているのは分かってたから何かあっても大丈夫だったと思うよ。」
「相変わらず凄いな、レオ。さて、リリアから戦闘してみるか。危なかったらレオが助けてやれよ。」
「はい!頑張ります。」
「分かったよ。父さん。」
少しずつ近づき対象を捉える。
あれはウサギか?色は茶色。なんか〇〇アブロスみたいな捻れた角生えてるけど。流石異世界。
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二角ウサット
魔闘力 200
二本の角で刺すように突進してくる。たまに二本の角が真っ直ぐに伸びた個体あり。食用。
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おお、鑑定さん便利。特徴まで分かるなんて。でも、魔闘力が分からないから調べるか。
検索を使い魔闘力を調べる。頭に情報が入ってくる。
魔闘力…魔物の戦闘能力の総合値。筋力、耐久力、素早さは個体によって違うが、総合値は魔物ごとに同じ値。
へぇ、同じ種類の魔物でもパラメーターの割り振りはランダムって感じか。ここにいるメンバー全員耐久力高いし、モロに刺されなければ大怪我はしなさそうだな。
「じゃあ、リリア好きなように戦ってみろ。」
父さんが小声でそう言うとリリアは頷く。
バレないよう無詠唱で風の刃を放ち首を飛ばす。
「うん、心配はしてなかったけど上出来だな?嫌な気分にはなっていないか?お前たち。」
「問題ないよ父さん。」
「大丈夫です。」
「早く私も戦ってみたいわ。」
「はは…大丈夫そうだな。まあ油断せずに行こうか。」
生き物が目の前で死んだ事に対して全員平気そうな事に、若干父さんが引き気味だった。
そのあと何匹かの二角ウサットが出てきたが、順番に倒していく。一撃で。
何度か行動を見るように言われ、避けるだけの練習もした。
普通の猪も出たので同じように倒していく。
父さんが用意してくれた鉄の剣も中々良いものなのか切れ味いいな。魔力全く使わずに真っ二つにしてたぞ。姉さん。
しばらく奥に進むと夜が近づく。
「じゃあこの辺りで野営するか。寝袋とかは買ってきたか?」
「いえ、枕と掛け布団だけ持ってくれば良いとお兄ちゃんに言われたので…」
「父さん寝る場所は俺が作ろうと思ったんだよ。見ててね。」
俺は土魔法で近くの木を倒し、根っこを風魔法で切り、平らなスペースを作る。
その後に木魔法で巨大な木を生やす。くり抜いた木の中にくり抜いた木で作ったテーブル、イスを置き、階段を作り、二階部分にベッドスペースを作り、木に入る部分に扉をつけ、空気穴かつ見栄え用に木窓をつくる。
ベッドはベッド風の木の枠に木のおが屑が大量に入れ、木の皮を滑らかにしたものを上に載せて作った。おが屑が下から漏れ出ないように四隅に隙間をなくす事も忘れない。
「ベッドが買えればベッド置くだけで良かったんだけどね。寝心地は悪くはないと思うよ。」
しばらく3人は声が出なかった。
「ま、まあ快適であるに越した事は無いからな。」
父さんはそう言うのがやっとだったようだ。
買っておいたすぐ食べれるものを皆で食べる。灯りは生活魔法の【ライト】だ。
俺が作ったマジックポーチについても突っ込まれたが、ナナとリリアは容量や機能については誤魔化していたが、料理が温かいままだったので多分気がつかれた。「ダンジョン産しか時間が緩やかになる機能は付いていないからな…。」と言われたからな。
「じゃあ寝る場所はあるとして寝る順番を決めようか。」
父さんはそう言うが、
「結界魔法で物理魔法障壁と魔物除けの魔道具起動して置くから大丈夫だよ。この木も強化して頑丈にしてあるし、燃えないようにも作ったからね。」
「はぁ…野営自体いらなかったかもしれないな…。」
「お父さん!野営は必要だよ!お兄ちゃんとの外でのお泊まり会なんだから!」
「私も弱いとはいえ魔物と戦えて良かったから無駄では無かったわ、父さん。」
「俺も外に出てみたかったし必要だったよ。」
「はぁ…。」
何度目かのため息で父さんは考えるのをやめたのか、二階にみんなで上がり、即席ベッドで眠る。結界類は少し広めに発動したので動物の近づく気配も無かった。
翌朝、慣れないベッドだったので違和感はあったが、身体が痛くなったりはしなかった。
朝食を取ったあと、作った木をバラバラに砕き地面に入れ強化魔法を強制解除して燃やす。盗賊の拠点などにされないようにだ。
「じゃあ帰りも油断せずに行こうか。」
父さんがそう言い、帰ろうとしたところで俺のマップに反応がでる。
!?なんだこの魔力を秘めた魔心石!結構強い魔物なんじゃ!?
「父さん!」
「ん?なんだレオ。そんなに焦って…!?」
父さんも気が付いたようだ。
「ナナ!リリア!急いで領地に帰れ!レオもだ!俺はここで食い止めるからすぐに母さんたちと兵士を…」
近づいていた魔物がもうすぐそこに来ていた。木を無くしてスペースを作っていたため見つかったようだ。
まさか…
「龍だったなんて…。」




