深山家の日常1
元のエピソードは置いてけぼりのマリオネットとお小遣いと買い物
戻ってきた佳澄を怖い顔した両親が待ち構えていた。
「お帰り佳澄、ジーン」
「ただいまです・・・」
転移直前、ジーンは父と晩酌中だった。
それが突然動かなくなったので故障かと思って大慌て、佳澄の部屋がもぬけの殻だったので転移したことに気が付いたのだ。
目線で居間に促され移動する。
ジーンは意識をマリオネットに移した。
「「ご心配をお掛けしました・・・」」
神妙に謝る二人。
「そっちは良い。お前たちで制御できることじゃないからな。」
「ただね、ジーンのマリオネットのことだけど」
「ここ以外で使用は禁止だ。」
「はい・・・」
最初に戻ってきた時、ジーンは意識だけで、宿っていたマリオネットは置いてけぼりだった。
そして今回も同様、ジーンは意識だけ、こっちでもマリオネットは置いてけぼり。
その為、向こうで新たなマリオネットを用意することになった。
※戦闘用はジーンの収納の中なのでそのまま一緒に転移
人だと思っていたものが突然、人形になる。これはホラーだ。
その上、マリオネットには日本にはない技術が沢山仕込まれている。
「・・・当然ですね・・・」
残念そうなジーン、これでレストランでの飲み食いは禁止となった。
食べる方は佳澄との味覚の共有で味わえるが飲めない・・・
ジーンの実年齢と酒好きを知る父は言った。
「家飲みは許可するよ」
「お父さん!」
「飲み過ぎは禁止です。」
佳澄と母の二人に責められ肩を竦める父
結果、飲む量と回数は制限付きだがジーンの家飲みは解禁された。
深山家の食器棚に酒器やカクテル用の道具類が増えて母に怒られるのはその後の話。
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ジーンがこちらにきて最初にお小遣いを貰ったのは風の生まれる場所の話が特設サイトに公開されて暫くした頃のことだった。
微々たる金額ではあったが悟は自分一人の働きではないと言ってジーンに半分を渡してきた。
向こうで稼いでいる金額からすれば雀の涙ほどの金額ではあったし、使い道が無いと思いつつも気持ちは嬉しかったので有難く受け取ることにした。
半分暇つぶしで特設サイトの管理や寛の校正の仕事を手伝っていると各々できちんと報酬を支払われるようになる。
「働いているんだから報酬はきちんと受け取るべきだ。」
そう佳澄の父に言われ、佳澄名義でジーン用の口座が用意された。
その口座を使ってデビットカードを使用してのネットでの買い物が出来るようになった訳だが、使うことはまず無かった。
溜まっていく金額を眺めるだけの日が続く。
その状況が一変するのは向こうに戻れること、収納空間が使えると分かったことである。
口座の金額の範囲内で法やモラルに反しないものであれば好きなものが自由に買える。
受取人が佳澄になるので佳澄が買うには違和感のあるものは買えないが食べ物や色々な文献などせっせと買っては収納空間に入れていく。
ネットのショッピングサイトを前にジーンがぼやいている。
「酒を買いたい・・・」
「私が成人するまで待って。」
その言葉に父が聞く。
「何か欲しい酒があるのか?」
ジーンがネットの画面を操作して幾つかの酒を示す。
「どれどれ、飲んだことないが旨そうだな。」
そう言って父は自分名義で自分の分も含めて買い物をしてしまう。
「お父さん!」
「良いだろ、ジーンには世話になっているし、私も飲みたい。」
「自分の分は払います。」
「そうか、では届いたら清算しよう。」
口に出すと佳澄や母に怒られそうなので父とジーンはチャットで密談をするようになるのはこの後からである。
同時にジーンが暇つぶしではなく本格的にサイト管理を始めた。
父とジーンの密談に寛が加わるのは夏前のことだった。
この時の悟は既に寝ていて知りません。
ジーンのマリオネットは普段使いの方も多少似せた程度で外見は人形と分かります。
ジーンが宿ると気配と纏で生身のジーンそっくりになります。
ep.12のどっきりはこれを利用して仕掛けました。
戦闘用は性能重視で人間らしさが無いです。
ただし、使うときはフルフェイスの防具や手袋を付けているのでわかりません。
フルフェイスの防具をとると周囲にぎょっとされます。




