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シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
間奏曲2 小説の世界

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編集者の独り言

受注状況をチェックする画面を閉じた。

「本日で1万件突破!」

辞書と風の通り道の予約件数は順調に伸びている。

送付先の住所を突合し、重複受注容疑を洗い出したリストを見る。

家族らしきアカウントについては取り消し通知や不正アカウントらしきものは削除などを進めていく。


「寛さんの知り合いは優秀だよな。」

彼の手元のリストはグレーゾーンのアカウントが一覧化されている。

特設サイトへの登録はメールアカウントだけで住所や電話番号の不備は見逃していた。

不正アクセスや他者への誹謗中傷をしない限りアカウント抹消などはしていない。

今回の受注では募集要領に登録したアカウントの住所に送付となっているので

まず住所未登録や存在しない住所、中途半端な住所のアカウントへは受注取り消しメール。

海外の住所についてはお詫びメール。

※送付先は日本国内に限ると募集要領に書いてある・・・

お詫びメールについては今後の海外展開について英語サイトに載せるのでそちらを待ってほしいと書くのも忘れない。


「転売ヤー対策もばっちりだし」

先行予約の条件は以下の通り。

・日本国内に居住していること

・1年以上特設サイトの有料会員であること

・または半年以上特設サイトの有料会員で翻訳オーディションに参加し受領されていること

上記条件のお陰で彼の手元に届く対象はかなり絞られている。

失効予約の件数は受注件数の数倍に上る。

一度予約した者が別バージョンを追加予約、あるいは章単位版を全部など複数回予約してくるケースも多い。

翻訳オーディショ参加者は累計で数万人いるのでまだまだ増えそうではあるが・・・

「しっかし、思ったより多いな。複数アカウントを持っている奴。」

アカウントはメールアドレス単位に一つ。

今回送付先の住所氏名が同一というのが多数確認された。

住所の同一なら家族だろうが氏名まで一致となるとどう扱うか?

「これは編集部行きだな・・・」

異なるアカウントでオーディションに応募し受領された猛者の数は既に100人を超えていた。


処理内容を一覧化してデータベースに登録。

彼の本日の作業ノルマは終了した。

ここからは自由時間である。

彼は編集者の特権を行使する。

そう彼は編集部にあるトーリ・サイデンの原稿を読めるのだ。


置いてある部屋にはスマホ等の携帯機器持ち込み厳禁

原稿の持ち出し厳禁

内容を漏らすのも厳禁

違反者は罰金の上解雇

その部屋に入るには上記の内容の誓約書に入室前に毎回サインする必要がある。

部屋には監視カメラが設置され音声も録音されている。

所持しているスマホは部屋の前のロッカーに入れる必要がある。

さらに入れるのは一人だけ。入室時間も30分と制限されている。


普通ならそんなところに近づきたいと思うものはいないだろう。

電子データがあるのだからそちらを見ればよいと思う。

しかし、電子データは暗号化され読めないし要件も無いのにアクセスすれば警告を受ける。

無視すれば解雇が待っている。

なので読みたかったら面倒でも手続きをしてあの部屋に入るしかなかった。

「よしよし、今日は一番乗りだ。」

誓約書にサインしてスマホをロッカーに入れる。

そこで同僚がやってきた。

「あー、負けた・・・今日こそ一番乗りだと思ったのに。」

同僚は横の予約シートの一番上に名前を記載した。


「さて、今日は・・・」

彼は星祭の唄を手に取り自分の名前の入った栞のページを開く。

アラームが鳴るまで至福の時間が始まった、

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