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シル・ストア~来訪者(旧サブタイトル:風の通り道)  作者:
最終章 来訪者

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3-10.復活の凱歌

コアの再起動を翌日に控え、ジーンと佳澄は用意されたアナ・ヤーレの家で資料を読み返していた。

立会人にとしてリオンとマリスが昨日からこっちに来ている。


「ワイズマンシステムはどこにあると思う。」

ジーンの問いに佳澄は手を上に向けた。

「根拠は?」

「最初、アナ・エルダの時は神殿そのものかその地下にあると思ったんだよね。」

「それで。」

「アナ・ソナの時、リアナの循環を聞いて空だと思った。」

「そのようなものは上空に確認されていませんが?」

リオンの言葉に佳澄は首を振る。

「上空、衛星軌道よりも上。静止軌道辺りかな。」

「衛星軌道?静止軌道?なんですかそれ?」

ジーンが呆れたように首を振る。

「佳澄、こっちじゃそれは通じんぞ・・・」

そういってリオンやマリスに向き直る。

「佳澄の故郷じゃ人工物を上空に打ち上げて監視や通信や気象観察なんかをしているんだよ。」

「低い方は上空200kmから500km、その軌道だと地上から見える。」

「宇宙ステーションなってものがあって、そこで人が暮らしていたりする。」

「そんことが可能なんですか?」

「実際向こうにはある。」

「上空3万6千kmあたりの静止軌道だと惑星の自転と同じ速度で回るから下から見れば同じ位置にあるように思える。」

「ついでに地上からはまず見えない。そういうもんだと思ってくれ。」

訝し気なリオンとマリスにジーンが言った後、視線を佳澄に戻す。

「それで今の発言だけだと根拠としては不足していると思うが。」

「力を循環させようと思ったら高低差は無い方が良い。アナ・ソナは海底1000m、アナ・バーンは地上3000m。

アナ・バーンが北のアナ・トーラの位置にあるならともかく南と西。

それをロスなく循環させようと思ったらアナ・バーンなら地下4000m掘らなきゃいけない。」

「それで。」

「ダリの設計思想はリアナをあまねく地上に届けること。そういうことなら地下よりも天空からの方が障害物が無くて良い。

そしてダリにはアナ・ハルナの八柱の神々の他にエマルドの天空神、太陽神とかが協力している。」

「でも例えそうだとしても思いつきますか?」

「ダリの故郷は、外宇宙に移民船を出せる技術がある。私の故郷よりも進んでいる。」

「大災害の時、ワイズマンシステムが止まった訳ですよね?何で落ちてこないんです?」

「慣性があるから直ぐには落ちてこない。後、星神達が協力して支えていたと思う。」

「その根拠は?」

「エマルドの加護が弱くなったから。」

佳澄は首を横にふって続ける。

「空の色とか力の広がり方とか地下よりも上空と思った方が納得できるんだよね。」

「空はまだ分かりますが力の広がり方とは?」

「リアナの循環が始まって神聖帝国やエマルド、レナ・カサルへの影響がほぼノータイムで出ている。

地下からな時差があってもおかしくないのに。

山や海と言う障害物の影響も受けてない。」

「・・・」

「佳澄は向こうで人工衛星とかそういうものの知識がある。気にすんな。」


翌日、再起動前にボリスに聞くとその通りだと返事が返ってきた。

「天の台座と地の台座の間にワイズマンシステムはあります。」

「天の台座?」

「始まりの二柱の神々が最初に舞った場所を天の台座と呼びます。」

「地の台座がアナ・ハルナの台座という訳ですか。」

「はい、そうです。エマルドの神々はそこに居られます。」

ステバノが準備が出来たことを伝えてくる。

佳澄はヤーレの宝珠に手を触れる。

「来訪者権限で残りのコアの再起動を。」

「承知しました。ディア、トーラ、ナタリの再起動を開始します。」

「再起動、リアナの循環を開始してください。」

「承知しました。再起動が完了次第循環を開始します。」


「始まりましたね。」

アナ・ディアの近くでパウロとハナが空を見上げる。

空の赤みが消える。

彼等の目にはリアナの循環が輪となる様を捉えていた。

リアナの循環、光輪は眩しくそして穏やかに降り注ぐ。

二人は祈る、偉大なるディアに、優しき神々に。

近くで鬨の声が聞こえた。

ディアの申し子が復活を告げる。

遠くでナタリの申し子の咆哮が響く。


アナ・トーラでは湖を覆う分厚い氷が溶け始めた。

氷が全て溶ける頃、湖底から神殿が浮かび上がろうとする。

トーラの生き残りが神殿に祈りを捧げた。

神殿が完全に浮かび上がると光の道が祈りを捧げる者達に届く。

祈りを捧げた者達が神殿に辿り着くと眠っていた神官達が出迎えた。


ヤーレの管制室の天井には各地の様子が映し出されている。

「まるでスペクタクル映画だ。」

「・・・言いたいことは分かるが・・・他に意味は通じんとおもうぞ。」

「モーゼの十戒?出エジプト記?モンサンミッシェル?」

佳澄の言葉に頭を抱えるジーン。意味が分かるのは彼だけだ。

「あれはスフィンクス?わー、鳳凰、朱雀?」

興奮して捲くし立ている佳澄に対し、

「あのー佳澄は一体何を言っているんです?」

マリスの恐る恐ると言った問い掛けに

「後で説明する・・・」

と力なく答えた・・・


今まで映ることの無かったビジョンの一つに人の姿が現れる。

『私はアナ・トーラのヨーゼフ、聞こえますか。』

「私はアナ・ヤーレのステバノ、こちらの声は聞こえますか。」

『はい、聞こえます。』

ビジョンに次々と人が映りだした。

トーラ、ディア、バーン、エルダ、ソナ、ヤーレ、セドン、ナタリ

東周りに八つのビジョンに光が灯る。

最後まで沈黙していた中心のビジョンがついに光を灯った。

そこには8人の人影が写る。

大災害で行方知れずとなった八柱の神々の加護を受ける長老達。

傷付き深い眠りに就いていた彼らが申し子達の復活によって目を覚ました。

『来訪者よ、貴方の訪れに感謝します』

長老達は深々と佳澄に礼をした。

続けて神々に祈りを捧げる。

『アナ・ハルナよ。八柱の神々よ。我が故郷、ここに目覚めん。』

アナ・ハルナの復活がここに告げられた。

佳澄は興奮していてジーンの言葉は耳に入ってません・・・

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