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本日3話目

 さてと……おれたちはおれたちでこのIDとやらにだなー。


 入口も結構豪華だな、左右の丸い水晶なんだろなー?


 扉に触れてみると


 ダンジョン人数:1人~2人1組

 クリア:0/10



 ふむふむー、2人PTで入れることは分かった。

 クリアの方はなんだろうか?

 周回できる回数なのか、クリアできるPTの数なのか。

 あと回数リセットがあるのかも気になるな。



 とりあえず、BOSSはMOBの10倍強いんだっけ?

 外のMOBの10倍強いくらいならいけるけど、はてさてどうなのか。


「トオル、いくぞー」


「うん」


 あ、トオル二人に手を振っとる。

 人懐っこいいやつめ……

 じゃあ、知識を総動員してお金稼ぎだな!



 さて転送されたけど、普通の洞窟型のIDかなー。

 奥に進めばいいやつやね。



 進んでわかったことはMOBは外と一緒だな。

 レッサーオーク・レッサーオークメイジの2種類だけだ。

 強さもそんなに変わりないな。


 期待してた通貨、佐々木さんが言うように落としてくれる。

 だいたい1匹2-5銀貨か。

 日替わり定食1杯5銀貨だったからだいたい1銀貨で100円?ってとこなのかな?


 とりあえずさっき二人を助けた収穫で、レンジは俺と同じく3回でMOBを撃破してたことから恐らくそれが普通でやっぱりトオルがかなり優秀なんだな。


 レベルも上がって4になったが元ステータスは増えず、上限だけが一定値伸びるのは変わらずだった。

 現状のステータスって今のところ食事でしか伸びてないんだけど、これ他に伸ばし方あるのかな?


 脱線はさておいて、この分ならBOSSも大丈夫でしょう。

 100階層あるうちの1階層だし早めにクリアして先々のドロップ素材や武器防具がほしい。


 あ、そういやトオル未だに素手で戦ってるけど、初心者武器はトオルが一発スライムなぐったら武器の耐久が消滅しました。

 強い武器探さなきゃね……

 とりあえずワンパンな間は素手でやっていただいて、無理になったあたりで武器探し真面目にせんとな。


 とと、BOSS前っぽい扉かな?

 両側にかがり火とかあるし。


「トオル、これからBOSS部屋に入るけど、まず色々と二人で確認しておきたい」


「うん」


「まず、入ったあとすぐ戦闘が始まるのかどうかだ。その場合はトオルも戦ってくれ」


「うん」


「それでな大事なのはすぐ襲ってこない場合だ。まず外に、今いる場所にでれるか確認とかしたいことがあるので、トオルも攻撃しないで待っててくれ」


 攻撃したら問答無用で戦闘始まっちゃって確認できないからねっ!


「あとこれ、道中のMOBからドロップしたポーション。さっき試したけど握りつぶせば使ったことになるから、その腰のベルトにつけておいて!」


「今HPへってないけどへったら使えばいいのかな?」


「そういうことだ。出し惜しみはしなくていいから。あと今までと同じように一発で倒せるとは思わないように、反撃ある前提で戦ってほしい」


「わかった!」


 よっしゃ、じゃあBOSS戦といきますか!



 トオルが扉を開けて一緒に入っていく。

 どうやら、すぐ襲われて戦闘!ということはなさそうだ。

 後ろの扉もあく、入ったら倒すまで解放されないっていうわけじゃないか。


 うんうん、ゲームオーバーとかいう厳しい設定なら撤退くらいはさせてくれないとな。

 本当は戦闘が始まってから閉鎖されるパターンもあるけど、まさか初見の戦闘中にトオルに戦わせて調べに行くわけにもいかんので……

 こういうのは情報の出回り待つしかねーかー。


 ふむ。あれがBOSSかな?オーク……ジェネラルってほどではないかな?

 下級レッサーが取れたオークって感じ?

 まあ1階層だしな。

 いきなりジェネラルとかはないでっしょう!


「よし、トオル。まずは1・2発殴ってくれ。ターゲットがトオルに固定された後、俺も加勢する!わかってると思うけど慎重にな!」


「うん!」


 お、一定距離にはいったら動き出したぞ。アクティブ型か。

 腐ってもBOSSってことだね!

 んじゃあ、まあ打合せ通りに。


 …


 ……


 いや、さすがに1発では倒れなくて、俺もBOSSは違うなーって思った瞬間。

 2撃目でお亡くなりに……

 あくまで10倍……10倍ってことかー


 トオルさん……いやトオル様!



 ドロップはあるかなー?


 ⦅成長の種・1を入手しました⦆


 ほほー?

 あれ、まだ成長の種とやらが残ってるぞ?

 これは、あれですね?


「トオルー、こいつからアイテムひろってみてくれ」


 うむ、どうやら拾えたか。

 PTメンバーが1人1回ずつ拾うまで消えない、よくあるパターンのやつね。

 名前からして、なにかを成長させてくれそうやね。

 レベルとか?


 ということで、いっただっきまーす!

 ぱくぱく、もぐもぐ。

 お、おお?


