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#15 陸〜sixth battle〜

《さぁ!本戦二回戦目、対戦カードは!》

《如月未来と霧雲紗綾(きりぐもさあや)だ!》

《両者準備はいいか?》

「もちろんいけるぜ」

「私も」

《では…》

《試合開始!》

 そう彩音が告げたと同時に

「スタッフモード!」

「「幻象魔法・サンダーストーム!」」

 お互いが雷撃を繰り出す!!

「っぱそうくるよな!」

「理紗の娘だもんな!」

「お母さん直伝の魔法で貴方を倒す!」

 ほんとに倒されそうなのが笑えねぇ…


♦︎


「未来さん…勝てるでしょうか」

 自教室で私――淡澤月乃は友人の如月未来の心配をしていた。

「わかんないわね…未来と相性が悪いといえば悪いもの」

「相性悪いんですか?」

 クラスでも比較的話せる人の岩井佳奈さんに聞いてみる。

「えぇ」

「未来だって魔法は使えるけど多分あの感じ魔法は専門じゃないっぽいし、魔法ならあの糸もすぐに突破されるはず」

「だからどうやってあの魔法を突破するかが鍵ね」

「でも魔法の撃ち合いなら負けないんじゃないですかね…魔力も無尽蔵にありますし」

「いや、あの杖は強大な魔法を撃ちすぎるとオーバーヒートするみたいだし、きついんじゃないかしら」

「未来さん…」

「はぁ…あの一件から貴方本当に未来に入れ込んでるわよね」

「わ、悪いですか?!」

 た、確かに仲良くしようとは思うけど、そんなに入れ込んでるのかなぁ…恥ずかしい。

「悪くないわよ」

「むしろあれだけ静かだった貴方がここまで明るくなって嬉しいもの」 

「あ、ありがとうございます」

 なんか照れる。


♦︎


「はぁ…マジで千日手だろこれ!」

 魔法の撃ち合いをして、相手の魔法と同じ魔法で相殺するということを何回か繰り返している。

「そうだね…だったらこれでも喰らえ!」

 六芒星が描かれた魔法陣が出現する。

「お母さん直伝の!」

龍閃光(ドラゴニックスパーク)!」

 紫色の龍の頭に見える光線が飛んでくる。

「やっぱあいつの魔法も使えるか!」

 幻象魔法・龍閃光…理紗が昔使っていた火力なら一級品で、さらに魔力効率も万象魔法に劣るとはいえかなり良い方だというオリジナル魔法の中では最強格の魔法。

 欠点で言えば火力が高すぎて生け取りだったり市街地戦には向かないことぐらいか。

「摩耶!」

≪まったく!≫

 糸を何重にも重ねて防ごうとするが

「い”っ?!」

 削れたところを補強するよりも先に糸を削り取っていく。

「吹き飛べぇぇぇ!」

 少し威力が軽減されたとは言えほぼモロに喰らってしまい壁に叩きつけられる。

「くっそぉ…そういやそれ俺のフレイムブラスターと同じ威力だっけか」

 魔神時代の俺の上から2番目の威力を誇る熱線がフレイムブラスターだ。

 胸の辺りから放つのだが全力の姿ではない状態でも美月にダメージを与えることのできる数少ない技だった。

 それを見た理紗が頑張って開発したのが龍閃光で、俺のフレイムブラスターと撃ち合ってもほぼ相殺できる威力にしたとか言ってたな…あの馬鹿あれを娘に教えるのか。

「じゃあ、過去の俺を越えるしかないよな?」

≪本当に貴方ってこういうのに燃えるわよね≫

「だって楽しいからな!」

「龍閃光を喰らってピンピンしてるのなんて中々見ないんだけど?!」

「大体はこの一撃で勝負が決まったのに」

 どうやら再生の能力も治ってきてるっぽいな。

 そのおかげでなんとか耐えれた。

