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本日3話目。
お?おお??
人がひしめき合う、ここは……聖堂?
なーんかステンドガラスとかあるし、ここが拠点なのかねー?
ちょっと待て……これは……
いやいや、まずは基本基本。
「ステータスオープン」
お、開いた開いた。
んん?
『あなたの番号は15番です。あなたと最も相性のいい人は284番です』
う、うん……
い、いやね?
これを待ってたよ。
でもこれもしかしてーー……
「オープンで相性の人がわかるからみんな確認してくれーーーー!マップも見えるからそこにいたが光ってるはずだ」
おれがある可能性に思い当たって動けずにいると、誰ががそんなことを叫んだ。
あ、オープンだけでいけるんか。
そ、そんな些細な事はええんや……
これ恐らく……
いやこんな時に必要なのは、そう……勇気!!
ええい、ままよっ!!
俺はマップの光点へ向かい確認した。
絵じゃん……
じゃなくってーー
男じゃん!!!!!!!
だよなー。薄々気が付いてたよ?
だって転送された時、明らかに男多かったもん。
7割はそうだったし……
あー、高校の頃思い出すわ。
5クラスのうち2クラスが男子クラスと聞いて、共学クラスへの組み分けになれるようにと神頼みしたの。
人生ベスト3に入るくらいの神様への願いだったなぁ……
今回は……負けちゃった……
なんだろう……
俺、なんでここにいるんだろう……
仕方ねぇ……この可能性に思い当たってから考えてたもう一つのプランしかねぇ…
せめてこのゲームで、女の子に認めてもらえなくて満たされなかった承認欲求満たしてやるわーーーー!!
『お金持ちプラン』
こうなったらゲームでめっちゃくちゃお金稼いで持って帰った後、きれーなおねーさんがお酒注いでくれるお店に通ってやるわーーっ!!!
俺はどのゲームでも、プレイヤースキルは上の中だが金策は、ぶっちぎりのNo.1だったんだ!!
かくなる上はっっ!!
1つのゲームを除いて装備差できっちりNo.1になったこの力を発揮してやる
プレイヤースキル依存ゲームではNo.2に甘んじ、
No.1からは踊る宝石とか歩く美術館と言われてたのもいい思い出だ。
が!ここには経験者と呼ばれる者は3人しかいないという!!
俺の時代だっっ!!!
泣くのはクリアしてからだっっ!!!
と、とゆーか目の前とは言わないが、結構近い距離に立っていたのに話にくるどころかこっちに歩いてもこねーな。
なんかぼけーっとしてるし、何よりちょっと幼い……?
俺もこの転送されてきたやつらの中では若い方だと思ったけどなー。
まあええわい。
イニシアチブ(主導権)のために俺からいこうではないか。
「初めまして、俺のアバター名はリョータで15番。そっちは?」
「え、えーっと。トオルです。……284番です。……あっ、初めまして」
んー、なんかちょっとテンポ遅い?
というか、女の子じゃない時点でどうでもよくなってたが、そういやこれ俺の最も相性のいいやつなんだよな?
なんでだろう?
ビジネスパートナーとして最高とかかなー?
とも思ったけどこいつからはそのオーラを期待できないが……?
とりあえずは行動だな。
MMOのスタートダッシュは大事。
どうやら他の組も聖堂の外に出始めてるし。
「とりあえず、なにする?」
最初は、とりあえず疎通からだな!
「お腹すいた」
単語で喋る奴にいいイメージないなー。
ま、意見には同意だ。
寝る前に食事出たけど、起きて転送するまで出なかったし、なんかその方が皆さんには都合がいいとかいってたし。
「了解。とりあえず何か食べに行こっか。食べながら、お互いのステータスの確認や方針を決めよう」
とりあえず、その辺のお店に入ってスタートダッシュのために時間短縮は必要だ。日替わりランチ2だな!そしてまず確認したのはお互いのステータス。
俺
レベル1
筋力5/500
敏捷15/500
精神20/500
体力10/500
なんだろう、まあ分母は最大値だろうけど初期ステ結構しょぼいなー。
ここまでっ!
ここまではまあ良かったっ!!
次、トオルくんのを見てみましょう。
トオル
レベル1
筋力75/500
敏捷25/500
精神125/500
体力75/500
んっ!!
んんんのんーーーーっ!?
えっ?やっちゃう??
VRMMOでそういうことやっちゃう??
いやいや、まずはまずはトオルくんに話を聞こうか。
「トオルくんつかぬことを聞くけど、ここに来るまで何やってた?」
「えーっと、山でずっと働いてました」
山?山??
とりあえず置いといて、肉体労働ってことかな?
これ決定ですわ。
現実の肉体がステータスに反映されてるぅぅぅぅ!!!
おまっ、それやったら戦争だろうが!?
なんでゲームにリアルを持ち込むんだよぉー、ダメだろうがよぉー。
そんなクソゲー売れないよーー??
あっこれもしかしなくても、上昇のしやすさも本人の才能次第なん?
はっ!!
『覚悟と才能があれば、最も相性のいい人と組んでVRMMOの世界を余すところなく楽しめ、富・名声・地位はあなたのものに』
才能ってそういうこと…??
はぁーーーー……
つっまんねーーーー!!!!
クソゲーじゃん!!
クソゲーじゃん!!!!!
そうじゃねーだろおれの主人公のゲームじゃねーのかよこれじゃねーだろうが!!!
予想は裏切れ、期待は叶えろ!
この言葉を運営ちゃんはしらんのかっ!!
はーーー!つっまんねーーー!!!
ていうか、VRMMO経験者は3名しかいませんってそういうことかよ!!!
VRMMOで募集したのに、3人ってことは明らかに異常だ。
みんな受からなかったんだ……
あーーー、帰りてーーーー!
帰ってVRMMOしてぇよーーーーー!!
よしっ、今日終わったらかーえろっ!!
30万もらってかーえろっ!!
すまんな、パートナー・トオルくん。
お前の相方はクソステを嘆いてもう諦めちゃった!!
「えーっと、僕なにか変ですか?変なことしましたか……?」
あー、オロオロしないでくれ!君は悪くない。
「なんでもないよ。お、日替わりランチきたね。食べるかー」
バックれを心に誓ったおれの食事は早い。
色々方針を決める?
何言ってんだ、食事中の私語はマナー悪いですよ。
ん?あれ?
「食べないのか?」
そう、トオルくん食べてない。
て言うか、よだれ出てるぞ。
「これ、僕のですか?」
「?そうだけど?」
何言ってんだ、まあ、満面の笑みで食べ始め、てーか食べるのはえーな。
見ている間に食べ終わったがまだ絶対足りてないって顔しとるわ…
「おかわり頼む?」
「えっ、えーー!僕のですか?」
「いや、そうだけど。おれは食べ終わってないけどこれで十分だし」
「は、はいっ!欲しいです」
というか、めっちゃ食うやん……
計7回おかわりしてたぞ。
最初に配布されてた金額ギリギリまで食べたんじゃね?
「若いからかなー?めっちゃ食べるねトオルくん。いつくなの?」
「18です」
はー、やっぱりかー。成人してすぐじゃん。
このゲームの参加条件ギリギリかー。
ん?
さっき山でずっと働いてたとか言ってなかったか?
高校は……?
このご時世、大学どころか高校出てないとかありうるのか……?
知らず知らずのうちに結構話すことになってんなー。
いや、気になるし……
「いくつから山で働いてたの?」
ここで俺は、この激動の数日の中でも1番の衝撃を受けることになる。
「えーっと12からです」
ステータスは暫定ですので、少しいじる可能性があります、ご了承お願いします。