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本日4話目。

 よっし、腹ごしらえもしたし!

 残りの周回とそれでも時間があれば2層IDも回ってみて、MOB次第では周回しておきたい。

 トオルのおかげでスタートダッシュきれるのは本当にありがたい。


 オークションはまだそんなに品物は並んでいないし、今はIDできるだけまわりたい。

 並んでいないのは当然だよな。大多数のプレイヤーは今日通貨を手に入れたばかりだろうし。


 おれの本領は、もう10日後くらいからかなー。

 それまではやれることやるだけだな!



 10回となると結構時間くったなー。

 それでもトオルを全面に押し出して最短時間だと思うんだけど……

 これ以上は現時点では無理か〜。


 しかし、この成長の種があるなら上限ステータスの解放がかなり大事だなー。

 最初は上限高すぎて才能の差は残酷だよ?

 みたいなものの為の上限の高さだと思ったが、種さえあれば……


 レベルで固定の+5上昇。あとは起きたときに俺が+10、トオルが+20上がってた謎の原理での上昇。

 うまく…うまく時間を使わないとなぁ。

 うーん…もう夜といえる時間だけど2層を1周だけはしておきますか。


 ※


 ここもオークかー、あトオルくん一応慎重にね?

 初見だからね!

 しかし種で能力上がったからのか、ここも一層と大して変わらなかった。

 BOSSも特筆することがない程度にトオルは圧倒的だったな。


 で、ですよ。

 ⦅成長の種・2を手に入れました⦆


 2かー。やっぱ意味あるんだろうなー。

 最初はステータス上昇+2に期待したけど+1上昇だったので効果は変わらずだね。


 このレベルなら周回しちゃおうって思ったんだけど、できなかったんだよねー。

 入れなかったんじゃなくてもいつも通り右の水晶を触って2階層のID前に転送されたんだけど!


 ここでまたトオルくんが右の水晶さわったら消えていなくなったんだよねー。

 焦っておれも水晶さわったらなんと1階層のID前に。

 どうやら右の水晶は触れば触るだけ上まであがれるようだな。


 急遽いれた予定が狂った程度で、俺はトオルを怒ったりはしない。

 もう10回クリアしてしまっているので、ID前から拠点まで1時間歩くことになったとしてもだっ……


 どうやら拠点中央のクリスタルからいったことある階層の拠点まではワープできるようだし。

 収穫とおもわなければね?


 トオル、お腹すいてるかもしれんがギリギリまで攻略しようとした俺。

 水晶触りまくって1時間ロスしたおまえ。

 悪いのは二人ってことでここはひとつ。



 というか、一日の時間の使い方真剣に考えないとな。

 睡眠が8時間として、攻略が16時間……?

 昼夜休憩の1時間ずつの2時間引いても14時間労働て……

 アカン、これじゃ真っ黒だわ!


 いやおれもVRMMOならオープンするまでに万全の態勢を整えて、48時間ほぼスタートダッシュ決め込むとかやってきたけどこれは期間も長いしライフワーク!

 続けていくことが大事だよな。


「トオル、食べながらでいいから聞いてくれ」


「……」


 あっ、聞いてるよね?

 全身から喜びのオーラ出しながら食べてるけど!

 俺が食べながらでいいっていったから返事ないんだよね?


「えっとだな、トオルって何時間くらいまでなら苦痛……しんどくない気持ちで働ける?」


「……っ……。うん、いつもはもう少し早く起きてこの後もあと3時間くらい働いてたよ!でもこの後の時間は道具を磨いたり掃除の時間だった。あと朝はご飯なかった」


 ほほーん?さすがですな?

