第21話 光の満ちる陽の下の世界
「ごめんな、こうするしかないんだ。式が終わったらすぐに解放する。
……でも良く似合ってるよ、イチハ」
色々な意味で危険を感じた一葉は、シンパリーの目に浮かぶこれ以上ない本気に恐怖を感じた。今まで感じたことのない恐怖は背筋を粟立たせ、体の震えは一葉の心身を阻害する。
(ドレスだよね!? これってドレスの事だよね!? ……ヤバい、コイツは色々と本気だ)
いくら理由があろうとも今の彼女には犯罪を許されてはいない。加減を苦手とする彼女の手にかかれば、ただの防衛行動でも過剰防衛へと変貌するだろう。そして少しでも理由を作れば、ここを乗り切ったところで他の『敵』により窮地に追い込まれるのだ。
(切り捨てられる理由、こんなところで作る訳にはいかないんだけど……くっ、考えが纏まらない!)
諸々の理由により、抵抗しようにも彼の方は一葉をどうにでもできるが、一葉の方はシンパリーを必要以上に傷つけないよう注意せねばならない。それは非常時において大きな隙となる。
頭を一振りした一葉はとにかく腕の鎖を掲げ、シンパリーを睨み付ける。
「こんなので喜ぶ趣味なんか持ってない。今すぐ外せ!!」
女性の乱暴な言葉遣いに慣れていないシンパリーは眉を寄せたが、それも一瞬で笑顔へと取り繕う。小さな子供へ言い聞かせるように彼は唇を開いた。
「それは出来ない。照れ隠しに暴れでもしたら危ないだろう? 今まで付き合った女もそうだったからな。いい加減俺も学んだ。……あぁ、心配しなくていい。今までの女は遊びだ。これからはイチハ一筋だ」
一葉は目を見開いた。
――コイツハ、ナニヲ、イッテイルノダ?
仮にも結婚しようと思っている相手にこのような仕打ちをする男。そんな人間が『付き合った』という行動が、決して一葉の望んでいるような付き合い方でないことは薬の残っている頭でも理解できた。
(下手をすれば、土の下にいるかもしれない、か)
性格や倫理観の壊れ具合から、一葉は楽観視を諦めた。ギリリと鳴ったことで初めて噛みしめた奥歯を自覚した。
(あぁそうか、ウィンはこのために……)
一葉は何もかもを飛ばして理解した。一葉は彼を釣り上げるための餌だった。必要以上に用心しては釣れるものも釣れないため、食いついたあの瞬間に情報の規制を決めたのだろうと。恐らく疑わしい程度の噂は前から掴んでいたのだ。そして既に後ひとつ罪を重ねれば、それが現行犯であれば確実に家を潰せるだろう。念を入れ、侯爵令嬢である一葉が被害者であれば尚追い込める。
このような手段を取るのだ。この犯罪が、ウィンたちの想定する『敵』に繋がっているだろうことも想像できる。
(悪い例は次の世代の邪魔になるしね。それで揉めてる国なんか腐るほどあるし)
思うことはたくさんある。納得もいかない。
(でも、本当に被害者がいるなら)
少しでも対抗手段がある一葉が、引導を渡すのだ。油断しているその鼻面を殴り倒して。
「さて、無駄な話はこれくらいでいいだろう? そろそろ心の準備もできたはずだ。俺はこのひと月が待ち遠しかった。早くしなければまた邪魔が入るかもしれない」
バレていた時間稼ぎに内心で舌打ちをした一葉は、自分の状態を再確認する。そして足に力を込め、裸足で床を踏みしめてしっかりと立った。
(ドレスが邪魔。でも足は自由だから何とかならないこともないかな? 薬もいい感じに大体抜けたし。相手の強さが分からない所が微妙だけど……)
何もしないわけにはいかない。被害を止めること以上に、帰らなくてはいけない場所があるのだから。
一歩、二歩と、ゆっくりと近づいてくる相手を見据えて一葉は重心を落した。
冷静な思考とは逆に心臓が一際うるさく鳴ったその時。
巨大な破砕音と共に、教会の扉が吹き飛んだ。
「何事だ!?」
いきなりのことで大きく身を退いたシンパリーが怒鳴る。驚く彼に応えるが如く2つの影が埃の向こうから進み出てきた。
「イチハ様、お迎えに上がりました」
にこやかに微笑みながら礼をしたのは、いつもと同じく秘書風の姿をしたサーシャ。彼女の隣に立つのは、教会の内部を確認しているレイラ。彼女たちの後ろではシンパリー家の私兵たちと衛士たちが立ち回りを演じている。衛士たちを指揮しているのは誰だか分からないが、ちらりとウィンの姿も確認できた。何かあれば雷で一掃できる以上、あちらは早々に片が付くだろう。
「あ……」
どう答えたものか戸惑う一葉へ、サーシャはニコリと笑顔を向ける。そんな彼女たちの足元に踏まれているのは無数の穴が開き、ひしゃげ、砕けた『元』扉。あの巨大で重厚なものを完膚なきまでに破砕した2人はそれに見向きもせず、残骸と、穴の数に等しい氷と岩を踏み越えて教会の中へと歩を進めた。
「大丈夫でしたか? サーシャ殿から連絡を受け、共に参りました。アリエラ様も大変心配しておられます。アーサー王とコンラット殿には2人分、外出の許可を取っておりますのでご心配なく。笑顔で送り出されました」
事件に巻き込まれたのではなく、任務として外出しているという体を作ってくれたのだ。微妙な立場にいる一葉にとって礼を言っても足りない程の配慮である。
