第10話 神々との会談
「やっときたね。」
真ん中の像に似た女神がそう言う。
多分アルデベール様だろう。
「ははっ、様なんていらないさ。君は遠慮するタイプみたいだからはっきり言っとくね。敬語もいらないから楽に話してよ。命令、と言っておけばいいかな?」
命令とまで言われれば従うしかない。
正直助かる。敬語とか苦手だしね。
「分かった。ありがとう。で、なんで俺はここに来たんだ?ステータスプレートを貰うやつ全員がここに来てるわけでは無いだろう?」
「ああ。簡単に言えば挨拶と謝罪さ。とりあえず先に謝っておくよ。すまなかったね、部下の不手際で辛い思いをさせて。」
「いや、もう気にして無い。むしろ感謝してるさ。夢に見た魔法を使えるんだからな。」
「そう言って貰えるとありがたいね。そろそろ他のみんなも来そうだし準備しようか。」
「「え?」」
フィルピス様とファメール様がよく分かっていないのか疑問の声をあげる。
アルデベール様が立ち上がり手をかざすとコタツやテレビや飲食物が消え、7対1の椅子と弧を描いた机が現れる。
みんなという言葉でなんとなく分かってはいたが他の神様も来るのだろう。
そう考えるや否や空間がいくつか歪む感覚がした。そこから像に似た女神が続々と現れる。
皆俺を見て若干驚くが、最初にいた3柱を見た瞬間「あぁ…」という声が聞こえそうな表情をする。
「じゃあみんな座って挨拶をしようか。」
笑顔でアルデベールが言うと皆席に着く。
分かってはいたが圧迫面接みたいな孤立した席が俺なんだな…。
若干過去のトラウマを思い出しつつ俺も席に着く。
「まず初めにみんなを紹介しようか。君から見て左から、商業神ロダナール、魔法神ファメール、生命神フィルピス、創造神アルデベール、地海神ガイナプラス、武闘神マキアルタ、技能神ガルダルカだよ。君も疑問に思ってるから言っておくけど、男の神も勿論いるよ。まあ僕が嫌いだからこの世界にはいないってだけ。みんなこの世界を作る前から知り合いだったからね。少し手伝って貰ってるのさ。」
女神様達は自分の紹介の時に「宜しく」「よろしくねー」など気さくに挨拶をしてくれる。
「レオフリート・フィオ・ヴァルダイルです。よろしくお願いします。それで…」
自分の自己紹介をし、なぜ呼び出されたか聞こうとしたら、アルデベール様が話し始める。
「なんで呼び出されたかだよね?まあみんなに君を周知させる為さ。フィルとメルは既に君に加護を与えていたからね。みんな忙しいし、無理やり集めて他のみんなにも加護を与えさせようと思ってね。みんな僕の世界にあまり居てくれないから…」
寂しそうな顔をする。アルデベールに向かってマキアルタ様が抗議の声を上げる。
「そりゃあみんなやる事があるからな。ここの世界だけにいるなんて出来ねーよ。それに全員からの加護は流石にやりすぎじゃねーか?3つでもあんまり持ってるやついねーのに。5つ以上なんて今までいねーだろ。」
「そうだけど…。でも詫び以外にも色々理由はあるんだよ?この世界の発展はみんなも望んでいただろう?前世の知識で、新しい物も生み出せるし、ついこの間は食糧事情も解決できて暫くして論文でも出して貰えば世界は大きくかわるよ?武闘会とか戦う場で新しい戦術なり、工夫した戦い方をやって貰えれば、力押しの今流行ってる戦い方も少しは変わると思うんだ。技術に関しても同じように色々進歩すると思ってる。」
俺は空気になっているが、アルデベールは加護を俺につけて、より発展させて貰いたいらしい。かなり饒舌だな。
ありがたいが今のままでもかなり発展させれそうなんだがなぁ…。
まあ無いよりある方が良いのかもしれない。
集められた女神達は、少し悩んでいたが割と早く結論を出したようだ。
「まあいいか。悪用はしなさそうだしな。」
「そうね、私が担当してる世界は玩具とか殆どないし、色々と地球の玩具を広めてくれると嬉しいわね。遊び道具があればここのみんなも今までより集まるでしょう。」
「私の加護があればそれもすぐ出来そうだし、賛成だよー。」
「私も異論はないわぁ。アルちゃんには恩があるからねぇ。」
説得が効いたのか武闘神、商業神、技能神、地海神は異論がないらしい。
話は逸れるがこの世界の神々の役割を話しておこう。
創造神は、その名の通り作り出す事に特化しているような神である。万能かつ神としての格もその他の神と一線引いている。
生命神は世界のバランスが崩れたとき、生命のやりとりを色々やるらしい。それまでは下手に手出しせず、子供が生まれる生まれないについても神は殆ど関与しないそうだ。
ただ簡単に命が失われないように、加護は回復魔法など治療系の魔法を良くする効果がある。
魔法神はその名の通り魔法関連全般が得意らしい。
加護も魔法全てを良くする効果がある。
武闘神は戦いや武術が好きらしい。やる事があると言っていたが、大体は色々な世界の戦いを見て回っている。
加護は言わずもがな戦いを有利にする様な効果がある。
商業神は商売に関する決め事を管理している。特許の様な物らしく、決められた期限は独占が許されているらしいが、その決め事を破った者には天罰が下るそうだ。
加護は学問や就職が有利になる効果や商売に役立つ効果がある。
技能神は戦い以外の技術関連に興味があるらしい。
加護は技術の早期習得などの効果があり、分創魔法や創陣魔法を良くする効果もある。
地海神は世界のバランスが崩れたとき、大地と海をバランス良くなるよう再生を促したりするらしい。
加護は自然に関する感覚や自然関連の魔法を良くする効果がある。
良くする、と漠然とした説明だか、本当に色々効果がある。と創造神が頭に直接話しかけてきた。
ちなみに神達に関する説明は頭に直接情報をぶち込まれた。
それができるならもっと詳しい情報をぶち込めと思うが、沢山の情報を無理やり入れるのは負荷がかかるそうだ。
そんなこんなで加護を与えて貰う。
身体がかなり光った。
幸福感というんだろうか。暖かい感じがする。
「じゃあ、二度目の人生を引き続き楽しんでね。信仰も僕たちの力になるから、暇なときは教会に来てね。もてなすよ。」
「じゃあな。記憶を勝手に覗かせて貰った。酔拳とかお前の世界の武術は面白いな!加護は最大で渡したからまあ許せ。そのうちいい事もしてやるからそんな顔すんな。笑」
「新しい物どんどん作り出してねー。」
「よろしくお願いしますね。」
「綺麗なところいっぱいあるから機会があれば見に行ってねぇ。」
「今日初めに見たものは忘れて下さいね!!」
「お願いしますよ!!」
神々からそんな言葉を言われると、身体が透けてくるのが感覚で分かる。溶けているようだ。
「色々良くしてくれてありがとう。楽しみつつ、出来ることをやっていくよ。」
笑顔で返事をし、その後視界が真っ白になっていく。
短くも濃密な時間だった。
今後こんな事は無いだろうが、あの美しい女神達には出来ればまた会いたいな。
そんな事を思いながら、レオは元の世界に戻る。
これからは1週間に1、2回更新出来ればいい方かな。




