出会い
連絡をもらったその週末、メールにあった住所に行くと個人の店とは思えない大きさの
中古車チューニングショップがあった
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「よぉ、ケンヤ久しぶりだな」
ケンヤとは中学卒業以来初めて会った
「おぉ、来たか秋名」
こいつのショップは、個人のくせにかなりでかい。その上スポーツカーばかり揃えてある
GTRシリーズ ランエボシリーズ RXシリーズ等々
「セダンとかバンとかないのか?」
いつものはぁ?という顔して
「いじっても楽しくないから置いてない」
俺の反応はもちろん
「えぇ・・・・」
当たり前だろという顔して俺の方を見てくる・・・・・
「いらっしゃい、貴方が秋名さんですか?夫から話は聞いてますよ」
という女性の声が聞こえた。
「あぁ、どうも秋名いろはで・・・・・す!?」
ちょっと待て、夫!?ケンヤが?何かの冗談だろ!?
左手の薬指をみるとそこには光る銀の指輪が・・・
「おい!ケンヤ!?」
慌ててしまって途中から声が裏返ってしまった。
「ん?あぁ、桃夏か。そういえば言ってなかったな。」
俺は立ち尽くしてしまった。あのケンヤに嫁が・・・俺には彼女もできないのに・・・・・
「桃夏です。夫がお世話になってます。ニコッ」
ケンヤにはもったいないぐらいの女性だった。もちろん俺にはもっともったいないわけだが。
「いつまでも人の嫁をびボーっと見てないで、Zの所に行くぞ」
大きなショップの奥にあるケンヤの、個人ガレージにいくと
ガラガラとシャッターの開く音がして、中を見るとそこにZはあった。
「おい、これ本当に中古か?ピカピカじゃないか」
中古とは思えないほどにきれいに維持してあった
「前のオーナーは乗ることよりも眺めて楽しむ人間でな、かっこいいと思うようにエアロも内装もカスタムしてあるからメーカーも統一されてない。」
確かにそうだ、見ただけでORIZINLabにRocketBunny、Bee-Rとかなりすごい
「外だけじゃない内装も走らないのに走りやすくなってる。」
とドアを開ける
リアシートを外しロールケージが入れてあるシートはsparcoベルトはSabeltの4点式
メーターはスピードメーターレブメーターは大きなものが、水温油温電圧は3連で小型のものがつけてる
そしてこいつの心臓部のエンジンルーム
「エンジンはそのままにツインターボだ」
何かの冗談だと思って駆け寄った。
「マシンカラーはホワイトだがブルーメタリックにするか?」
ブルーメタリックは界隈でのミッドナイトブルーのこと
「やめてくださいそれでは湾岸ミ〇ドナイトの悪〇の〇が新型のZとなって現代に蘇ってしまいます」
ケンヤは冗談だよって言う顔でこっちを見ていたが、不意にまじめな顔になって切り出した。
「いろは、今こいつを買うなら”ストリート”で勝てるようにチューニングしてやる」
こいつが俺のことを下の名前で呼ぶ時は、真剣な証拠だ。
「チューニングの金とマシン代なら、ストリートで買った時の半分で良い。どうだやるか?」
ストリートレースに俺が出るなんて考えたことがないから正直かなり悩んでいる
わくわくしている自分もいれば恐怖がある5分くらい悩んだと思う結論は出た。
「俺は・・・・・・・・