「今度はこっちの番かな!」


♦︎


「あの未来って人、よくあれに耐えたね」

「そうね、去年は私たちあれで負けたものね」

「夏海、あれ食べられなかったの?」

「最初は食べれたんだけど威力が強すぎて食べた後少し疲れちゃってもう1発ダメ押しに撃たれて無理だったよ」

「春香お姉ちゃんは…まぁ言うまでもないか」

「酷いわね!」

「まぁただの腕力で勝てる相手ではなかったからね」

「私は接近してやっと勝負が成立する能力だし」

「…ねぇ、話は変わるんだけど」

「何?」

「――ウチの()()に帰ってこない?」

「断るわよ」

「そっか」


♦︎


「ちょっと!」

「多すぎない?!」

「これでも減らしてる方だぜ!」

 俺は紗綾に向かってブリザードランスを放ちまくり龍閃光に移行することができないようにしている。

 正直こうでもしないと勝てる気がしない。

「でもそれって撃ちすぎるとオーバーヒートするんでしょ!」

「知られてんのか…まぁそりゃそうか」

 一旦ブリザードランスを撃つのをやめる。

「諦めた?」

「なわけあるか」

 糸で右腕に龍の頭を作りだし

氷龍咆哮(アイスドラグハウル)!」

 氷を纏った光線を紗綾に向けて放つ!

「ちぃっ!」

 走って俺の光線を回避していく紗綾。

 その後ろが俺の光線によってどんどん凍りついていく。

「幻象魔法!」

「スターダスト・バレット!」

 七色に輝く星型の光弾を複数発こちらに向けて放ってくる。

 耐えられるかもしれないがこれ以上の被弾を増やすわけにはいかないので仕方なく光線を光弾の方へ向けて破壊する。

「まったく、俺の考えることよくわかってるな」

「氷龍咆哮を避けるために光弾で俺の注意を引かせるか」

「どうやって倒そうか」

 全盛期の俺ならビームアイで薙ぎ払った後にフレイムブラスターをぶっ放せば倒せるんだが…どうも小手先の技術ってのは苦手だな。

 圧倒的な火力で薙ぎ払ってこそ楽しいんだが。

「そんな悩んでる暇があるとでも!」

「スターダスト・ストライク!」

 自らを流星にこちらへと突進してくる紗綾。

 あれは理紗もやってたけどあれは相当怖いって言ってあまり使いたがらなかったのに、こいつは普通に使えるのか。

「おもしれぇ!」

「ウェブ・ギガンティックアーム!」

 背中に糸で巨大な腕を作り、紗綾を掴み、どうにかしてその勢いを無くそうとする。

 それでも勢いは止まらずどんどん押し戻されていく。

「ちょ、ちょっとやばいかも――」

 腕を突破されその勢いがモロに俺の腹に叩き込まれる!

「ぐぁぁぁぁぁ!」

 その衝撃で俺と摩耶の融合が解けてしまう。

「な、なんで融合が?」

「わからん」

 2人して地面に横たわって紗綾の方を睨む。

 あの時は吸収も混ぜて融合してたからそれがない分

 融合が弱まっているのか?!

 それよりも早く摩耶と再融合しないと…

「まだ…まだ負けてない!」

 なんとかして立ち上がり、紗綾に向き直る。

「憑依合体!」

「≪神帝モード!≫」

 なんとか再融合を果たす。

「ここまできたら優勝したいんでね!」

「ウェブ・ガトリング!」

 肩にガトリング砲を編む!

「やってみろよ!」

「やってやる!」

「一斉射撃!」

 両肩から無数の弾丸を紗綾に向けて放つ!

「そんなの喰らうわけないだろ!」

 星型の光弾を弾丸にぶつけて時間を稼ぐ紗綾。

「お前男勝りになるとこは理紗そっくりだな!」

「私は無敵なんだぜぇぇぇぇ!」

 紗綾の全身が金色に輝き始める!