レイラの瞳がいつもより優しく緩められたのを見て、一葉は涙が出そうになった。今の一葉は『狛犬』もなく、最大の武器である魔力も殆どが封じられている。大方抜けたとはいえ薬の影響が不明であり、裸足のためにどうしても直接攻撃は難しい。さらに言えば今までの危険とは種類が違いすぎ、彼女にかかる制約もまた格段に多い。
冷静を装ったところで内心では不安でたまらなかったのだ。
「さぁ、早く帰りましょう。ウィン様には後できちんとお話をしておきます。今日はゆっくりと休んでくださいね」
そう一葉へ声を掛けながら、サーシャは大きな怒りを感じていた。彼女が主と定めた一葉はいつでも泰然と微笑んでいた。それがこの男のせいで、怯えた小さな子供のように頷くような精神状態に陥ったことが許せない。
ウィンを締め上げて得られたのは僅かな情報のみ。しかしそれらと現状を照らし合わせればどのような理由で一葉がここにいるのか、そして今までの状態も想像ができた。別段正義感の強い性格ではないが、そんなサーシャでも対峙する男を許す気にはなれなかった。
「フォレインの犬とアーレシアの娘か……!! イチハと俺の間を邪魔するな!!」
(あぁ、ありがとうございます。私、あなたのことを『うっかり』好きになりそうですよ)
サーシャはふわりとした表情を浮かべる。世間の男性が見れば見とれ、一葉やウィンが見れば薄ら寒くなるほど綺麗な笑みを。
彼女は『敵』が噛みついてきてくれたことに感謝した。これで――
(真正面から叩き潰す口実が出来ました)
微笑みを深めながら、サーシャは綺麗に微笑む唇を開いた。
「これでもあなたと同じく子爵家の娘なのですけれどね。犬ですか。えぇ、犬はいいですよ? あの可愛らしい姿に癒され、楽しめます。
……けれど、あなたはあなたで見るべき所はありますから心配は要りません」
ひとつ、ふたつと頷くサーシャ。
「ふふふっ……イチハ様と自分が釣り合うと思い込んでいるあなたにも、私は楽しませていただきましたから。これは些かばかりのお礼を申し上げねばなりませんね」
嘲笑し、辛辣に言うサーシャの言葉に怒りで震える男。それを確認しながらもサーシャは歩み寄り、同時に攻撃を重ねる。
――顔だけが取り柄の男が、本気で私の主に釣り合うとでも?
ふっと微笑んでから、侍女は氷のような冷たさへと表情を一変させた。
「我がデリラ家の主家である、ヴァル家当主殿より。アーサー王へ此度の事件は報告されております。メリア家については侯爵令嬢誘拐への関与、並びにこれまでの罪状に加えて、国王の令により調査が入り当主の汚職も判明いたしました。即座に領地と爵位を剥奪するとのこと。観念なさいませ」
レイラもまた一連の事件について詳細を知っているためか、生真面目とはまた違った表情を浮かべていた。
「また、メリア家次期当主については此度の事件の発端が王城で起こったことから、王家に対する翻意があるものと判断されました。謁見の間にて王から厳しい処罰を下されることが決定しております。早々に投降した方がよろしいかと」
今までは次期子爵として確かな足場の上に立っていたシンパリー。次期子爵として大きな権力の中に組み込まれていたシンパリー。
その足場が崩れた今、彼の行動を肯定してくれる人間はいなかった。
「う……うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
子爵令息でなくなった男は、目が血走り脂汗を流し、少し前とは比べ物にならない程無様な様子を見せている。元はと言えば自分がまいた種ではあるが、彼はこのような事態になるなどとは全く思っていなかったのだ。何が悪いのか分かっていない。そんな彼の世界に残ったのは今や、ただひとりの女性だった。
「これしか……これしかないんだ……!」
男は呻くように呼びながら護身用の短剣を引き抜き、一葉へと歩み寄る。その緩やかだが鬼気迫る歩みに一葉の頬が引き攣った。身を退こうにもドレスが足に纏わりつき邪魔である。
「イチハ! 俺たちが結ばれるには、もうこれしか……!!」
ゆらりと歩を進める彼の右腕、短剣を持っている腕へサーシャのナイフが命中した。うめき声を上げるが男は歩みを止めない。彼の世界に、既にサーシャの姿など無いのだ。
「うっ……」
彼は腐っても医療魔術士。自分の傷は自分で治せることを、彼は一葉の目の前で実践して見せた。見る間に腕の傷を塞ぎダメージを消していく相手に、一葉とシンパリーの間へ入ったレイラも攻めあぐねているようだった。
純粋に比べればレイラの方が圧倒的に強いのだが、中途半端な攻撃では自己治癒能力のせいで意味がない。下手をすれば捕縛したところで関節を抜き、後から治療する程度はしてのけるかもしれない。しかしやり過ぎて命を奪うことも罪を暴くためには出来ないのだ。
逃げても逃げても追いかけてくる男を見て、一葉はホラー映画を思い出した。
「こんなに愛しているのに……俺の気持ちを、君ならば分かってくれると思っていたのに……」
(ゾンビか!! 何で私のまわりってこんな男しかいないの!? もっとフツーの人がいてもいい筈なのに!! 私の何がダメだっつーの!? 私もフツーの恋がしたいだけなのに!!)
