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シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
第1章 ハーレン

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作戦決行

新暦99年9月13日、あちこちに散らばっていたシル・ストアの面々が拠点に戻ってきた。

クラン設立から50年以上、この世界では老舗のシル・ストアの構成員は少ない。

クラン設立の最低人員である8人より少し多い10人である。

代表のガイ、その妻のマーサ、ミオ

今回山岳地帯に出かけていたソルと同世代の3人

アナ・ハルナへの調査に同行していたマリスとレオン


久々に開かれるクランの報告会は重苦しい雰囲気で始まった。

最初は何でも屋の会合で海洋国に行っていたガイ、

次はギルドからの定期依頼のソル、

そして、法王国から帰国したマリス

元々もの依頼内容の他にリーダでありクランの主力のジーンが行方不明となった経緯と法王国からの調査状況を時に感情を交えながら話している。

ガイやソル達は時折二人に質問を投げかけているが、居残り組のマーサとミオは沈黙を保っている。

その様子に帰還した面々はちらちらと二人にその後ろに控える佳澄に視線を向けていた。


「最終報告はまだですが、法王国内では存在を確認できず、転移等の異能の痕跡もなかったので爆発に巻き込まれて死亡・・・」

マリスの後ろに突如出現した人影はポンと肩を叩いた。

「勝手に殺すな」


「「ジーン!!!」」

慌てふためく面々に不敵に笑うジーンの姿は次の瞬間に消え失せた。

振り返ったマリスの足元には着ていた服と倒れたマリオネット

「空蝉か、ジーン、どこだ出てこい」

ガイの言葉に部屋の照明が一斉に消えた・・・


それから1分後、照明は復活した。

ショックは受けているものの誰一人としてパニックを起こすものはいない。

「どういうつもりだ・・・」

険しい表情でマーサとミオを睨む、ガイ。

こういう仕掛けが出来るのは居残り組の二人しかいない。

マーサは軽く手を叩き、口を開いた。

「はいはい、説明するから落ち着いて。」

と言って後ろに控えていた佳澄を前に押し出す。

「この子は佳澄、暫くここで過ごすことになる」

より険しい表情になるガイ、疑問符を浮かべたマリス達。

「初めまして、私は佳澄、深山佳澄といいます。」

そう言ってお辞儀をする佳澄にした。


佳澄の挨拶に一瞬呆気にとられたものの表情を元に戻してガイはマーサに問い掛ける。

「本物か?」

「私はそう判断しているよ」

「何故ここに居る。ジーンはどうした。」

睨み合うガイとマーサ。

会話についていけない6人を代表してソルが恐る恐る声を上げた。

「佳澄って誰です。代表は知っているみたいですが。」


睨み合う二人を横目にミオが話し出す。

「皆、ジーンの夢の話は知っているよね」

「はい、こことは違う世界の話だと。」

「佳澄はその夢の登場人物なの。」

一瞬、間をおいて部屋はパニック状態になり、その状態はジーンがビジョンに姿を現すまで続いた。

「・・・落ち着け・・・」


大雑把な状況説明の後、報告会はお開きとなり食堂に移動した。

佳澄が用意した料理を呆けた表情で口に運ぶマリスやソル、憮然とした表情のガイに対し、

「私としてはもう少し凝りたかったんだけどね。」

「下手な仕込みはバレたり失敗するリスクが高いですから」

悪びれないミオに澄ました佳澄はのんびり会話を交わしている。

「何とか事前に連絡はできなかったのか」

「この状況、下手に漏らせないだろ」

「秘匿回線使ったとしても百眼の目は誤魔化せないだろうし」

「魔女でも無理か」

ミオに視線を移すガイ。

「法王国の一件で注目を集めているからね。流石に厳しいわ」

その言葉に険しい視線を周囲に向けた。

「ここは?」

「ジーンと佳澄に手伝ってもらって遮音結界を張ってる」

「ジーンはともかく佳澄?」

「この子、ジーンのスキルの殆どを使えるよ」


そこへビジョンからジーンが口を挟む。

「俺がこうしていられるのも佳澄の力だ」

「これで大丈夫ですね。って旨っ、これなんていう料理なんです」

やっと料理の味が分かるようになってきたマリスが口を開いた。

「ビーフシチューにから揚げだ、って大丈夫なわけないだろう。」

えっとという顔をする面々に佳澄が答えた。

「何時までもここにいる訳にいかないですから」

「こっちに来た方法も理由も分かってないんだ。何時何をきっかけに向こうに戻るか分からん。」

「ずっとここに居れば良いんじゃないですか?」

「マリス、佳澄は向こう側の住人だ。こっちの都合でどうこうできない」

「佳澄が戻ったらジーンはどうなるんです?」

「一緒に俺も向こうに行くだろうな」

「そんな!?」

最後の爆弾が落ちた。


色々考えられたドッキリ大作戦ですがジーンの仕込み時間が足りないという言葉にシンプルなものに落ち着きました。


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