「おいおいマジかよ!」


♦︎


「おいおいどうなってるんだ?!」

 クラスの男子が騒いでいる。

「紗綾さんの体がどんどん輝いていってる!」

「あんなの見たことない!」

 クラスの人たちが口々につぶやいていく。

「多分、本気モードなんだろうね」

「本気モード?」

 私は佳奈さんに聞く。

「今までそう言う相手に会えてなかった…それこそ幼馴染の芽衣さんぐらいだったのかもね」

「でも、こうして未来という全力を出せる相手に会えて、テンションが上がってるのかも」

「ほんと、すごいやつね」

「未来さんはすごいですよ」


♦︎


「なるほど…よく見ればそれ強化魔法かぁ」

「私のこの姿を見れたこと、誇りに思え!」

 髪の毛まで金色になり、まるでスーパーサ○ヤ○みたいだ。

 流石に逆立ってはいないけど。

「かかってきな!未来!」

「言われなくても!」

 複数の糸を触手のように紗綾に向けて放つ!

 それは避けても追尾するようにしたはず…だが

「ふん!」

「て、手をかざしただけで?!」

 おそらく切断系の魔法を撃ったんだろうけどそんな早くに発動できるか?!普通!

「どうすっか」

 必勝パターンはもう使えない。

 そう考えると俺がやるべきなのは

「アポロン!」

≪よっしゃ!≫

「こいつに賭けるしかない!」

 斧を弓のように構える。

「喰らえ!」

「≪アポロンの天弓(カース・アロー)!≫」

 紫色のエネルギーを纏った矢を放つ!

「無駄無駄!」

「私に何をしても倒せやしないぜ!」

「龍閃光!」

 かかった!

 龍閃光が矢に向かって放たれると同時にアポロンを切り、思い切り跳ぶ!

「これぐらいしか思いつかなかったんだよ!」

「パイルバンカー!」

 糸で破城杭を組み上げ、思い切り放つ!

「「はぁぁぁぁ!」」

 紗綾はバリアを何重にも展開し、俺のパイルバンカーを防ぐ。

 逆に俺はそれすらも削り取ろうとパイルバンカーの背面にジェットブースターをさらに編む。

「逃がさねぇぇぇ!」

 パリン、パリンとバリアが割れていく音がする。

「龍閃光!」

 パイルバンカーを壊そうと紗綾が光線を放ってくる。

 ただ、そのせいでバリアは割れた!

 あとは龍閃光に逆らうだけだ!

「ブースター全開!」

 炎が赤から青になり、さらにどんどん勢いを増していく!

「私の…私たちの魔法を破るなんて、認めない!」

「スターダスト・バレット!」

 星型の弾幕を体に当てられてその場から離れてしまう。

「くっそぉ!」

「惜しかったのに!」

 パイルバンカーもだいぶ傷んでるし…俺こいつ突破できるんか?

 いや、まぁやるしかないんだけど。


♦︎


「今の惜しかったのに!」

「でもバリアを数枚割れるってだけでもすごいわね」

「というか私の腕力でもあれ返せるか微妙なんだけど…」

「私たちの時にあれ使われなくてよかったね」

「ほんとよね」

「でも何で紗綾とやり合えてるのかしらね」

「まぁそうよね」

「確かCでしょ?クラス」

「Aの人にあそこまで戦える人Cには普通いないわよ」

「でも月乃ちゃんがCってちょっと意外だよね」

「あっ確かに」

()()()を倒せたのにC、ねぇ」


♦︎


「待てよ…いけるか?!」

「何を思いついても無駄だぜ!」

「私には敵わない!」

「摩耶、糸で魔神を組め」

≪マジで言ってる?!≫

「正直勝つルートはそれしかない気がするぞ」

≪あんた正体を隠さなきゃいけない立場なのわかってる?≫

「んなもん映像で見たのを見よう見まねとでも言えばいいだろ」

≪はぁ…後で怒られてもしらないよ!≫

「うっし!」

「何をするんだ?」

「こうするんだよ!紗綾!」

「≪ウェブ・魔神アーマー!≫」

 糸で、俺の能力を完全に再現しようと編み始める。

 もちろん一部は再現できない。

 それでも能力を制御した時のまだ魔神と呼ばれていないころの姿ではあるがなんとか形になる。

「そ、それは!」

「映像記録で確認してな」

「昔糸で編めないか実験したら実際にできたってオチさ」

「んで今回はそれをもう一度編んだってだけだ」

《な、なんと、》

《あの『魔神』の姿を真似たぁぁぁぁぁ!》

 彩音も相当驚いていてたい実況し始めている。

 まぁそりゃ正体隠してるんだし驚くよな。

「そんなことが許されていいわけないだろ!」

「ファイアーブラスト!」

 胸から熱線を放つ!

