3話:私の活動記録・・・・・なんて書こうかしら(暗殺さん)
side:暗殺さん
私は暗殺神隊隊長である。今回、私は単独での神王候補第3位、2位、1位殺害の依頼を神王候補第4位から受けている。神王候補の決定基準としては神としての能力の高さで決まる。
私は依頼を受け、即座に神王候補第3位を殺した。あっけなかった。弱いヤツは嫌いだ。神王候補第3位の身体に剣を付きたてたら、すごく怯えた顔をして命乞いをした。だから即座に殺した。これ以上触れたくもなかったからだ。
そして私は神王候補第2位の部屋へ向かった。
神王候補第2位の部屋は第1位とは遠く、どんなに大声を出しても気付かれる事はないであろう。だから私は堂々扉で入室し、怯えた顔をみせたら即座に殺すというゲームをしようと思った。
私は作戦通りに行動した。現在大剣を振りかざした所だ。だが、第2位には"どうして大剣を振りかざしているのか分からない"という表情が見える。
―――…なら、すぐに分からせてやる。
大剣を第2位の胸に突き立て、アバラが砕ける音や内臓が潰され、裂けた様な音が部屋に響く。私の手には、大剣を突き立てた感触が残った。その感覚が、私の暗殺者として唯一の"心の支え"であった。そしてその後の刺された者の表情がたまらな―――。
『暗殺さん、僕を殺したいのなら、ゆっくりじわじわ殺した方が楽しいのデワ?』
『ッ』
私はその言動に恐怖していたのだろう。大剣を突き立て、床に縫い付けられた状態の青年に。青年は表情を一切変えずに、私に己を殺す方法を提案してきたのだ。
しばらく青年の顔を見つめてしまった。否、しばらくではなかったかもしれないが、私にはその一瞬が長く感じられた。青年の顔を見ていると、私の胸の奥が張り裂けそうなくらいに心拍数を上げていた。
『......そうだな、ゆっくり、じわじわと、甚振り、キスして、汚して、クックック』
私は無意識でそんな事を、青年に聞こえてしまうであろう音量で発してしまった。普段なら別段構わないのだが、今の私には"羞恥心"という言葉だけが脳裏に沸いていた。それを紛らわす様に青年の脇腹を抓った。
しかしこの青年は『大剣と違って地味に痛い』と抓るのを必死に指摘した。不幸な事に、私はこの青年を『もっと苛めたい』と思ってしまったのだ。
暗殺などという言葉を久しぶりに忘れられたのだろう。私は青年をくすぐった。子供の様な無邪気さは、私の"S"を引き立てる。笑いを堪えているのであろうか、表情は笑い我慢で崩れ、今度は私の保護欲を引き立てる。私は子供をあやす感覚で、青年にキスをした。
いざ、唇を重ねると、私はまた"羞恥心"という言葉が脳裏に沸いた。青年の唇は当然に子供ではなく大人で、女の様な柔らかい唇は、まるで"離すな"といっている様な吸い付く感触で、羞恥心に埋もれながらも私はキスを続け『大人のキスの仕方~基本編~』という本に書かれている事を思い出しながら、舌を這いずりかきまわした。やってみると以外と気持ちよく、青年も私の口の中に舌を入れてきて私の舌を絡ませ、舐めまわした。
『転生プログラム起動まで後10秒』
無機質なシステムメッセージが広い部屋に響き渡り、私はその単語を理解するのは時間にしてみれば一瞬だったが、脳裏では『理解したくない』と叫ぶ私と『許さない』と叫ぶ私、色々な感情が一気に湧き出した。
だが、理解してしまった。
転生プログラムとは、転生後は転生前の肉体を亜空間に管理し、肉体の腐敗を防ぎ、傷を癒す。転生プログラムとは本来、医療として開発されたものが発展によって性能を変えたもので、転生前の肉体が死亡していなければ転生後の肉体が死んでも設定期間終了時に自動的に転生前の身体に意思が戻り、普通に過ごす事ができる。だから、青年は平常を装い、私に"時間を掛けて殺す"方法をとらせたのだ。
それを理解してしまうと同時に、いままでに感じた事のないほどの『女としての怒り』が芽生えた。
私が青年に睨みを効かせると『いってらっしゃいのキスが欲しい』と真顔でねだってきた。私はその言葉の意味をしばらく理解できないでいた。それでいて『はやく理解したい』という奇妙な感情が沸く。と、同時に理解をし、青年が私をずっと見据えてきて自分でも顔が真っ赤になっているのが分かるくらいに恥ずかしくなった。
青年は自分の言動が何を示すのか理解したのであろう。今更ながら顔を赤らめ必死に弁解してきた。だが、無意識で発した言葉なら本音であったのであろう。私は青年の本心が見えた様で嬉しかった。
そして青年には先程の様な熱いキスではなく、軽く唇を重ねる様なキスをして―――
『いってらっしゃい』
多分だが、私は青年に惚れたのであろう。青年の身体がその場から亜空間に転移された後も、長い間私はその場を動けないでいた。
暗殺さん可愛いです。