#7 練〜mock battle〜 -追
「魔神・美空大地なの?」
目の前の少女――淡沢月乃は、俺に問いかける。
「違うよ」
「俺は如月未来、ちょっとした再生能力持ちなだけさ」
「あの力、貴方の能力とは一致しない」
「いっただろ?あれはあの二丁拳銃の力だからさ」
「じゃあ、あの目は?」
「目?」
「今日戦った時、一瞬だけ目の色が変わった」
「それは大地の特徴と一致する」
「気のせいだよ」
「…わかった」
「今日は一旦諦める」
「ありがとう」
♦︎
あっぶねぇ!
流石にバレたかと思った!
今後こう言うの気をつけたほうがいいな。
「はぁ、なんでこんなことに」
『…貴方が如月未来?』
「誰だ!」
『驚かせてごめんなさい』
『貴方を調べろって言われてね』
「闘うって?」
『話が早いわね』
「無理だが?!」
『あ、そうだ』
『私は偽名・スプリング』
「お前が?!」
『あら?知ってたのね』
『それじゃあ』
『どこを撃ち抜かれたい?』
「ちっ!」
「美波!」
《全く、人使いが荒いんだから!》
『あれは…』
「クアトロライダー級超弩級戦艦さ」
『あんな船、知らない!』
「じゃあな!」
降りてきたワイヤーに捕まり、急上昇する!
『逃がすか!』
「邪魔すんな!」
ハンドガンで牽制する!
『まぁ、船を持ってるってしれてよかったわ』
「んな?!」
虚空へと消えるスプリング。
「バケモンかよ…ってバケモンかもしれねぇのか」
「全く、貴方からわかってたの?」
「いんや?なんとなく試運転を頼んだらドンピシャだよ」
「貴方って視てるのかそうじゃないのかわからない時があって怖いわ」
「視える時は視えるけど今は無理だよ」
「そうだったわね」
「さて、どうする?」
「どうするって?」
「いや、追撃しないのかなって」
「この状態じゃ無理だ」
「いったん撤退したほうがいい」
「了解」
そして次元の狭間に止まる。
「ほら、さっさと報告してきなさい」
「了解」
♦
「ってなことがあったんだが」
「はぁっ?!」
「ばれそうになった挙句スプリングに絡まれた?!」
「貴方ねぇ…淡々と事実を並べてるけど、普通に何やってるのよ」
「いや、バレた原因がさ、戦闘中の目の色が変わるとかなんとかでさ」
「目の色が変わる?」
「らしい」
「そういえば貴方の目って黒い目から黄色くなるとかあったわね」
「マジ?」
「多分未来予知を使ってる時なんじゃない?」
「でもなんも視えなかったぞ?」
「発動はしてるけど、まだその域まで戻ってないんじゃない?」
「なるほどねー
「ってほら、夜ご飯の時間よ」
「待ってました!」
「今日のメニューは牛丼だよ」
「っしゃ!」
「七味七味…」
「そういえば貴方って味濃いもの好きよね」
「そりゃな」
「食った気がしないからさ」
「そう?」
「それよりも、貴方異能大会に推薦されたんだって?」
「らしい」
「あれってほぼ毎年ランダムで選ばれてるんだけど…」
「そうなの?!」
「今回の2人を余程出させたいらしいわね」
「ったく、こちとら予選突破も怪しいってのに」
「予選突破は余裕だと思うわよ?」
「そんなに弱いか?」
「いや〜光線技を躱せたとしてもあの強力な斧の一撃がある以上バリア系もきついと思うわ」
「それこそ月乃みたいなイレギュラー級に強くないと」
「ほんと?」
「えぇ、自信持っていいわ」
「ならいいんだけど…」
そうしてまた1日が終わるのだった…