 ブラック()とか軽々しくいったけど、本場みたいなところにいたんだもんね……

 悪いこと聞いちゃったね……

 とりあえず本人はあんまり気にしてないみたいだから、反省するので流させてください。


「そっか、今日は特にこれから何かをするってことはないけど明日からは何するか考えるわ。今日はもう宿で寝よう」


「うん!」


 といっても時間の使い道について本当は少し考えがある。金策だ。

 金策、つまりお金稼ぎのこと。おれが最も得意とする分野だ。


 これができないと今風のゲームは辛い。

 金策できない人はMMOではない装備で差がつかないVRゲームして棲み分けてるし。

 金策の能力を含めてPS(プレイヤースキル)と呼ぶものもいる。


 そして肝であるオークションチェックは常にしている。そう…オークションシステムだ。

 金策3流の頃はいわゆる転売でがんばっていたけど、No.1ともなってくるとそんなことはしない!

 ああ、3流といったが別に悪いことだからせこいからしないといってるわけではないのだ。

 メリット・デメリットが割にあわないからしないだけだ。


 このゲームの参加者は同じ鯖で500人、全体でも5000人。

 こんなんいつか全員顔見知りになるレベルじゃん、そこで転売師の称号はいらん。

 出品の量をみても恐らくオークションは全鯖つながっている、500人規模だと問題おきそうだしな。


 日本だと海外と比べ物にならないくらい稼いでる事に対するマイナスイメ-ジはないが、海外ではもちろん税金対策の面もあるが寄付をたくさんしていたり、しっかりお金を使ってお金を回している。


 もちろん日本にもお金をたくさん持つということに似たイメージは避けられない。

 ましてやそれが転売で築いたもので、長期間プレイするのはデメリットも多いのだ。


 そして俺はみつけたのだ。どのゲームでも通用するいくつかの有効な手段を。


 まずはオークションの限度まで出品すること。

 出品するのはドロップ品もそうなんだが、目玉は簡単・複雑な素材問わず加工したもの。

 生皮なら革に、オードを触媒アイテムに、書の破片をレシピに……という具合だ。


 もちろんその加工物をつかってさらに上位のアイテムにかけ合わせるのも忘れてはいけない。

 限度数から手間という時間と総合して利率のいいものから順に埋めていくのが基本形態だ。


 どうやら拾ったものを売る人はたくさんいるのに、ひと手間かけたものを売る人は少ないらしい。

 少ないだけで周期的に2週間は同業者あらわれた!とか、そういう現象は利率が良ければよいほど増える。


 これもまた当然なこと、だが反対に手間がかからないものが品薄になることもある。

 だからこそ色んなアイテムを把握する。

 そのうえで、並行して製作してない利率のいいものをチェックしてどんどん入れ替えだ。


 このゲームは1人オークション枠は20枠だ。

 この20枠を常に埋めて売れてたらすぐ補充する……

 売れ筋をつかみ、確実な物は在庫を用意し利率がよくても売れるまで時間が掛かるもの、足が遅いものは2軍に。

 我がインベントリーは売れ筋アイテムであふれてるぞ、ハッハッハッ!



 トオルの20枠……?

 俺は夢見る少年じゃないんだっ!

 視える……視えるぞっ!!


「トオル、これ50金貨でオークション登録頼む-」


「わかったー。おいたよー、あっ!売れたよー。はい5金貨!」


 俺は夢見る少年じゃないんだっ!

 トオルBOSS戦頑張ってくれる人、俺金策頑張る人。

 不得意をカバーしあったかけがえのないパーフェクトな関係だ。


 ということで夕食が終わったことはこの金策にあけくれたいと、おもいまーーす。

 トオルには簡単な加工を、おれはもう少し難しい加工を。


 初見以外のID周回では、ある程度トオルに戦闘をまかせてオークションの把握に努めさせてもらおう。

 初期鯖サーバーでの金策はこんなもんだろ。

 理想の俺から色々もぎ取られてる状態では、これが精いっぱいだろう。


 後は、マザーの言うランキングというのを待ってだな、うちの鯖が報酬圏内の3位に入ってる事を祈るか。

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