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シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
最終章 来訪者

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3-11.ジーンと佳澄と道化師

やっと登場ジルフォード、彼は彼のやり方でずっと戦ってました。

その話は次の断章で


海洋国や東ハーレンに避難していたアナ・ハルナの人達が戻ってきた。

彼等は楽し気に復興のために働いている。

そんな彼等の周りには小さな神々が飛び回っている。

彼等は復讐を口にしない。

そんなものは彼等には必要ないのだ。

彼等にとって必要なもの、大事なものはその傍らにあるのだから。


それらを見届けてジーン達はヤーレに戻ってきた。

シル・ヤーレで温泉に浸かり、美味しいものを食べ、ルーと遊んでいると来客が現れる。

30代位の青年が怪我人を背負ってやってきたのだ。

「おい・・・」

「済まないが彼を休ませてやってくれないか?」

怪我人はジルフォード、やつれ傷付きボロボロの状態ではあるが生きている。

怪我そのものは手当てが済んでいるが体力が落ちていて呼吸が弱い。

そんな彼をゼンが引き取って奥に休ませる。

「どういうことか説明してもらおうか?道化師。」

「こっちも疲れているんだ。お茶位出しても良いんじゃないか。」

佳澄がほうじ茶の入った湯飲みを3つ用意した。


湯のみのお茶を飲み干すとアモンは頭を下げた。

「有難う、そして巻き込んでごめん。」

「色々言いたいこと、聞きたいことはあるがまずはあいつに何があったか説明して貰おうか。」

三白眼のジーンに苦い顔のアモンが答える。

「簡単にいうと法王国の問題を何とかしようとして返り討ちにあった。」

「簡単すぎる・・・もう少し経緯を説明してくれ。」

「ベンジーから聞いているとは思うけど、僕の名はアモン、ストレアの生まれだ。」

{?まさか風の通り道のアモン?」

「そうだよ。」

「ちょっと待て・・・あっさり認めるな・・・」

年齢がおかしい・・・何故生きているんだ・・・とかぶつぶつ呟く二人にアモンは言った。

「小説のラストは新聞記事だけ、僕が死んだとは書いてないと思うけど?」

深呼吸して佳澄が聞いた。

「他の人は?」

その言葉にアモンは首を振る。

「生き残ったのは僕とトーリだけ。街や村の人達は全員僕が弔った。」

それからアナ・ハルナで起こったこと、カミラを助けたこと、トーリを探してレナ・カサルに行ったことを話す。

「カミラさん一家を助けた魔人ってアモンだったんだ。」

「うん。」

「ということはお前が道化師っということも知っているのか?」

「うん。ついでにカミラさんがギルドを立ち上げるのをトーリと二人で協力した。」

「お前の時が止まってないのは?」

「トーリと一緒に色々やってたからね。」

ジーンはそこで首を傾げた。

「ちょっと待て?お前の気配、エマルドで会った時と変わってないぞ?」

アモンの笑いを見て佳澄が言った。

「道化師の仮面を付けてからは時が止まった?」

「ご名答。正確にはトーリが死んでからかな。」

「37年前、何があった?」

「僕とトーリ、ジルフォードと君達二人、ことの始まりかな?」

「ちょっと待って私は生まれてないと思うけど。」

「こっちと向こうじゃ時の流れが違うって言うしかないかな。」


「小説には書いてないけど、トーリの守り神は夢の神、導の神だったんだ。」

「と言っても強い力を持っている訳じゃない、道に迷いそうな時、未来の断片を夢と言う形で見せて導く。」

「大災害のことだってトーリは知らない。知っていてレナ・カサルに行った訳じゃない。」

「何でも屋ギルドを立ち上げた後、マーデの連中に嫌がらせを受けて返り討ちにしてたんだけど、そんな時に廃都の噂を聞いた。」

「魔人狩りか?」

「そう、弱いものを食い物にするレナ・カサルのやり方に心底腹が立ったよ。」

「それで廃都を調べると同時に外周区の住人達を避難させていたんだけど。」

「そこであの3人に会ったという訳か。」

「見ただけで会ったとは言えないけどね。真っ黒な影で顔も分からなかった・・・」

「ゼ・ドナに戻って調査隊を編成したんだけど・・・その後のことは記録に残っている通り。」

「そんなこんなで色々あってね。僕達はハーレンに戻り、トーリは小説を書くようになった。」

「端折るな・・・」

「関係ないからね。まあ簡単に言うとカミラさんや仲間達が頑張って僕達が傍を離れても大丈夫になったからかな。」

「と言っても僕かトーリ、ベンジーとかが誰かしら傍にいるようにはしていたけど。」

「パブロとかハナか?」

「そう、他にもいるけどね。カミラさんに何かあったらレナ・カサルの人口は間違いなく今の半分以下になっていたから。」

「そこまでか?」

「そう、カミラさんがゼ・ドナで目を光らせているからこの程度で済んでいる。」

ほんと色々あったんだよとぼやくアモンに佳澄が甘いものを持ってきた。

お茶のお代わりも出す。


「トーリの小説は彼の守り神の啓示が切っ掛けになっている。啓示を内容から色々調べて小説を書き上げた。」

