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シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
第2章 レナ・カサル

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閑話_食堂での雑談

夕食の後、後かづけを済ませた佳澄、エポリア、ウェルシーが食堂で雑談を始めた。

「野菜、こっちは高いね。」

今日の買い出し当番は佳澄とウェルシー、話題は市場の品揃えになる。

「質も良くないし、やっぱり神の加護が足りてないのかなあ。」

「大半の野菜はジーンがシル・ヤーレから貰ってきてくれるから良いけど。買うの考えるよ」

「こっちの人はそれが当たり前だから気にしてないみたいだけど。」

佳澄は少し考えてからウェルシーに聞いた。

「ウェルシーは、デ・カサルで買い出しとかしているんだよね?」

「うん、当番で市場に行っている。」

「どうしたの?」

「市場の小父さん達、老けているって思わない?」

「・・・」

「・・・」

「市場の会話で年齢の話になって、35才って聞いてびっくりした。」

「言いたいことは分かった。一般人ならそんなもんだと思うよ。」

「・・・そうかな?デ・カサルじゃ一般人でもそれ位の年ならもっと若々しいと思う・・・」

「一番気になったのは同じ年だっていう、お店の小父さんと買い物客。店の小父さんの方が10歳は年食っているように見えた。」

「どっちも確かに異能なって殆どない一般人だったね。」

ウェルシーの言葉にエポリアが首を傾げる。

「よくある話じゃないの?」

「異能者と一般人ならともなくどっちも同じ程度の一般人でここまで違う?」

会話だとどっちも35才・

佳澄の感覚では店の小父さんは50歳位で買い物客は40才位に見える。

「うーん、もしかすると店の小父さんは熱心なトリスタン教徒かも。」

「どういうこと?」

佳澄もエポリアも普段暮らしている場所にトリスタン教徒はいない。

「デ・カサルでもそう多い訳じゃないけど、トリスタン教徒って年に比べて落ち着いているというか老けている人が多いんだよね。」

ウェルシーの言葉に佳澄とエポリアは顔を見合わせて先を促した。

「聞いた話なんだけど、トリスタン教徒って教会でお祈りをすることで土地を豊かにしているんだって。」


台所で摘まみを作っていたジーンが食堂にやってくる。

「ジーン、知っている?トリスタン教の教会の話」

「?ああ、聞いたことあるな。辺境民が守り神に祈りを捧げるように教会で祈りを捧げることで土地の実りを良くしているって話。」

「神様じゃないのに祈りを捧げて効果あるの?」

「前にジルフォードがなんか言っていたが、祈りを恵みに変換できる何かがあるらしい。」

「・・・」

「何が気になるのか?」

「故郷の話なんだけど、平均寿命が低い国って大体乳幼児や妊婦の死亡率が高いことが原因なんだよね。」

「こっちじゃレナ・カサルといえど乳幼児の死亡率が高いって話は聞かないな。」

「衛生環境も都市はすごく良いし農村はそこまで酷くない。」

「だけど平均寿命が短い。」

「故郷で昔、人生50年っていう時期があったけど、あれは戦乱やらなにやらで治安や衛生、食事が良くなった時代の話。」

「確かにレナ・カサルの場合、農村よりも都市の方が寿命が短いな。」

「例外はデ・カサルとゼ・ドナ。どっちもトリスタン教徒が少ない。」

「ミラ・マーデに行った時、アルフォンス・マイセンの演説がビジョンで流れていたけど・・・

私の故郷なら70才と聞いてもおかしいとは思わないよ、確かまだ50になってなかったよね?」

異能者が滅茶苦茶若いので気にしていなかったがレナ・カサルの人達の大半は年齢より皆老けている。

「確か佳澄の故郷の人間は若く見られるって話じゃなかったか?」

「そうだけどそうだとしても変、欧米人もTVで見るけどここまで酷くないし。」

「確か平均寿命は、東ハーレンの一般人は大体95才で海洋国は少し低くて90才、エマルドは75才。」

「対するレナ・カサルは都市だと55才で農村だと60才。確かに異様に低いな。」

「デ・カサルとゼ・ドナはエマルドと同じ75才位だった筈です。」

「トリスタン教徒は何か長生きできない何かがあるのかもしれないな。」


この疑問がラストに影響してます。

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