迷い道
━━━道に迷う━━━━
まだ幼い時か、はたまた見知らぬ地に足を赴いた時、誰もがしたであろう経験。
どこに行けば良いのか、何をすれば帰れるのか、そもそもここは何処なのか、不安になった人も居るはずだ。
ここは、そんな道に迷った人間達が、偶然迷い込む仙境[隠れ里]
特筆して変わった所もない…いや、一つだけ異様な場所がある。
神と悪魔が住まい、よもや誰も寄り付かない、寄り付けない神社。
[飛翔神社]
そう書かれた看板の奥にその男は立っていた
「やぁ、君はどうやって迷い込んだのかな?」
零零壱
「はっくしゅん!…さみぃ…」
俺は山本遙真、山登りが趣味の男子高校生(現在彼女募集中)だ。
今日は冬にしては珍しい四連休初日、友人達はみんなバイトで特にやる事もなく趣味の山登りに没頭しようと思ったのだ、が…
「やべぇ、迷った…ここ何処だよ…」
道に迷った、辺りは霧に包まれている
勿論地図は持ってきている、だが辺りが見えなんじゃ使い物にならない。
正規のルートを辿って来たのに何だこの仕打ちは、ふざけんな神様。
とりあえず霧が晴れるまで待機しよう、常人は普通そう思うだろう、俺もそう思う。
数時間後…
「どこ、ここ。」
霧が晴れたと思ったら、見知らぬ地に居た、移動した訳でもない、ずっとその場に居た。居たら居なくなってた、俺は’その場’に居なくなった。
自然の脅威でもここまで景色が変わるわけがない、ある筈がなかったのだ。なぜならそこには、目の前には、村があった。そして地図にはここ、というか一キロ圏内に村どころか家の一つもない、突然現れた、ないものがあるものとして。
とりあえず、村の人に聞いてみよう、ここは…
「あの…ここはどこですかね?」
「あら?迷子かい?」
「まぁ、そんな所です、ここは…」
「ここは隠れ里、道に迷った人間が、迷い込むところよ」
「…は?」
意味が分からなかった。
隠れ里?それは空想上のもので現実にある筈がない。
どこだここは、一体全体どういう事だ。
怖い…怖い怖い怖い怖い…
ヘタレと言えばいい、怖いものは怖いのだ
俺は逃げた、全力で村の外に。
逃げた先で鳥居を見つけた、結構立派な鳥居だ
傍には…
「飛翔…神社…」
そう書いてあった大きな岩があった。
そして、その奥にその男は立っていた。
「やぁ、君はどうやって迷い込んだのかな?」
━━━続く━━━
OKK(おはよう、こんにちは、こんにちは)
この零章ー上ーは主人公の登場で終わらせてもらいます。
ー中ーやー下ーで主人公についてのあれこれを説明しますのでよろしくお願いします。
以上、武者狂いでした