 しかし紗綾ももちろん

「龍閃光!」

 光線を放ち、お互いの攻撃がぶつかり合う!

 最初は拮抗していたのだが、段々と俺の光線の方が押していく。

「ば、バカな!」

「オリジナルのあいつの魔法なら正直わかんないが、お前はあくまで学んだだけ、それなら俺の光線に敵わないこともあるだろう!」

 マジでほんとにあいつの魔法じゃなくてよかった。

「アームカッター!」

 腕に2本の刃を生やし、紗綾に向かっていく!

「スターダスト・バレット!」

 星型の光弾をまたも多数放ってくるが俺はそれを腕の刃で切り裂きながら進んでいく。

 昔からこの刃は強靭で弾幕の中を突き進むのに敵してたから多用してたなぁ。

 そしてもう一つこのアームカッターには特徴がある。

「喰らえ!」

「ロケットカッター!」

 アームカッターの生えた腕が飛んでいく!

 もちろん今回は鎧だから鎧が飛んでいくのだけど。

「い”っ?!」

 予想もしなかった攻撃に対処しきれなかった紗綾は横っ腹をすこし切られてしまう。

「完全に切り裂くつもりだったんだけどな」

「やっぱり()()()()()()()()()()()

 飛んで行った鎧が戻ってくる。

「フリーザービーム!」

 今度はこめかみのあたりから正面に冷凍光線を発射する!

「今度は冷凍光線かよ!何でも持ってんじゃねぇか!」

 まぁもちろん回避される。

 しかし今の俺にとっては当たるということよりも使えるということの方が大きい。

「じゃあこいつはどうかな!」

「グランドハリケーン!」

 口から巨大な竜巻を紗綾に向かって放つ!

 それは少しだけ地面を抉りながら紗綾に向かっていく。

「万象魔法・トルネードカタストロフィー!」

 紗綾も竜巻を放ち相殺を狙いにくる。

 しかし俺の竜巻がトルネードカタストロフィーの力すらも加えて紗綾に向かっていく!

「そ、そんな?!」

 竜巻に巻き込まれ、空高く飛ばされる紗綾。

「今ならいける!」

「ウェブ・ウィング!」

 紅い翼を広げ、紗綾に向かう!

