表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
第1章 ハーレン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/105

ドッキリ大作戦(準備)

細々とした日用品、頼まれたジーンとほぼ同じ体格のマリオネット、佳澄には何に使うか分からない数々の品

それらを抱えて(収納に入れて)意気揚々とミオは帰ってきた。

初めてのお遣いを無事やり遂げた佳澄はぐったりしてソファに座り込んだ。

『大丈夫か?』

『何とか・・・』

ぐったりしている佳澄に念話で話しかけるジーン、

ホームである城塞都市、地元民であり、何でも屋としてそれなりの実力はあるミオ、佳澄自身も複数のスキルを発現させ、都市の住人よりはよほど戦力になる。

問題は無かろうということで買い物に付き合いたくなかったジーンは佳澄との五感の共有を最低限にしていた。

それなのでどんな会話をしていたのか、何を買ったのかを知らないままでいる。

戦利品として収納から取り出されたマリオネットを見て頭を抱えた。

「なんでこんな高級モデルを買ってくるんだ・・・」

こちらはミオにも聞こえるようにビジョンからである。

「あんたが自分の体として使うならこれでも安いわよ」

「これ中級どころか上級市民の年収より高いだろ」

「本当は一点ものの特注品にしたかったんだけどね」

「ミオ姉、最初はそれを注文しようとしたんだけどすぐに必要なものだからと言って止めました」

「でかした」

「で、即納可能で一番汎用性の高いモデルということでこれになりました」

「使いこなせなかったらどうするつもりだ・・・」

「あんたの器用さなら問題ないでしょ、千手のジーン」


千手の二つ名はジーンの器用さ、手数の多さから付いたものだ。

通常Sランク、Aランクは特定の系統のスキルに特化した何でも屋がなる。

百眼のカミラ、海神のデュー、シル・ストアの代表であるガイは鉄壁

二つ名から分かるようにカミラは情報処理系に特化し、デューは海を知り海を操る異能を持つ海洋国の守護者である。

ガイは防御系のスキルが得意で討伐依頼ではタンク役を務めていた。

ジーンはこれといった得意不得意が無い。

特徴と言えば百眼のカミラの並列思考数300以上には劣るが100以上の並列思考が可能だ。

思考の型に癖が無く大抵のスキルを習得している。

カミラなどは情報処理系であれば全てのスキルを習得し、固有スキルも持っているが戦闘系のスキルは初歩しか習得していない。

デューも水系なら完璧だが火や大地に関わるスキルは苦手としている。

ガイもこの二人ほどではないが得手不得手はある。

ジーンの場合、よほど適性を必要とする特殊なものでない限り、習得できないのではなくしないだけだ。

そして必要に応じて新たなスキルを幾つも開発している。

何でも屋として活動している25年間でジーンの名前で登録されたスキルは100件を超えている。

これがジーンがSランクに推薦されている理由でもあった。


作業台の上には2体のマリオネットが載せられている。

「一台はすぐに使えるように簡単な調整で動かせる自動人形、もう一台は戦闘もこなせる万能型にしたわ」

ジーンは近くの端末から各種機器を操り調整を開始していた。

「まったく無駄遣いをして・・・」

「あら、大事な弟分体になるんだもの、安いもので済ませるつもりなんてないわよ。」

佳澄はあまりの金額に卒倒しそうになっていたが、ジーンやミオにしてみれば必要経費としてポンと出す金額なのも知ってはいた。

知ってはいたが目の前でやられると心臓に悪い。

装備にケチると碌な目に合わないし、安物買いの銭失いになっては元も子もないのだ。


「そうそう、昨日路地裏でエド・ヤーレの連中が丸裸にされて倒れているところを自警団に保護されたって聞いたわよ。」

昨日の出来事は夕飯の時に話をしている。

買い物先の店長のおしゃべりで聞いた情報によるとパンツ一つ、認識票だけ持っていた状態で5人は見つかったらしい。

「ヤーレは相変わらず平和だな。」

城塞都市ではエド=スラム出身ではなく上級階層の子弟で構成されたチンピラ・愚連隊を指す言葉である。

そいつらを延して佳澄が奪ったのは靴1足、フードとコートに少々の現金、日本円なら2万円位だろうか。

スラム街の住人なら大金だが上級市民の子息である彼らからすればはした金である。

佳澄ジーンは必要なものを必要とする分だけ慰謝料代わりに受け取ってそのまま放置した。

佳澄の見た感じ、彼らが気絶していた時間は30分程度、その間に通り掛かった何者かに丸裸にされたわけだ。

「ヤーレのエドじゃ大したことしてないし、というかあの連中じゃできないし、からかって恥をかかせる位でしょ」

実際、顔やお腹にいたずら書きをされていたらしい。

「ここが南のゼノバーンじゃ今頃ミンチか奴隷商人に売り飛ばされているだろ。」

「あっちじゃエド同士で抗争を繰り広げているって話だし」

「佳澄は近づくんじゃないよ」

事務所の方からマーサがやってきた


「で、間に合いそうかい。」

ジーンの調整が一段落したところでマーサが聞いた。

幾らジーンが器用だと言っても人形遣いのスキルは持ってないというかこれから開発しようという段階、

手に入れたマリオネットをある程度使いこなすには最低でも1週間はかかるだろう。

「外装を弄らず動きを絞って何とか間に合わせる。」

「それじゃドッキリにならないじゃない」

「外見は纏で何とかする。うまく導けば十分騙せるはずだ。」

「脚本と演出次第ということね」

「こっちはそっちまで手が回らないから任せた」

「了解、明後日に向けドッキリ大作戦開始よ!」

おーと手を挙げるミオに佳澄はパチパチと手を叩いた。


手に入れたマリオネットに夢中でドッキリ大作戦にはあまり関心のなかったジーン、翌日の夜に詳細を聞いてやりすぎだとさらに頭を抱える羽目に

自分もそうだが佳澄も乗ってくると徹底的に拘る凝り性なことを忘れていたジーンのミス

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