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隠れ里 零章ー上ー  作者: 武者狂い
2/2

迷い道

零零弐


この神社の宮司だろうか、正装とやらを着ていた。

「君はどうやって迷い込んだ?」

言葉を変えて聞いてきた。

「…山登りしてる時だ。」

「そうか、それならすぐに出れるだろうね。」

なに!?

「本当か!」

俺は男に近づいた。

「落ち着きなよ、準備しない事には脱出なんて不可能だよ。入んな。」

男は境内を指さす。

「あいにく、今は疑心暗鬼でな、知らない人間にホイホイついて行くほど、お前を信用してない。」

なるほどと俺は軽く手を叩く。

「私は出雲翠(いずもすい)この神社の神主にして、神様だよ。」

はっはっはっ、神様か……は?


零零参


俺は霧の中にいた。

経緯について

その後も翠にご丁寧に自分の事を説明され、少しは警戒心を解き(ともあれ、自らの事を神と称するのはイカレてると思ったが)、境内の中に入った。

「よっこらしょ…っと。」

翠が地面に手をついた、何をしてるんだ?

…ッッ!?地面から扉が生えた。生えたと言うより、出現した。

「物を創造する能力、はい、これで帰れるよ。」

もう何を言われても驚くまい。

「何を言ってるんだ。こんな張りぼてで帰れるわけ…」

扉を開けると、’その場’と繋がっていた。

迷い込んだ時と同様に霧がかかっていたが。

…帰れるのか。

「なぁ、翠。」

「どうした?怖気付いたか?」

違う、ただの興味本位だ。

「もう少し、ここに居たいんだが、良いか?」

「君ならそう言うと分かってたよ。まぁ、君が望むならそれでいいんじゃないかな。」

…ムカつくな。


零零肆


後日談

俺は村に一件家を借り、住まう事にした。

村の人間も親切で食料を分けてくれる。逃げ出したのが申し訳ない位だ。

後から聞くと、あの神社は大昔に廃れ、廃墟になっていたようだ。

…じゃああいつは。


「あの子はいつ帰るんだろうな。」


どこからともなく飛んでくる視線を感じ、背筋が凍った。

━迷い道 完━

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