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シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
第2章 レナ・カサル

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2-6.モンスターの違い

ラストの言葉の実践編が後で発生します。

閑話で後に載せています。

それから1週間、ゼ・ドナの依頼を片付けなら鍛錬と装備の調整に努めている。

お陰でやっとチームでそれなりに動けるようになってきた。

チームメンバー色々組み換え、様々なフォーメーションを試す。

そうしてまた会議室に全員集まった。

「感想を聞こうか」

ジーンの言葉にまずリオンが答える。

「大物がいないと思います。」

「そうだな。そこがハーレンとレナ・カサルの大きな違いだ。理由は分かるか?」

「汚染度が低く、モンスター化が進行していないからだと思います。」

大災害発生時のアナ・ハルナを100とするとその直後30年の東ハーレンは80位、今は大体50位に落ち着いている。

レナ・カサルは徐々に高くなって今は25位でエマルドは10~15だろう。

「これが何を意味するか分かるか?」

マリスが答える。

「一つはハーレン程危険度が高くないだと思います。」

「ハーレンのCランクがレナ・カサルではAやBだという理由がよくわかりました。」

「レナ・カサルでBランクという奴がハーレンのCランクの依頼でよく死ぬんだよ。」

と人形師、彼は実際そういう何でも屋を何人も見ているのだろう。


ジーンは隣の佳澄に声を掛けた。

「お前はどう思う。」

「生態系で弱いもの、弱者からモンスター化しているんだと思う。」

「そうだな。レナ・カサルで駆除依頼があるのはマッドマウスやキラーラビットが殆どだ。」

「ハーレン定番のワイルドボアやワイルドブルは全然ないですね。」

「エマルドじゃキラーアントかキラーローカスト、蟻やイナゴだ。」

なんだ簡単じゃないかという表情を6人は浮かべた。

対するジーン、人形師、佳澄の表情は渋い。

「エマルド、大丈夫なの?」

「鎖国解除時、真っ先に輸入したのが殺虫剤だ。」

「やっぱり・・・」

「どういうことです?」

「耐性が付いてエマルドの殺虫剤が効かなくなったんだと思う。」

3人の渋い顔の意味が分からない6人は顔を見合わせて首を捻る。

「蟻やバッタですよね?」

「大した相手だと思えないのですが?」

「1匹だけならな。」

「何でキラーアントが撲滅対象だと思っている?」


それでもピンとこないエモリアが答える。

「魔人に支配されたキラーアントが城塞都市を滅ぼしたからですか?」

「それもあるがキラーアント、その女王が脅威なんだよ。」

佳澄が口を開く。

「弱者の生存戦略は繁殖力。」

「それで?」

「モンスター化することでその捕食者より強くなった弱者が一気に繁殖したら?」

「どうなると思う、リオン」

「生態系が壊れる・・・」


「俺がエマルドに居た時、キラーローカストによって禿坊主になった山や畑を幾つもみたよ。」

「なんでハーレンの森は無事なんです?」

「ハーレンは一気にモンスター化が進んだから捕食者もまたモンスター化したんだ。」

「デ・カサルや海洋国は?」

「海洋国は島で間に大きな海がある。バッタや蟻が大量発生するには向いてない。」

「デ・カサルはそいつらがモンスター化するより先にハーレンから捕食者が海を渡ってきた。」

「・・・」

「エマルドの虫達が輸入しているハーレン製の殺虫剤に耐性が付いたら・・・」

「ハーレンより先に滅亡するだろうね。」

「大丈夫なんですか?」

「ハーレンでは耐性に備えて幾つもの種類の殺虫剤を用意している。」

「エマルドの都市では効果と値段で2種類くらいしか輸入していない。」

「耐性が付くのも時間の問題だということだよ。」

「これに備えて新しいタイプの殺虫剤を開発していれば良いけどね。」

「・・・」

「エマルドの為政者達が目先のことだけに気を取れていないことを祈るよ。」

神を信じていない人形師が肩を竦めていった。


「単純にレナ・カサル製を使うのを辞めればよいという問題じゃないんですね。」

「そういうことだ。」

「エマルドじゃローカストが大量発生しているの知ると飛行艇で殺虫剤をバラまいている。」

「そうしないと周辺の被害が甚大になるからだ。」

「飛行船にはそこまでの機動力は無い。」

「私の故郷で蟻が象を殺すなんて言葉があるの。弱いものでも集まるととんでもない被害になる。

バッタの大量発生で飢饉になったなんて珍しい話じゃない。」

「・・・」

「異能者なら障壁を張ってキラーローカストを抑えこんで丸焼きという戦い方があるがな。」

「あっちは異能者の数が少なすぎるし練度も低いからそんな戦術取れないだろうけど。」


「次の質問だ。ハーレンと違い大物のモンスターが出るのはデ・カサル周辺だけなのに何故マーデ近郊の移動に護衛が必要だと思う?」

この質問にシル・サーレ、ムレアからきた4人は顔を見合わせる。

シル一派は殆ど護衛の依頼を受けないのでそこら辺が弱いのだ。

人形師は渋い顔、佳澄、リオン、マリスも同様。

4人から答えが出なさそうなので仕方なく佳澄が答える。

「レナ・カサルで襲ってくるのはモンスターじゃなくて人間なのよ。」

「・・・」

「15年前のエマルドとの戦争を思い浮かべたんだろうがああいう分かりやすい敵も居ないことは無いけど注意が必要なのはそっちじゃない。」

ジーンの人形師が言葉を続けた。

「移動中、隣合わせて焚火を囲んでいた親切そうな奴が突然銃を突きつけ襲ってくるなんて珍しい話じゃないぜ。」

「そういうのは油断しなければただの隣人で終わる。」

「油断して隙を見せた瞬間に敵になるんだよ。」

最後にまとめるようにジーンが言った。

「ハーレンにはハーレンの、レナ・カサルにはレナ・カサルの戦いがある。油断するな。」

レナ・カサルの武器の大半は対モンスター用ではなく対人用

対人戦闘が必須になるのはランクCから、

シル・サーレ、ムレアから来た4人は対人戦闘訓練は殆ど受けてません。

ジーンはここでそこら辺の訓練メニューも組む必要があります。

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