ジーンと佳澄とマリオネット
第2章が始まる直前の夏休みのエピソード
加筆してます。
佳澄と寛は早朝の山道を走っている。
夜明け前の薄闇の中、二人のペースは変わることなく一定の速度を保っていた。
「前々から気になっていたんだけど。」
寛の言葉に佳澄は視線で先を促す。
「前はジーンのすることを夢と言う形で知っていた訳だけど今はどうなの?」
「うーん、マリオネットで何かしていたりネットで何かしていたりというのは分からない。」
「分からない?」
「うん、何かしているというのは力が持っていかれるから分かるんだけどね。何をしているかは?」
「そうなんだ。」
「多分、マリオネットに感覚を共有しようと思えば出来そうなんだけど、やったらパンクする。」
「なるほど。何となくだけど言いたいことが分かった。」
「20年以上全力で異能を使ってきたジーンとまともに使えるようになって2年の私じゃ練度が違い過ぎて。」
「そうだね。気にはならないの?」
「気になる・・・気になるけどこればかりはね。」
暫く登り坂を駆けあがる。
下りに入ったタイミングで寛が話し掛けてきた。
「ということはマリオネットで飲み食いしていても味とかは分からないんだ。」
「うん、お酒はジーンが向こうで飲んでいたからどんなものかは知っているけどね。」
「・・・ちょっと待って?ジーンは向こうではかなりもてていたと思うけど・・・」
寛はジト目を佳澄に向ける。
「知らない・・・知らないって、そういう時は意識的に飛ばしていたから・・・」
「そういうこと出来るんだ?そう言えば小説内でもそういうシーンは無いね。」
「うん、向こうでガイさんとかミオ姉さんに聞いたけどジーンはそういうの相手にしていなかったみたいだし。」
「ふーーん。」
「後、ケンさんやステバノさんとかベンジーさんも言っていたけど能力的に釣り合わないとそういう気にならないみたい。」
「どういうこと?」
「ケンさん、跡取りだったからデ・カサルで色々お見合いしていたけど誰ともピンとこなくて。」
「それで。」
「マーサさんを逃がした後にヤーレに来てそこでやっとお付き合いしたいって言う気になったって。」
「運命の番?」
「そうじゃないって。ヤーレのお嬢さん達は女性、異性として思えるようになったって話。特定の一人って訳じゃない。」
登り坂になったので会話が途絶える。
「そうこうする内に今の奥さんと知り合って結婚したって話、
ミオ姉さんの他に3人の男の子がいるけど、3人ともハーレンでお嫁さん見つけている。」
「そうなんだ。」
「デューさんとかランクの高い人が独身なのってそういうことみたい。
まあ、デューさんの場合、カミラさんにアプローチして玉砕を繰り返していると話を聞いた。」
「アーシャがジーンじゃなくてムードと結婚したのもそういうことなのかな。」
「多分。アーシャさん、かなり能力高いから海洋国では親戚以外気になる人いなかったみたいだし。」
「そうなると龍の咆哮で最初の皇帝の血族が続かなかったのってレナ・カサルじゃ能力的に釣り合う人が居なかったからな。」
「そうだね。初代の奥さんってアナ・エルダの人だし。」
「行方を眩ませた第三皇子の子孫が残っていたり、マイセン家みたいにハーレンに来た血統は続いていたのもそういうことなのか。」
「多分ね。マーデも2代目の嫁さんを何でハーレンに探しに行かなかったのかな?」
「トーリの小説を読むとレナ・カサルの豪族達に嫁さんを押し付けられた結果みたいだね。」
「その娘さん達、全員最後に配下の将に下賜されているけど。」
「そもそも子供が出来ないって分かって無かったのかな。」
「そう言えばミオさんって相手はいないの?」
「気になる?」
「まあね。」
「ジーンとは釣り合わないからお互い対象外、ソルがアプローチしている。」
「それで?」
「あと一押し?ってところかな。」
「そう言えばジーンって何体位人形を動かせるの?」
「こっちだとあの1体を動かすだけだけど、向こうじゃ10体位は軽く使っていたね。」
「佳澄は大丈夫なのか?」
「うん、向こうでは平気。こっちだと1体でも偶にきつい。」
「環境が違うからかな。」
「ベンジーさんが言っていたけど周りから力を分けて貰えているからじゃないかな。」
「そう言えば人形師って200体近い人形を同時に使えるんだよね。」
「そうみたい。何でも屋になっていたらAランク間違いなしだって。ただ・・・」
「ただ?」
「本人の能力が人形に特化していて体を鍛えてないというか鍛えても身に付かないから本人をどうやって守るかが課題だって。」
ジーンは家で悟のお守
会話内容に気付いてません・・・