内心で神を呪いながら、一葉は深いため息を吐き出した。自分でどうにかした方が良いだろう。レイラでは難しいだろうし、サーシャでは『うっかり』叩き斬ってしまうかもしれない。侍女の顔にはそんな『事故』を装う気が見え隠れしている。
「悪い子には、お仕置きしなければいけないな……」
目が血走る男へどうしたものかと悩んでいるようなレイラ。
(今死ななかったことをその内後悔したらいい。それだけの事をしたんだってこと、この男には分からないんだろうけど)
一葉は心の内側で呟きながらレイラの肩をポン、と叩き、素早く『敵』へと近寄った。
「せめてイイ夢、見せてあげる。それが嬉しいかどうかは分からないけどね」
多少冷静さを取り戻したのだろうか。一葉を生きたまま手に入れようとしたことが彼にとっての不幸であり、一葉にとっての好機だった。殺す気で来ないならどうにでもなる。伸ばされた腕を軽く弾きながら、嵌められたままの手枷を素早く相手の首に絡めた。そして後ろから抱きしめるかのような体勢で、一葉は男を本気で締め落したのだった。
「何で……言われた通りにしたのに……」
声というには小さすぎる呟きを残し、呆気なく落ちた男。一葉は容赦なく蹴り飛ばしながら思考を勧める。
(やっぱり背後に誰かいたか……さて、どこまで引きずり出せるやらね。この程度から全部の膿がでるなんて思っちゃいけない)
一葉が体験した通り、油断は危機を生む。たとえ小さな危機だとしても、それはやがて取り返しのつかない大きなものへと成長するだろう。一葉はその事実を胸に刻みつけた。
『自由の光』
頭を振り、ゆっくりとしか集まらない魔力に眉を顰めながら手枷を砕いた。途端に体の隅から隅まで何かで満たされたような慣れた感覚が戻り、ホッと息を吐き出す。自覚をしていないうちに、それは一葉にとって無くてはならない感覚へと変わっていたのだ。
「さて、どっちの方が幸せだったかね。私には関係ないけど」
一葉は運ばれていく青年に向けてそう言い放ったのだった。
「ウィン、よくも私を餌扱いしたね?」
碧の節白金の月、20日。珍しくウィンを呼び出した一葉は、出された紅茶に手も付けず口を開いた。
「えぇ。悪いとは思いましたが利用させていただきました」
いつもの通りに、悪いなど1ミリたりとも思っていないウィンの返答。それを聞いた一葉は遠慮なく顔を顰めた。
「ホントにウィンはウィンだよね」
サーシャの紅茶に手を伸ばしながら、それで? と促す一葉。ウィンは彼女へ頷き先を続けた。
「元々イチハが『モグラ叩き』に協力してくれているおかげで、後ろ暗い事情を持つ者たちはかなり絞れていたのですよ。その『事情』も人により様々ですが、何せ面白いように喰いついていたでしょう? シンパリー子爵も機会さえあれば芋づる式でした。そこにかかったのが」
「あのバカ息子、と」
ウィンは頷いた。
「まぁ、そうだよね。いくら何でも他にも調べる相手がいて、ひと月しかないのにあんなに大量の犯罪履歴が出てくるわけないわ」
「おかげで、子息に今回のことを吹き込んだ輩も挙げられましたよ」
(私があんな目に遭ったって言うのに、それも出来てなかったら呪うよ。今なら動機も根気も充分あるし)
冗談にならない冗談を内心で呟いた一葉は椅子からズルズルと落ち、心の底から面倒くさそうな態度である。
「それで、私はいつまで必要? 衛士の人たちはいいよ。確かにあり得ない手で憧れの仕事と身分を貰ったからね。そりゃ文句も言いたくなるわ」
「貴族たちの事でしょう? これまでのイチハの『協力』で邪な考えの者たちはある程度減っているでしょうが……確かに少し、鬱陶しいかもしれませんね」
とはいえ、とウィンは先を続ける。
「ロットリア卿の事件に関わったと見なされている者と今回摘発された者たちは別でした。メリア家には、あの事件に関われるほど大きな財力も権力もありません。しかしあの強力な手枷を入手できる程度の後ろ盾はありました。隠蔽工作が前回とは比べ物にならない程お粗末な後ろ盾でしたが」
