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シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
最終章 来訪者

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3-4.つかの間の平穏

久しぶりの日常回

春、悟は無事私立竜ヶ峰高等学校に合格した。

入学式前、校門。

両親と一緒にいる悟も制服は学ランを選んだが・・・男装の少女に見える・・・

「悟・・・あなたはブレザーの方が良かったんじゃないの?」

佳澄の言葉に横を向く悟。

本人も自覚はあるようだ・・・


入学式に準備があるからと校舎に戻る佳澄。

昨年10月の生徒会選挙で他薦で生徒会長に選ばれてしまった。

ミステリ研の部長は逃れたと思ったのにぼやくものの真面目に職務をこなしていた。

作家活動もそれを理由に暫く抑えている。

特設サイトにも諸事情により当面は月刊誌への連載のみであることを通知していた。

代わりにトーリ・サイデンの小説やドラマ、アニメの新シリーズ情報がサイトを賑やかにしている。


迎えた入学式、来賓の挨拶を聞く、悟と佳澄。

生徒指導の教師の情報によると総代と悟の点差は1点だったらしい。

来賓の挨拶が終わると在校生の代表として壇に上がる佳澄。

きゃあきゃあと歓声が上がる。

生徒会長になったことであちらこちらに出向くことが増えた。

結果あちこちにファンを生み出している。

在校生だけでなく、新入生にも佳澄を知ってるものが多いようだ。

壇上から視線で黙らせると壇の上のマイクのスイッチを切った。

訝しげに首を傾げる来賓達、校長や教師達はいつものことなので平然としている。

正面に視線を向け新入生に向け挨拶を述べ始めた。


入学式を終え、教室に移動する悟。

隣の同級生となる少年が声を掛けてきた。

「びっくりした。すっげえ声だな。」

「マイクを使った来賓より聞きやすい綺麗だね。」

「でもなんでマイクを使わないんだろう?」

「従兄に聞いたことあるけどマイクを使うととんでもないことになったんだって。」

佳澄がマイクを使わない理由・・・ハウリングが酷くて聞こえない・・・

「なんだそれ?」

「2年前の入学式であの人、新入生代表として挨拶に立っただけど・・・」

その現場に家族として悟もいたのでよく知っている。

2年経った今では伝説として語られる逸話だった・・・


翌日の朝、校舎を案内しようかという佳澄に断りを入れる。

姉に案内されたらとんでもなく目立つこと間違いなし。

代わりにスマホのジーンに案内を頼む。

「構わないが校舎内はスマホ使用禁止じゃなかったか?」

学内では学業に専念すべしというポリシーの元、スマホは校門の外か指定された場所以外で使用禁止である。

それは休み時間や放課後も同様であった。

さらに指定された場所とは校門脇の警備員室の傍と職員室の前の廊下である・・・

「そうだった。同級生と一緒に回ってみるよ。」

「生徒会室か見回りしているから何かあったら声を掛けて。

後、指定された場所以外でスマホを使うと生徒会か教師に没収されるから気を付けてね。」

没収されると手書きの誓約書を書かないと返して貰えない。

この手書きと言う部分がポイントで2回目以降は知らないとか聞いてないとかが通じない。

書いた誓約書はコピーされ、両方に署名させられる。

そして原本は学校側、コピーは生徒が持つことになる。

「毎年数人は没収されるからね。」

と没収する側の佳澄。

彼女が生徒会長になってから既に20人近い生徒が没収されている。

中には悪質で警察沙汰になりかねないものもあった。

問題の生徒は保護者と協議の上、転校している。


お昼休み、学食での食事量で悟はちびの大食いとして知れ渡っていた。

「深山ってよく食べるね。」

「気分悪くならない?」

隠すより先にバラした方が被害は少ないという判断で2人前を注文した悟に周りがどよめく。

ここの学食、元男子校で運動部も盛んなので量が多いのだ。

それを二人前、しっかり完食してご機嫌な様子に裏でついたあだ名がフードファイター。

その話を聞いた佳澄は「何をやっているだ」とため息をついたという。


放課後、同じクラスの者と校舎を回る。

部活の新人勧誘は明日の部活紹介の後、来週からとなっている。

この期間、新入生は部活棟に近づくことを禁止されていた。

無意識にスマホを出す同級生に悟が止めた。

「没収されるから仕舞った方が良いよ。」

「えっ。バレなきゃいいじゃん。」

その生徒の後ろに黒い影。

「君、名前とクラスは?」

「はいいー、仕舞います仕舞います。」

「よろしい。」

生徒会の腕章を付けた上級生がスマホをカバンに仕舞うのを確認して頷く。

「次にやったら没収だからね。」


立ち去る上級生を見送り呟く。

「・・・怖かった・・・」

「だから言ったのに。」

悟の言葉に他の同級生が頷いた。

そうこうして図書室に入る。

ここの蔵書量は有名で学校紹介にも載っている。

図書室の横には学習用のスペースがあり、少人数向けの個室もある。

防音処理を施した映像視聴室もある。

今は殆ど人が居ないがテスト前や大学受験が近付くと予約しないと使用できないと言われている。

「どんなのがあるのかな?」

本棚を見ながら歩くと見覚えのある本が目に付いた。

目敏い同級生が悟に声を掛けた。

「どうしたってこれ風の通り道?」

「ハーレナ語の辞書も置いてある。流石私立竜ヶ峰高等学校。」

「あ、聖者の左手もある。」

「どれ???背表紙もハーレナ語なんだ・・・」

近隣の本屋では最大規模の1店舗だけ扱っているが現在は入荷待ち。

特設サイトでは既に第3版の発行待ち状態となっていた。

現在特設サイトで1日に先行予約を開始した星祭の唄はそろそろ初版の上限に達しそうである。

「すっげえな。全巻揃っている。」

全て佳澄が寄贈したものだ・・・

何冊か手に取り閲覧スペースに移動しようとすると司書が声を掛けてきた。

「そちらはお一人一冊でお願いします。」

「後、貸し出しは当面禁止なので持ち出さないでください。」

「はーい。」

佳澄は学食2人前はやってません。

部室や生徒会室でこっそりお弁当を食べてます。

現在は目立つので学食を利用できなくなりました・・・

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