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無表情な五男と色々心配な末弟
空間の狭間に住んでいる一族「龍摩」
此方は本家のとある一画
「鈴蘭と…彼岸花に…」
何やらブツブツ言っている青年
本家の五男「雷華」
職業は医者
「さて、兄さん達いたかな…?」
兄弟の中でも無表情に定評がある彼なのだが、今は目をキラキラさせている
その片手には、「カオス」と呼ぶに相応しい禍々しさを軽く飛び越えた色をした液体入りコップ
それをどうするか等、聞くだけ野暮だ
「あれ?雷にい?」
其処へ現れたのは、銀髪の青年
名前は鏡
本家は十一人兄弟で、鏡は末っ子
すなわち、雷華の弟になる
「鏡か…」
「雷にい、その変な液体何?」
鏡の疑問に雷華は…
「滋養強壮薬だ」
大ウソをついた
「あ、そうなんだ」
そして、それを信じる鏡が居た
大ウソついといて何だが、弟の将来が心配になる雷華だったりする
「ところで鏡、今日は兄さん達いたっけ?」
「うん、居たよ」
鏡がニコニコ笑顔で来た方向を指差す
「そう、ありがとう」
鏡に礼を言うと、歩き出す雷華
「自分より下の弟妹には何もしない」というのが雷華の信条
すなわち、彼の標的は自分より上の兄達な訳で…
暫くして聞こえて来た兄達の悲鳴に、鏡が首を傾げた






