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2-4

「来年の武闘祭について?」


 僕の机に紙が置かれていた。


「早くないか?」


 行ったら今日の授業は全て出席扱いか……しょうがない行くか……。眠たいが、なんとか足を進める。



 ▫



「審査員をやってくれないか?」


 理事室に入ると開口1番、理事長がそう言った。


「えっ」


 武闘祭の審査員ということか。


「僕はまだ学生ですよ」


「もちろんそれは知っている。しかし君は実績も十分だ」


「そうですか……」


 実績?悪名ではなく?

 しかしまあ、他の学生達よりかは知名度もあるのかもしれない。


「それでだね、君には学園のパーティーに出てほしい。他のお偉いさん達にも事情を説明しなくてはならない。ああ、パートナーを連れてくるんだよ?もちろんパートナーは女の子でいい」


 いらない気づかいだとため息をつきつくが、そういえば僕に男の友達はいないから助かるのか……と思った。



 ▫



「ということで友達に総当りしたんだが、皆パーティーなんかに出ている暇はないとすげなく断られてしまってな……」


 理事長との話を終え、睡眠をとっていた。目を覚まし、部室に向かう途中、見かけたツェザールに話していた。


「アンドリューの友人達は皆意識高いなぁ……」


 意識が高いというか、あんまり人付き合いに価値を感じていないタイプが多いのだ。学者肌が多いのだが、学者は学者で付き合えばいいなんて思っているらしい。だから僕の研究が面白いと近づいてきたりしたわけだが。僕にとってはありがたいことか。あんまり細かいことは言わないでおこう。


「それでツェザールはどうした?お前なら選び放題だろうが、決めたか?もちろん僕のパートナーになって欲しいわけではないぞ」


 一応言っておく。


「ああ、私はとりあえず隣の席に座っていた子を誘ったらOKもらえたから」


「……どうかと思う」


 それはその子を勘違いさせるやつじゃないのか。

 知らないが。



 ▫



「トリシアは私と行くの!」


「いえわたしです」


「……!!」


 開けた扉を閉めた。


「修羅場だな?」


「修羅場だね」


 扉が勝手に開く。


「トリシアは貴方達には渡さないわよ!」


「ああうん……というかさ」


 ツェザールの方を向いて確認をとる。こういうパターンってだいたいさ。


「……アンドリューも気づくよね、トリシアは弟と行くんじゃないか?今までもそうだったし。だから私はもうパートナーを決めたよ」


「僕も決めようとしたんだがな……」


 首を振る。

 そう簡単にはいかないのだ。


「てへ、そういうことだから皆ごめんね?」


 そう、悪びれない顔でトリシアが言った。

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