 俺

 レベル2

 筋力8/510

 敏捷18/510

 精神23/510

 体力13/510



 朝食とったのと、この種で+2か。

 てーことはこの種は全ステータス+1か。

 すごくね?

 現状ステータスは食事でしかあがらないと諦めかけたこともあったけど!

 やっぱり救済措置はこうでなくちゃな!


「トオルもその種、食べておいてー!」


 よし、これでもし!

 クリア:0/10

 が周回限度数で、さらに日毎にリセットされたら……?

 ゆ、夢がひろがるぅ!

 さよならクソステ、ようこそ理想の俺!


「よっしゃ、トオル。出るぞ!ついてこいっ!」


 周回、周回したいんじゃーーー!


 こ、ここが2階層か。

 出口から街が続いてるのか。

 さすがにNPCの方が目立つが、しっかりプレイヤーもいるな。


 で・も、気になるのは出口の水晶触って消えるプレイヤー。

 これ、多分周回のために上に戻れる装置とか何かじゃない?

 水晶に触れてみる。


 《1階層・ID前に戻りますか?》


 やっぱりね!


「トオル、これからさっきと同じ作業繰り返すぞ」


「わかったー。ご飯の時間までだね!」


 え……あんなに食べたのにお昼ご飯も食べたいんだ。

 いいけどねっ、トオルが幸せなら!ステータスも伸びるしな!




 上に戻れた、予想の通りだな。

 あとは、確認です。


 クリア:1/10


 きましたっ!夢への入り口!

 まだだ、まだ喜んではいけない。

 きっちり、成長の種・1とやらを落としてくれるかどうかだ!



 という事で、やってまいりましたBOSS部屋前。


「トオル、また確認したいことがあるからBOSSを一発だけ殴って、ちょっとBOSSの攻撃避けておいてくれないか?今度は戦闘中にも外に出れるか試してみるから。HP減ったらすぐにポーションね!」


「うん」


「よろしい」


 結果。

 戦闘中でも離脱可能、大事な大事な成長の種も無事ゲット!

 リョータ、夢への一歩を踏み出した瞬間である。


 あっ、トオルが言わなくても成長の種食べとる。

 これは、指示を予想したのかお腹が減ってたのか……


 ごめんね?

 今のうちにフレンドリストでレンジくんたちにメッセージ飛ばしておくね?

 捕まるまではこの周回に付き合ってくださいな。


 結局、4周した頃にレンジくんたちを捕まえた。

 1階層で食事ってことはBOSSに勝てなかったのかトライしなかったのか。

 この建物までくるのに1時間かかるから2階層の方が良かった、が言ってはいけないだろう。

 この世の中には自慢罪というものがあるらしいからな。





「えーっ!リョータさんたちもうBOSSクリアして周回までしてるんすか!カッケーっす!」


 こいつ、テンション高いのなー。

 あっ、待ってる間によだれを垂らしてはいけません、トオルくん!

 あっ、料理きた。


「僕ら今日はあんなことあったし、BOSSは様子見てしっかり判断してからやろうと思ってましたが、さすがっす!あ、料理食べてくださいっす!」


 ふっ、驚くがいい。

 この連邦の新兵器の威力を!


「トオル、お腹いっぱい食べていいからな!」


 すまんな、レンジ!

 お金にも目処がたったと言えば立ってるんだが、最初のスタートダッシュのためにしんでくれ!


「そうっす!命の恩人なんすからー!で、リョータさんたちはなんでこのゲームに?」


 なんで…だとっ??

 お前みたいに綺麗な女性とキャッキャウフフしたいからじゃーー!


「あー、俺たちは億万長者を目指しててな!」


「そうっすよねー?男たるもの、でっかく一攫千金ですよね!俺たちもなんす!100億万円ですよね!」


 あっ、こいつアホの子だわ。

 100億万円とかいう単語は小学生以来だわ。


 ん、んんーー!?

 今ツカサちゃん、日替わりランチの牛鳥のステーキを一口サイズに切り分けてレンジの皿と交換したよね?


 なななな


 納 得 い か ねぇ !


 ツカサちゃん切り分ける。

 ありがとうもいわず、レンジ(バカ)が食べる。


 な っ と く い か ね ぇ !


 ツカサちゃんもそれ見てニコニコしてるし……


 トオル!トオル!!

 おかわりはまだかっ!?

 このお店の料理全部たべてしまいなさいっ!!




「トオルさんってめっちゃ食べるんすねぇ」


 ふふん?すごいであろう?

 いや、俺もまさか9杯いくとは思わなんだ。

 昨日までは手加減してたのか?

 どや?お財布厳しかろ?


「ご馳走してくれるという話だったけど、俺らの分は一応出すつもりだが?」


 まあ、奢ってもらうほうの作法だよな。

 財布出す振りくらいはな!


「いえゲームオーバーしてたら、私たち稼ぎも何もなかったですから!」


 へーツカサちゃんが答えるんだー……

 笑顔もまぶしいんだねー!


 いや!トオルと組めて俺は最高だよ!?

 こいつが一番相性いいって思ってるよ!

 今でも出会えたのが嬉しくてたまらねえよ?

 でもそれ(トオル)はそれ、これ(ツカサちゃん)これ(理想)なの!


 羨ましい……

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