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シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
最終章 来訪者

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3-6.バーンの祭り唄

ジーンは第3部 星祭の唄でも似たような謎解きをしています。

あちらは探索範囲が狭いので楽だったけど今回はかなり広範囲・・・

バーンの祭り唄


晴れた日は北で薪を拾い

曇りの日は東で魚を釣る。

雨の日は西で草を刈り、

雪の日は南で罠を張る。

風が吹けば、蛍を探し、

月が輝くときは星を追う。

さあさ今日は祭りだ舞い踊れ。

鐘を鳴らして天まで踊れ。

お供え物を山神に届けて歌おうぞ


「なんだそれは?」

シル・ストアの拠点でソル達にアナ・バーンの神殿について聞いた答えが唄・・・

4人で手拍子をして歌いだした時には面を食らった。

「これがヒントなんですよ・・・」

歌い終わってイノックが言う。

「バーンの神殿はさ迷う神殿なんです。」

「蜃気楼?」

佳澄の言葉にダースが首を振った。

「似てはいますが違います。」

「僕達も何度か神殿を見かけたことがあるんですがその場所に神殿があったことはないです。」

とジェハン。

ソルが山岳地帯の地図を持ってきた。

「僕達が神殿を見かけた場所はここ、その時神殿があると思った場所はここ。」

そう言って地図上に次々を印を付けていく。

「山道だ。神殿を見掛けたからと言ってそれを見つめ続けて移動は出来ないか。」

「はい。一度などは目を離した瞬間に消えてました・・・」

ソル達の示した場所は位置的にアナ・バーンの神殿があってもおかしくない場所だ。

この世界、GPSで自身の位置をはっきりを分かる訳ではない。

途中で認識疎外を受けて違う場所をそこだと思っている可能性もあるし、幻影で隠されている可能性もある。


「それでヒントがさっきの唄。」

「これは僕達の村に伝わるものです。」

「他の村には歌詞が少し変わりますが同じようなものが伝わってます。」

ソル達はシル・ストアに所属して活動すると同時に時々故郷の村に帰っている。

家出同然に村を出て、ゼノハーンの近くでムードとジーンに拾われた。

ある程度落ち着いた頃にガイに言われて里帰りをしている。

里帰りが近付くと村に持ってかえるお土産が大変だとボヤいていた。

一番面倒なのは結婚しろと家族に言われることらしい・・・

ついでに最近家出少年・少女を拾ってきている。

今は二人ともシル・ヤーレで修行中だ。

双方の親の許可を取るのが大変だったとダースがぼやいていた。


「蛍は多分蛍草だろうな。」

「となると洞窟?」

1行目:北の森

2行目:東の川または湖

3行目:西の平原?

4行目:南の森?

