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初投稿となります。
本日5話投稿予定しております。
よろしくお願いします。
おれ武田涼太はモテなかったし、モテない。
思えば俺は昔から少しのことでも期待している子供だった。
子供ってのは人生が主人公のつもりで生きてるからねっ!
小学生の頃、バレンタイン前にクラスメートの日高さんから、ねー聞きたいことあるんだけど?
って言われた時は俺のことかな?って思って何?
と期待していったらクラスメートの遠山くんって好きな子いるか聞かれた……
ま、まあ中学生になったら彼女できるんだろうなーと思っていた。
中学生になったとき、クラスでは1組か2組のカップルが出来ていた。
あー成立も少ないし、ここではまだ舞台にはあがれなかったかー……と言い聞かせた。
高校生になった。クラスで1/4くらいは彼氏彼女がいて、特に女子の彼氏持ちは多くなった。
ここでもなかったかーなんて思ってたけど実際は不安と焦りとそして何より羨ましかった。
ファーストフード店で男友達と何食べよっかなーと思って入ったときにクラスメートが彼女と一緒にいて男友達はこっちに会釈して女の子は恥ずかしそうにこっちにも会釈してくれる。
それを見ていてなんか恥ずかしくなった。
この気持ちはそう…小学生の頃100円握りしめて駄菓子屋にいったときに座り込んで5円や10円のお菓子をかごに入れずに抱えて夢中になって選んでいた時。
クラスの女の子(かわいい)がひざを曲げず上から手を伸ばして100円のお菓子一つだけをとっていった。
その時しゃがんていた俺が見上げて、その子と目が合った時に感じた、複雑な気持ちと重なった。
自分はたくさんの安いお菓子を抱えてるのが、かなり恥ずかしくて100円のお菓子一つだけを買っていった女の子が、なんだかとても大人に見えた。
大学生になった。
言いたいことはたくさんある。
まずクラスという概念が消えた、どうやらこの大学はクラスに該当するゼミは3回生からっぽいのだ。
振り返ってみて言いたい!入学式で宗教とかの危なさを教えてくれるのはいい。
いいけどな?
このうるさいくらいの50m歩いてるだけで10は渡されたサークルや部活動の勧誘が5月くらいでぱったりなくなることを!!!
教えておいてくれよ!!!!!
学校に慣れた頃に入ろうかなーって思う人はおれだけじゃないと思うんだ?
6月に危機感を覚えても行動に移せない受動的な人は俺だけじゃないと思うんだ。
小学生・中学生・高校生で自然にそれなりの友達がいた自分が!
まさかぼっち街道を歩むなんて思ってなかった、そういう人は俺だけじゃないと思うんだよっ!
あれだなー、きつかったのは親から言われた下宿してるからって友達と遊んでばっかりで単位落としちゃだめよというありがたいお言葉。
確かに…そんな話は授業前に聞こえてくるよ?あー単位やべーとか出席今日とる?みたいなやつよね?
大丈夫です、あなたの息子はVRMMOしながらでも余裕で全単位:優でございます。
少し……嘘です、大いに期待していたゼミも仲いい友達と一緒に入ってくる人ばかり。
その人たち同士で仲良くして、ゼミってやっぱ新しい出会いあるわー、とか話してるのを横で盗み聞くだけとなった。
ここに大学生活における最後のイベントも終わりを迎えることになる。
あっ、ぼっち路線が確定した頃に程なく、膨大な時間を潰すためにVRMMOにはまりました。
あと某巨大掲示板。
それにVRMMOは大学生というジョブもかなり上位ジョブだけど、フリーターが最強種族のうちの一つだと思い当たり、週1はしっかり夜勤メインでバイトいれました。
えーと、なんの話だっけ?あー彼女?ないない、それ以前の状態になりました。
だからね?20歳のころに受け取った10歳の俺からの手紙。彼女ができてますか?働いて結婚してそのうちお家建てれそうですか?
……
そんなわけない!!おまえの考えてる当たり前はあまりにハードルが高いんだっ!!
この懐かしき手紙を受け取った俺は、昔の主人公になりたかった俺を少し思い出して胸が痛みつつ。
しかし、その気持ちはまた日々の生活に埋もれていくことになる。
転機はそう……卒業が確定した3回生の1月テストの終了後だった。
これで卒業案件も満たして、最後のモラトリアムを楽しむためVRMMO漬けに突入しようかと思ってた時に訪れた。
『覚悟と才能があれば、最も相性のいい人と組んでVRMMOの世界を余すところなく楽しめ、富・名声・地位はあなたのものに』
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よろしくお願いします。