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茶吉の日常

沼田の財宝

作者: 茶吉

今日は沼田村という小さな漁村に水道の検針をしに行ったササ美。雑草が生い茂る季節になったので、水道のメーターが隠れて見にくくなってしまっている場合に備えて持参したシャベルで、草を払い、クモの巣と格闘していた。するとそこへおばあさんが話しかけて来た。「あんた、沼田の財宝を探しに来ただね?」と大きな声で聞いてくるので、「いいえ違います。水道の検針です」とササ美が答えると、「そうかね、沼田の財宝を探しに来たかね」と、おばあさん。何度言ってもそのおばあさんは、沼田の財宝。沼田の財宝。の一点張りで、会話が成立しないので、ササ美はおばあさんを放ったらかしにして検針をして回っていたが、そのおばあさんはどこまでもついてくる。角を曲がると先回りしてそこに居るのだった。

検針を終えて、帰って来るなり、「で?沼田の財宝ってなに?」と、ササ美が興味深々で聞くので、茶吉は子供の頃に流行った都市伝説を話して聞かせた。江戸時代に、沼田でも農民の一揆があって、沼田城の沼田一族が、皆殺にされたのだったが、攻め入ってくる農民を前に沼田一族は城にあった小判を壺に入れ、それを領地内にあなを掘って埋めてという言い伝えがある。茶吉が子供の頃には、土日ともなれば、シャベルを持った観光客や村人が、沼田の歴史を調べて思い思いの場所を探索して掘っていたことがあった。事故も何件もあり、崖から誤って転落し、死亡したおばあさんも確かいたんだんだよなぁ。どうやらそのおばあさんは、ササ美にだけ見える霊だったのではないだろうか。見える人が来てくれて嬉しくて、寄って来たのだろう。でもそのおばあさんをササ美が連れて帰ってこないところをみると、おばあさんは地縛霊だったのだろう。

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