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シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
第2章 レナ・カサル

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エピローグ 落日

二日後、佳澄、マリスが現場に着いた時には全てが終わっていた。

あちこちに激しい戦闘を思わせる跡が残っている。

レナ・カサル最大の都市マーデは崩壊し、あちらこちらから煙が上がっていた。

それは死者を弔う炎、葬送の篝火が夕闇が迫る都市を照らしている。


飛行船に乗っていたクルーや同行者達は次々に現場に車両で移動し、怪我人の治療や炊き出しを始めた。

マリスの運転する装甲車で、佳澄はジーンと合流する。

場所は飛行場の近く、レナ・マーデの近くに二人とルーが休息していた。


ぼろぼろの状態のジーンにマリスは顔色を変え、

「ジーン、大丈夫ですか?」

「?、大丈夫だ。佳澄済まないが予備を出してくれ。」

佳澄が収納から出したマリオネットに移ると一息ついた。

「戦闘用2体が壊れたんで最後の止めはこいつで刺したからな・・・見た目はともかく無事だよ。」

ルーが抜け殻となったマリオネットをちょいちょいと前足で突っついている。

「ただ、この後が大変だがな。こいつはともかく戦闘用は自爆させたから新しく買わないと・・・」

隣に居た人形師もため息をつく。

「こっちも手持ちの人形が殆ど駄目になったので大赤字です・・・」

「カミラに言って新しい人形を用意する資金を報酬として出してもらう様に交渉するよ。」

「有難うございます。・・・でも人形の調整も色々時間が掛かるんですよね。」

足元のルーは同情するようにクーと鳴いた。


城塞内で起こったことを二人に話す。

「ジーンの判断は正しかったですよ・・・」

げっそりした表情の人形師。

彼の人形の大半は探索中、突然姿を見せた肉塊に飲み込まれて壊れた。

あれが人形ではなく仲間だったらと思うとぞっとする。

肉塊同士が争い大きくなり、最後に4つになった様に佳澄が呟いた。

「まるで蟲毒だね。」

「ああ、レア・マーデの城塞を壺に見立て人間同士を争わせる醜悪な呪詛だ。」

首を傾げた人形師とマリスに蟲毒について説明すと

「考えたくないけどそれが目的だったんですかね。」

「そうだとすると呪う相手は誰だったのか?」

「人じゃ無いんじゃないかな。」

「佳澄、どういうことだ?」

「何だというんです?」

「アナ・ハルナ」

「復活しようとするアナ・ハルナが許せない?」

「そう、今のアナ・ハルナはコアが3つ、半分も回復していない。」

「だけど世界は回復に向かった動き出した。」

「それが許せない何かがいると・・・」

「まあ、最後に残った一つを俺とこいつで始末したから呪いは設立してないと思うが・・・」

二人して首を横に振る。

「二度とやりたくありません。」

「聞きたくないけど最後に残ったのは誰だったんです?」

「全員・・・一つになってこっちに襲い掛かってきた・・・」


周辺の警備から戻ってきたリオンと合流する。

「お帰り、佳澄、マリス」

「ただいま、リオン」

疲れた顔をリオン達に食事をじっくり煮込んで食材の形が分からなくなったスープを渡す。

既に食べ始めていた人形師は当面肉は食いたくないとぼやいていた。

一段落した頃にリオンが報告を始めた。

「周辺の農村で魔人化が10件発生しました。」

「全員無力化、拘束済みです。」

「発生したのは近隣の5農村、それより遠いところでは発生していません。」

「被害者は魔人化した住人の家族と親戚他45名、内に20名は死亡、本人自覚有です。」

「全員、ゼ・ドナの警備隊に引き渡しました。」

魔人化を引き起こすとその衝動で周辺を破壊、傷つけるケースが多い。

今回の様に家に引き籠っている状態で魔人化が起こるとその被害者は家族となり魔人化の興奮が冷めた後、自責の念で自殺するケースも多々見られる。

下手に村に残すと住人からの迫害他で二次被害が起こるので警備隊に引き渡し法の裁きを受けさせることになる。

「外は魔人化で済んだか・・・」

「はい、不幸中の幸い・・・でもないですね・・・」


「中の調査はどうなったです?」

「流石に規模が規模だから、ゼ・ドナ、デ・カサル、ヤーレ、ゼノバーン、アレストリア、後、アナ・ヤーレ、神聖帝国、海洋国の合同調査になる。」

「エマルドも人を出すと言っているのでその内乗り込んでくると思います。」

「ただ・・・防護服が無いと肉塊が残っていた時に二次災害が発生するので本格的な調査は先になるでしょう。」

「何時までも俺やこいつで調査する訳にいかないからな。」

「今は私がギルドで教育した人形遣いが人形を使って調査中です。」

全く人使いが荒いんだからとぶつぶつ文句を言っている。

「でお前はこの後どうするんだ?」

「そうですね。私がここに来た目的は果たした訳ですし、ゼノバーンの調査隊が戻る時に一緒に戻るんじゃないですかね?」


マーデ5都市の向こうに夕日が沈んでいく。

マーデが栄光を取り戻すことはもう無いだろう。

平和を望み、大陸を統一した初代神聖帝国皇帝マーデ、彼の名を持つ街は彼の理想とは異なる形で終わろうとしている。

マーデの悪夢が終わり朝が来るのは何時になるのだろうか?

夕闇に飲み込まれていく街をぼんやりと眺めていた。


人形師の依頼主はゼノバーン元首、彼から色々頼まれてます。

その一つがギルド職員の人形遣いの訓練

カミラの場合、ビジョン越しにあちこち指示を出せますが収納は使えません。

なのでギルド職員に人形遣いをマスターさせ物資の受け渡しをさせようと目論んでました。

その最初の成果が今回の一件・・・

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