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淋しい秋は、淡い派手さを。
丸くて大きなお月様。
手を伸ばしたら、掴み取れそうなほどに近くに感じられた。
電気もついていないのに、昼のように明るい夜で、鮮やかだけれど淡い月。わたしを照らすその輝きは、美しいのだけれど少し怪しさも帯びていた。
さらさらさら。
風が吹くと、ススキの群れが笑う。
その音は耳を心地良くさせてくれるけれど、なぜだか穏やかさの中に秘めているものを感じた。
赤や黄色に連なる山々。
近くにあるとわからないものも、遠くから見ればわかるような気がした。
どんな形をして、どんなふうに並んでいるのか。
遠くから見たその姿は、近くから見る迫力のある赤よりも、美しい芸術を抱いていた。遠く、微かに儚さも携えて。
前にこの山へきたときは、多くの人々が楽しそうに走っていた。笑顔だけが咲いていた。
それなのに今は、淋しそうな顔をしている。
朝も昼も夜も、なんだか淋しそうな空気が流れている。
ご飯を食べる動物や人にだって、これから長い眠りにつく淋しさが見えた。