断章8.断絶
「やり過ぎだよ・・・」
止まらない友人達の暴走にアモンとベンジーは頭を抱えている。
カール、ナフタ、サーシャ、大災害の生き残り。自分達の同胞。
今までそう思っていた。
「流石にこれじゃそう思うことはもう無理だ・・・」
彼等3人は大災害後、早い段階で神聖帝国から東ハーレンに向かっていた。
レナ・カサルのコアがおかしいことに最初に気が付いたのも彼等だ。
街の外を照らす街灯、それがリアナを食らっていることに気が付いて破壊する。
怒りに駆られる彼らに呼応するように獣達がモンスターとなっていく。
最初は自分達も一緒になってコアを破壊していた。
その内、街を追われて逃げる人達がモンスターに襲われるの目にして、考えが変わる。
アナ・ハルナの同胞の街周辺には何故かモンスター達が居座り、近づくものを襲っていく。
守り神のいる都市、街、村を彼らから守るように。
アモンの目から見ても追われる者達は気分の良くない気配を放っている。
それでも見殺しに出来ず、アレストリアや法王国、まだ無事な村や街に逃がしていた。
「カタコンペで何かあったのか。」
同胞だと思っていた彼らが変わり始めたのは法王国を襲撃したあたりだろうか。
彼等は気になるといって法王国の地下墓地・カタコンペに入っていった。
アモン達は死者の眠りを妨げるのは気が引けて近づかなかった場所である。
3人の様子に不信を感じた仲間がトリスタン教の牧師の協力を得て中に入ったが何も発見できなかった。
あったのは創成期から続く、法王、枢機卿の遺体を納めた棺だけ。
そこに聖人であるトリスタン、教祖トリムの棺は無い。
老いた牧師も見たことがないという。
それまではレナ・カサルのコア、それもある程度大きな物だけをターゲットにしていた。
それがレナ・カサルのコア、そしてそれを持つ人々に対しても敵意を向けるようになった。
アモン達は「そんなことをしても彼らは喜ばない。」と言って彼らを諫めた。
しかし、彼らは聞き入れいる様子が無く徐々に過激になっていく。
そして起こったミサでの虐殺。
今まで防衛以外で生き物に向けてこなかった力を人に向けた。
彼等の行動に付き合えなくなった者達は生き残った人達をまとめて村を作った。
東ハーレンでは小さな神々が生き残っている。
彼等を助けて共に暮らす道を選んだ同胞達。
彼等の手伝いをしながらアモンは追われた人々を逃がし続けていた。
やがて東ハーレンからレナ・カサルの気配が消える。
そして彼らの姿もまた東ハーレンから消えた。




