番外編:夜風にほどける祈り ―2000の足跡に寄せて―
お読みいただきありがとうございます。
本作も気づけば、2,000PVを超えました。
日々、静かにページを開いてくださる皆さまに、心から感謝を込めて。
今回は少しだけ――
サラの視点で、“見えない誰か”へ思いを馳せる短い一幕をお届けします。
本編の合間に、そっと覗いていただけたら嬉しいです。
夜風が、少しだけ冷たくなった。
空を見上げると、雲の切れ間から星がひとつ、静かに瞬いている。
その光を見ていると――なぜだろう。
遠くにいる誰かが、私たちを見てくれているような気がした。
(……あなたは、今、どこでこの空を見ているの?)
旅はまだ終わらない。
痛みも迷いも、何ひとつ置いてはいけなくて、
それでも、私は歩き続けている。
たとえこの道が、どんなに暗くても。
ファルが隣にいなくても。
私の声が、誰かに届くのなら――それだけでいいと思えた。
気づけば、この世界には“二千もの足跡”が刻まれていた。
ひとつひとつが、誰かの想いであり、祈りのようなものだ。
知らない誰かが、ほんの少しでもこの旅を見つめてくれた。
その事実が、私の魔術よりずっと温かい力になる。
「ありがとう……」
小さく呟く。
夜風がそれをさらっていった。
きっと届くだろう、どこかの誰かへ。
――この物語を見てくれている、あなたのもとへ。
ここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございます。
「黒の約束」は、サラとファルの旅を通して"信じること"と"選ぶこと"、"大切な何か"を描いていく物語です。
この小さな世界を見つけてくださったことが、何よりの励みになっています。
これからも少しずつ、彼らの歩む先を綴っていきます。
どうか、今後とも温かく見守っていただけますように。