5行目:洞窟

6行目:・・・

「星と言うと故郷なら明けの明星か北極星なんだけど。」

佳澄の言葉にジーンが言った。

「こっちにも似たような星があるぞ。追うとなると北極星の方だろうな。」

山で自分の居場所を探る手段として星を見るのはこちらでも同じだ。

ただし・・・異能者の場合、結構遠くまで人や何かの気配を探知できるのでそちらを使うことが多い。


「ソル達が今まで探して見つけ出せてないことを考えると気配で探すことは厳しいな。」

シル・ストアのメンバーで一番山岳地帯に慣れているのはソル達である。

山における気配察知はジーンより鋭い。

「うーん、ジーンの方が察知できる気配の種類が多いから僕達が見過ごしている何を察知できるかも。」


ソル達には他の村の唄を調べてもらうよう依頼した。

依頼料はステバノから各種素材を貰っている。

換金すれば一財産になるものだ。

シル・ストアでも使い道が多い素材なので半分は売って資金源にし、残りは自分達で使うことしている。

探索する場所が3000m級の山の中。

まずは体を慣らすため、ジーンと佳澄は山登りを始めた。

シル・ヤーレに里帰りしていたルーとモロゾフも一緒だ。


地上2000mの山岳部で高地訓練を初めて1週間、佳澄は大分山歩きに慣れた。

収納のお陰で山とは言えかなり快適に過ごせている。

そのお陰か高山病の気配は今のところない。

ルーは最初から高地をものともせず駆け回っている。

モロゾフも最初は戸惑ったもののこの高度で空を飛ぶことに慣れてきた。

それらを踏まえて調査ポイントの近く野営地を移すことにする。


ソル達が山岳地帯周辺の村を回って集めた情報を持って佳澄達の野営地に合流してきた。

「モロゾフ、済まないが明日から空からの確認を頼む。」

「分かった。」

佳澄が周囲を訝し気に見てソルに聞く。

「山にモンスター化した生き物はいないね?」

「ああ、山は山神様に守られている。申し子がおられるだけだ。」

「申し子になるのとモンスターになるの?どこが違うんだろう?」

ジーンが少し考えてから答える。

「一つは時間だ。モドラが良い例だと思うが、モドラが意識を持つのに長い時間が掛かっている。」

元々森の主だったこともあり、先日、モドラはヤーレの申し子になった。

「ケリー達はリオンの怒りに飲まれて急激に変化したって言ってましたね。」

「もう一つはモンスター化は何かの強い感情に引き摺られて起こることが多い。」

「リアナに触れ、ゆっくり時間を掛けて変化したのが申し子、何かを切っ掛けに急激に変化したのがモンスター?」

「多分そうだと思います。」

「じゃ、東ハーレンのモンスターは何が原因でそうなったの?」

そこで一旦言葉を切って佳澄が続ける。

「魔王達がレナ・カサルのコアを壊しまくった時期とモンスター化が大量に起こった時期が同じだからそれが原因だと思うけど。」

さらに続けた。

「魔王達は一体何に怒っていたの?」

少し時間をおいてジーンが答える。

「魔王達は大災害の生き残りだと言われている。」

「前にあったベンジーさん、確かあの人も生き残りだったよね。」

「そうだけど、あの人、何か魔王のもつ印象と一致しない。」

ダースの言葉に皆が頷いた。

「それを言うなら道化師もだな。」

「後、もう一つ気になっているんだけど・・・今魔王ってどうしているの?」

「そう言えば70年前の廃都の一件以来、魔王が何かしたって話は聞かないな。」

「この1件が終わったらまずはベンジーさんに聞いてみるが。」


「さて、ソル達の集めた資料は・・・」

前半5行はものの見事にバラバラだった・・・

「・・・おい・・・」

三白眼になったジーンにソルが手を振る。

「僕達もびっくりしたんですよ。」

「多少は違うと思っていたけどここまではとは思ってなくて。」

同じ資料を見ていた佳澄が聞く。

「祭りを行う時期は同じなの?」

えっという表情になって暫く考えてからダースが答える。

「結構違いますね。僕達の村では春先、雪解けが始まった頃ですが他は秋とか夏とか色々です。」

「何か気が付いたのか?」

「多分?頭の5行ってお祭りの準備作業を歌っているんじゃないのかな。

ソル達の故郷って確か北に森があって、東は結構大きな池があったよね?」

「そうです・・・そう言えば薬草を取る時は雨の日の方がが良いものが取れました。」

「罠を仕掛けるのも雪が降っている最中に仕掛けた方が掛かりが良かったな。」

「薪は晴れた日じゃないと湿気ていてよくないし、祭りで使う魚は勘が良いから曇りの日じゃないと釣れないことが多い。」

「僕達のところでは料理に蛍草を使うけど使わない村も多いね。」

口々に話す内容を聞いてジーンはため息をついた。

「ということは前半5行で場所を検討付けるのは無理か・・・」


「さ迷う神殿だけど考えられる可能性は3つ」

1.神殿があちこちに移動して出現する。

2,神殿は幾つもあって普段は隠されている。

3.本物の神殿は一つで隠されている。ダミーを時々出現させている。

指折り数える佳澄に、ジーンが言った。

「可能性としては2か3が高いか。」

「そうかな?私は1だと思うけど。」

「理由は?」

「ジーンは普段から纏や幻影を使いこなしているからあまり気にしてないだろうけど、ソル達みたいに勘の良いひとを騙すのって大変だよ?」

視線で先を促す。

「普段、ジーンが纏を使う時、近くにいる限られた人に対して使うよね。」

「そうだな。」

「マリオネットには洋服を着せてそこら辺は意識してないよね?」

「・・・」

「幻影って影や動きに違和感があるとバレるよね。バレない様にしようとしたら細かいところにもの凄く神経を使うと思う。

どこから見られても問題ない幻影を用意するのって簡単じゃないよ。

2と3って騙そうと思って色々準備しないと出来ないけど、ソル達みたいな人って多い?殆ど居ないよね?」

「そこまでして労力を掛ける必要は無いか。」

「場所が3000m級の山の中だよ?わざわざ登ってこないよ。

それに神殿があったと思われる場所って開けた平らな場所だったって言っていたよね?」

「はい、そうです。」

「まさか神殿を収納している?」

「そういう用途で作ったものなら収納できるんじゃないの?」

暫く考えて・・・ジーンが言った。

「確かに・・・可能だな。」

「リ・バーンなら能力も高いはずだし。」

「だからステバノはリ・バーンを探せと言ったのか・・・」

「ということは?」

「ソル達が確認した場所で月夜の晩にお供えをして祭りをやればリ・バーンが姿を見せてくれるんじゃない?」

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