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シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
第2章 レナ・カサル

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2-2. ゼ・ドナの街

『ここ、どこ?』

転移に気付いて慌てて気配を消してフードを被る。

最近の転移先はヤーレの拠点の自分の部屋だったが、今回は久しぶりの外。

戻る方は何故が全て家の玄関・・・校門近くで転移したときは翌日徒歩で学校に行くことになった。

『ゼ・ドナの中央広場だな。あそこにギルドの本部がある。』

靴を履いて、通信機をONにしようとしたところでジーンに止められた。

『ここだと監視に引っ掛かる。街の外に出よう』


ゲートを使わずに街の外に出るルートを移動中

『遅かったか』

周囲からゼ・ドナの警備兵がわらわらとやってくるのが見えた。

『どうする?振り切ろうと思えば振り切れそうだけど。』

『止めとこう、知った顔があるし、見える範囲外にもいる。』

『いい加減、話をしておいた方が良いだろうし』


足を止めた佳澄に対し、2m程離れたところで2重3重に警備兵が取り囲む。

大人しくしていると警備兵の輪から一人前に出てきた。

「ゼ・ドナ 警備隊所属 オーギュストと申す、そちらはヤーレのシル・ストア所属 カスミ殿で間違いないか。」

「はい、そうですが、何の御用でしょう。」

『やっぱりきたね・・・』

『ここら辺はこいつの縄張りだからな・・・』

一年前の1件で何度となくギルドの召喚要請を受けていた。

しかし、ヤーレにて佳澄が顔を出すと何故か突発事態が発生していてギルドマスターは不在

ギルドからシル・ストアに人が来たときは大半が実家に戻っているか神聖帝国に出かけている。

最初はともかく今は二人ともギルドにはきちんと話を通しておきたいと思っていたので、見つかった場合に面倒の少ないオーギュストの担当区を選んで移動していた。


「ギルドの召喚要請に基づき本部にご同行をお願いしたい。」

「承知しました。」

あっさり承諾され拍子抜けの警備兵、それでも警戒は解かず、取り囲んだ状態でギルド本部へ歩き出した。

『ジーン、マリオネットに戻れそう?』

『一番近いのはデ・カサルにあるからそちらに移る。感覚の共有を維持するぞ』

『了解』

現在ジーンのマリオネットはジーンと佳澄の収納に1体ずつ、実家に1体、シル・ストア、サーレ、ムレア、ヤーレに1体ずつ、神聖帝国皇宮に1体、アナ・エルダの管制室に1体の合計9体

戦闘用はジーンと佳澄の収納に1体ずつ、シル・ストアの拠点に1体の3体が即時稼働準備中だ

ジーンがこちらに戻ったことでマリオネット達は休眠状態から待機状態に移行しているので場所はともなくどこかにいることは伝わっている。

まずはデ・カサルのシル・サーレのメンバーに状況報告をするため、ジーンは意識をそちらに移した。


オーギュストは敵意は無いことを示すように色々話しかけてくる。

それに答えながら佳澄はゼ・ドナの街を見回した。

ゼ・ドナは城塞都市ではないので普通に空が見える。

街並みはヨーロッパと言うよりは日本のどこかのオフィス街を思わせる近代的なビルに囲まれていた。

その中心の中央広場だけに緑が植わっている。

こちらは真昼だが転移した時の日本は夜、本来なら既に寝ている時間帯である。

佳澄は眠気を堪え、大人しくギルド本部に入った。


ジーンはというとシル・サーレのマリオネットを起点に6体をアクセス、

各々に並列思考を数個割り当てると佳澄の元に戻った。

いつでも収納に格納されたマリオネットを出せる準備を整えている。

『早かったね』

『繋ぐだけならそれほど掛からない。』

各所への状況報告は各地のマリオネット経由だ。

ここの主であるカミラには劣るがここ一年でジーンの並列思考数は150を超えた。

普段は面倒なので稼働状態にするのは1体だけだが、ジーンの異能スキルなら各所のマリオネットを同時に別々に動かすことも可能だ。

実際、ジーンがこちらにいる時は通信傍受を警戒してマリオネットを経由してやりとりしている。

ジーンは嫌がるが通常の通信を使わないビジョン会議も可能だった。

ギルド本部の奥に入ると結界がきつくなる。

『接続は切れてない?』

『弱いが繋がっている。俺がこっちに居れば多少繋がりが悪くても休眠にはならないからな。』

『なら大丈夫か』

そうこうする内にギルド長の部屋の前に着いた。

ヤーレの突発事態は道化師の仕業です。

佳澄の不在は彼のせい???ではない予定・・・


ジーンのマリオネットは1年間で2体から12体に増えました。

近い内にギルド本部にも1体置かれることになるでしょう・・・

既に二つ名に人形遣いが追加されてます。


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