元気な夏は、爽やかで。
外にいると、おひさまが輝いていて、焼けるみたいに暑かった。
あの白いもの……、雪といっただろうか。冷たくて気持ちが良いだろうから、またすべてを覆ってくれれば良いのに。
あんなにたくさんあったものが、どこに消えてしまったのだろう。
「あはははっ!」
「よっしゃぁっ!!」
「行くぜ~!」
みんな、楽しそうね。そういえば、素敵な香りはどこにいってしまったのかしら。
駆け回る姿を眺めながら、記憶を辿って、美しく香るあの場所へと向かう。
だけど優しさに包まれるような、あの香りはちっともしなかった。
たくさんの色があったのに、どこも緑色に染まってしまっている。
風がそれらを揺らす姿は爽やかで気持ちが良いのだけれど、わたしが求めていたものとは、少し違うと思った。
なんだか、何もかもが変わってしまったような気がする。
包み込んでくれる優しさも、受け入れてくれる優しさも、わたしの居場所も全部なくなってしまった。
だけど輝いていて、みんなが楽しそうに笑顔を浮かべていて。そこにわたしは入れなくても、素晴らしい空間だとは思った。ここにいられることが、誇らしくすら感じられた。
だけど、だけど、だけど……、ここにいると少し疲れてしまう。
こんなにもすべてが輝いているのに、輝けないわたしが悔しく感じられた。