「そうやって調べている最中にゼンさんにあったんだ。」

「うん、ゼンさんのことはトーリやケンからも聞いた。」

「・・・ケンも知っているのか?」

「流石に僕が道化師だって知っているのはカミラとベンジー位だよ。後はパブロとハナ?」

「37年前、トーリは啓示を受けて法王国に行った。」

「流石に一人では危ないと思ったからベンジーにカミラさんについて貰って僕も同行した。」

「パブロとハナに聞いた話からバーンの山の中を抜けてクィーグ村の抜け道を使って地下墓地に入った。」

「それ今も使えるのか?」

「使えるというか使えた。それを使ってジルフォードを助けた訳だし。」

「今は?」

「多分大丈夫かとは思うけど?抜け道は一つじゃないし?」

「そこら辺は後でじっくり聞くとして、続けてくれ。」


「地下墓地の中で嫌な気配のする場所があってそこに行ったらジルフォードが闇に殺されて掛けてた。」

「他にも何人か子供がいたけど、多分神の子か悪魔の子か?ジルフォード以外は皆死んでいた。」

「ジルフォードを助けて壁画の部屋に出てきたところで影と戦いになった。多分カールじゃないかな?」

「そうこうする内に騒ぎを聞きつけた聖騎士がやってきてジルフォードを回収していったらから僕達も逃げ出したんだけど・・・」

「だけど?」

「トーリが影かあるいは闇に呪いを受けていた・・・」

「呪いに食われたのか?」

「いいや、トーリは強かった。呪いの反転、希望を呼び寄せようとした。」

ジーンと佳澄は続きを待った。

「術の反動でトーリは死んだ。」

「トーリは笑っていたよ。二柱の神に声が届いたって。最後に見えた気配を僕に教えてくれた。」

「まさかそれが俺達だっていうんじゃないだろうな?」

「そのまさか。神は適合者が見つかったって言っていた。顔も名前も姿も分からない、ただ気配だけを教えてくれた。」


「それから僕は当時住んでいた神聖帝国に戻ってトーリを弔った。」

「道化師の仮面を被ってさ迷ううちに君を見つけた。」

「それがエマルドの時か。」

「そう、君の気配は神の教えてくれた気配によく似ている。だけど何かが足りない。」

「始まりの二柱の神は二つで一つ。君はその片割れじゃないかと思ってジルフォードに声を掛けた。」

「ジルフォードは僕の気配を覚えていてね。少し前から協力者になっていたんだ。」

「ジルフォードがあの星祭の一件で接近してきたのはそのせいか。」

「そうだよ。後、2年前のあれは本当にごめん・・・。」


「あれは元々君と話が出来るようにジルフォードに頼んだことが始まりなんだ。」

「ジルフォードは欲張りだからついでに断罪派を追い落とそう画策していた。」

「あそこにいた断罪派位は大したことないと高を括っていたら影が絡んでいた。」

「俺に手を出したのは影の方か。」

「影に操られた奴だよ。なんとか君を回収して匿ったんだけど・・・」

「だけど?」

「大怪我してるし中身はいないし。」

「・・・」

「・・・」

「で、俺の体はどうなっている?」

「ちゃんと怪我は直したよ。返す積りでここに来た訳だから。」

ジーンに睨まれ手を振るアモン。

佳澄は空になった皿に摘まみを追加してお茶を入れ直した。


お茶と摘みで一息ついたアモンが話を続ける。

「そうこうする内に君が彼女と一緒に帰ってきた。」

「見ていて分かったよ。彼女は君の片割れだって。」

「後は君の知っている通り。」

これでお終いとアモンは言った。


「ちょっと待て、里帰りとか行ったり来たりしている件はどうなんだ?」

「そっちは知らない。トーリならともかく僕にはそういう才能は無い。」

「夢の件は?」

「夢?」

ジーンは子供の頃夢と言う形で記憶を共有していたことを話す。

「・・・多分、トーリの相棒の仕業だと思う・・・」

「相棒?」

「僕達アナ・ハルナの民は子供の頃か小さな神々と一緒に育つ。

そんな中で特に仲の良い神を相棒と呼ぶんだ。」

「貴方にもいるの?」

「居るというか居た言うべきかな。大災害の時から気配を感じない。」

「・・・」

「トールは大災害当時レナ・カサルにいたからずっと相棒と一緒だった。」

「その子が夢の神の眷属?」

「ああ、夢の神の眷属で導の神、トーリの守り神。」

「その神の仕業だと?」

「多分ね。トーリが死んでからずっと気配を感じなかったんだけど・・・」

「感じなかったんだけど・・・」

「2年前のあの時、一瞬気配を感じたんだ。」

「だから俺は佳澄のところに行ったと。」

「そうだと思う。」

「今はその子の気配は?」

「感じない。力を使い過ぎて眠っているんだと思う。」

「眠っているならその内起きるか。」

「うん、ただどれ位先になるかは分からないけど。」

「お前の相棒もか?」

「・・・分からない・・・でも起きると信じて祈りを続けている。」


「ゼ・ドナの件は?」

「それは多分僕が君の体を持っているからじゃないのかな?

戻ってくる時に僕のいる場所に近くになっているんじゃないの?」

ジーンはがっくり肩を落とす。

「それで、ジルフォードは何をしてああいう状態になったんだ。」


ジーンの復活は次の本編に持ち越しです。


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