「とどめだ!」

 ブラストマホークを振り上げる。

「かかったな!未来!」

「なんだと!」

「幻象魔法・融合解除(ディス・ユナイト)!」

 その魔法を喰らった瞬間

「――マジかよ」

 俺と摩耶の融合が解除され俺たちは落下を始める。

「ほんとはこれは乗っ取られたりした人に使うものだけど、今回使えてラッキー!」

「はぁ〜」

 俺はため息をつく…が

「でも…まだ終わってない!」

「ハデス!」

≪よっしゃ!≫

「スターダストォォォ!」

「ディープゥゥゥゥ!」

「ストライク!」

「ハデス!」

 闇と彗星がぶつかり合い、闇が彗星を完全に覆い尽くす。

「このまま吸収しきる!」

 闇の威力を上げる。

≪これ以上やれば貴方の体が≫

「うるせぇ!」

「勝ちたいんだよ!」

 どんどん闇が大きくなっていく。

 それに比例して俺への負担も増えていくがまだ中にいる生体反応は消えていない。

 生体反応が消えない以上威力を上げなくてはいけない

「消えてなくなれぇぇぇぇぇ!」

 そんな言葉も虚しく

「残念だったな!」

 闇を彗星が突き破り、その彗星が俺の腹へと今度は緩衝材が一切ない状態で当たる。

「――負けかぁ」

「あぁ、強かったぜ?未来」

「ま、楽しかったしいいさ」

「頑張れよ?」

 次の瞬間、俺の意識は闇へと落ちていく。


♦︎


「いつつ…実際はダメージなんてないのに」

「リアルなのも考えものだな」

「お疲れ様」

「あぁ」

「負けちゃいましたね」

「いやぁ、惜しかったな」

「まさか分離させられるとは」

「しかし今日の試合はこれで終わりか」

「明日は紗綾さんの出る決勝ですよ」

「あっ俺の準決勝なの?」

「知らなかったんですか?」

「知らんかった」

「…ほんとちょっと抜けてるんですから」

「悪い悪い」

「というか何で毎回迎えに来てくれるんだ?」

「ふ、普通に労いたいからですよ」

「そうか?ならいいんだがな」

 これでもし俺の体のサンプル取ろうとしてるとかだったらやだな。

 まぁ、今の俺のサンプルなんてとってもなんの価値ないけど。

「さて、帰るか〜」

 俺と月乃の2人で帰り道を歩むのだった…


♦︎


「…ん?誰だ?」

 月乃と別れた後、ビルの前に女性と…子供?がいる。

「えぇと…どうしましたか?」

 つい話しかけてしまう。

「湊美波さんってここにいますか?」

「た、多分いますけど、どうしました?」

「主人が行方不明なんです!」

「行方不明?!」

「そして、3日経っても連絡がなかったらこれを持ってくように言われたんです」

「これって…USBメモリ?」

「何のデータかはわからないんですが」

「湊美波さんならわかってくれる、と」

「わかりました、ちょっと待っててくださいね?」

 エントランスに2人を置いて、紫苑に連絡する。

「――ってわけなんだけど、何か知ってるか?」

《知らないわ》

《でも、話は聞きましょう》

《美波もいいって言ってるし》

「わかった」

 通話を切る。

「すぐに来ますよ」

「ありがとうございます!」

「お兄さん、なんか嫌な感じがする」

「こら!」

「すいません」

「いえ…どの辺が嫌な感じがしたのかな?」

 10歳くらいであろう少女に俺は問いかける。

 すると

「人じゃないのが見える…蜘蛛みたいなの」

「あ〜…」

「ほんとにすいません!」

「いや、思い当たる節はあるので」

「よくわかったね」

「お…僕はその蜘蛛と一緒になってるんだ」

「悪い奴じゃないよ」

「…そうみたい」

「娘さんの能力です?」

「え、えぇ」

「能力とかそういうのが見えるんです」

「能力の調子のいい日は何が起こるか見えるんです」

「へぇ〜」

「ちなみにお名前は?」

「乃奈って言います」

「見月乃奈、10歳」

「へぇ〜」

 なんか隠してそうだなぁ…この感じ。

 ま、いっか。

「すいません、遅くなりました」

「おっ艦長」

「それじゃあそのUSBを見せてください」

「待った」

「?」

「どうしたんですか?」

「いや…第6感なんだけどさ」

「お前本当に美波か?」

「本物もなにも」

「いやぁ…魔力が違う気がするんだよな」

「う〜ん」

「まぁ気のせいかぁ?」

「乃奈さん、この人に何が見える?」

「…ハサミ」

「だそうで?」

「お前美波じゃなくて」

()()だろ」

「驚かせようと思ったのに」

「はぁ〜」

 パラパラと外装が剥がれていって着物姿の赤髪の少女が姿を現す。

「美波はもう少しかかるらしいよ」

 神霧古都(かみきりこと)――昔摩耶を助けて欲しいと言ってきた神様。

 なんでも縁を切る力があるらしくて摩耶とは本来対立関係にあるらしい。

 でも2人が手を取り合うことによって運命がわからないものになるという側面もあるから仲はいい。

 そして古都も魔族の技によって暴走したが、俺と摩耶で止めた。

 その時の力は今では制御できるとか何とか。

「んで?お前は何で来た?」

「このパソコンでそのUSBを読み込んでって言われてきたよ」

「よし、見るか」

 USBを接続し、ファイルを開くとそこには

「――何だこれ?」

 謎の設計図が入っていた…


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