「……オジサマの事件の後ろにはもっと大きな相手がいる?」
「少なくともあちらは今回よりも格段に上手でしょうね。しかも残る『敵』がひとつの纏まりとも限りません」
ミュゼル王国は決して小さくなどない国。そしてその分だけ領土とそれを治める領主や領主を束ねている大貴族、領地を与えられていない貴族位たちが、決して両手両足では足りない程の数だけいるのだ。それだけの権力者が集まれば、その中で自らの権利だけを守ろうとする人間もまた多くいるのだろう。
――責任は王家に、権利は自分たちに。
貴族たちに対して苦々しい顔を見せるウィンやアーサー王たちを見る限り、それを認められてきたのがミュゼルの歴史だったのだろう。
そしてその上で更に、彼らはお互いを蹴落とそうと必死になっているのだった。
「バカ息子にバカ息子以上の働きを期待するから、こんなことになるのに」
他人を呪わば穴ふたつ。相手を蹴落とすならば、自分が落ちるための穴と覚悟も用意しておかなければならないのだ。それを理解していないからこそウィンたちが走り回る羽目に陥るのだが。
「そうだ……バカ息子の被害に遭った娘さんたちは……」
「一応、全員生きています。残念ながら無事にとは言い切れないのですが……。イチハもやられたそうですね? 医療魔術を悪用した術での誘拐を」
「うん。アレは焦った。私が魔力を掴み直すよりも早く弄られるんだもん。ホント、やられないと分からないくらい怖いよ。
……色々慣れてるはずの私でもアレなら、娘さんたちはもっと怖かっただろうね」
顰められた一葉の眉が、誰にでも分かるほどのはっきりとした嫌悪の表情が、彼女の言葉以上に気持ちを表していた。
「生理的に無理だよ、あの感覚は」
「そうでしょうね。魔力と精神と肉体の齟齬で意識を失ったのだと話を聞いたトレス医師が言っていました。そんな攻撃を受けて気分など良いはずがない。そしてその一時的に気絶している間に犯行に及んだということです。
周囲に確認したところ、彼は魔術に関して天才的な技術を持っていたそうですよ。下手をすればあのトレス医師よりも腕が良かったかもしれないと」
「才能をこれ以上なく無駄遣いしたねぇ。だからこそのバカ息子なんだろうけど」
ウィンは一葉の言葉に頷いた。
「本当にそうですね。それから、彼が狙った相手は例外なく……その、イチハのような娘だったそうで……気が付いた後に散々暴れられた上で逃げられたそうですよ」
子息の暴挙に手を貸し、全てを知っていたメリア家の使用人たち全員に確認を取ったので間違いない。そしてその首謀者が赦されることはありえない。被害に遭った娘たちは幸いにも逃げられたが、その心身が傷つけられたことは取り返しのつかない事実なのだから。
この日の前日である碧の節白金の月の19日。
父である元シンパリー子爵は、汚職と息子の犯行を意図的に隠して力を貸した罪で。子息は5件の誘拐と暴行・暴行未遂に加えて、今回の侯爵令嬢の誘拐・殺人未遂により異例とも言える素早さで刑が確定した。
死罪では済まさない。被害者の関係者によるそんな強い意志の下、全てを剥奪された後、加担した使用人も含めたほぼ全員が王都から放り出されたのだ。それは決して甘い罰ではない。この世界には1歩街を出れば魔獣などが闊歩しているため、命がけで生き抜かねば簡単に死んでしまうだろう。
「ふぅん……ウィンもいいように使われてるねぇ」
「えぇ、否定はしません。だからイチハ。貴女の頑張りにより私の仕事が増減するのですよ。頑張ってください」
「アンタ、もう少し本心を隠せよ」
「隠して何かの得があるとでも?」
「……ムカつくわー」
笑顔での言葉の応酬は普段通りのもの。手加減されず、また手加減もせず、表と裏の気持ちを使いながら言葉をやり取りする。
このところ見えない敵からのプレッシャーで気が休まらなかった一葉が、僅かばかり気安いやり取りにホッとしたこと。それはまだ本人すらも気付いていないことだった。