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かがみ

おしろを でることにした もと おひめさまと メイド。まどのそとは よる でした。

もと おひめさまと メイドは しろの うらぐちを めざしました

なにせ せいもんは おおきすぎて とても ふたりだけの ちからでは ひらけそうも ありません

もと おひめさまと メイドは ふるびた ろうかを あるきます


「ほんとうに わたしたち いがい いなくなって しまったのね…。」

「さようでございます。」


100ねんの ときをへた しろは あちこちに くものすがはり ゆかや ちょっとした おきものに ほこりが たくさん かぶっていました

もと おひめさま は ろうかの まどのそとを ちらっと みると しずかな よぞらに あかるい みかづきが うかんでいます

もと おひめさまは ほしや つきをを みるのが すきでした

おもわず まどに ちかよります


「100ねん たっても この うつくしい ほしぞらは かわらないのね。」


まどから さす げっこうに もと おひめさまは てを のばしました

すると メイドは あることを おもいだして おおきな かばんから かがみを とりだしました


「もと ひめさま ごらんください。」

「え? こんなときに どうしたの?」


すこし ぼんやりしていた もと おひめさまは かがみにうつる じぶんの すがたに おどろきます


「きゃー!」

「おちついてください。 わたくしが せつめい いたします。」


かがみに うつって いたのは せいぜんの もと おひめさま でした

かがやく きんいろの かみ

おだやかな うみのような ひとみ

ほねよりは しろくないけど それでも まっしろなはだ

もと おひめさまは じかくは ありませんが とても きれいな おんなのこ だったのです


「わたしは しんで ほねに なってしまったのでは ないの?」

「もと ひめさま、まどから はなれてみて ください。」

「え? ええ…。」


いわれたとおり もと おひめさまが まどから はなれると つきのひかりが あたらなくなった ところだけ ほねが うかびあがっています

メイドは それを かがみにうつして もと おひめさまに よく みせたのでした

そして まどとは はんたいの ろうかの すみのほうに もと おひめさまが さがると かんぜんに ほねのすがたに かわったのでした


「もと ひめさま、わたくしたちは つきのひかりに あたると せいぜんの すがたに みえるようです。」

「まあ! まあ!」


もと おひめさまは びっくりが とまりません

そんなとき どこからか まったくしらぬ おとこのこえが きこえてきます


「いまの ひめいは なんだ?」

「モンスターの なきごえにしては かわいかった きがする。」


おんなのこえも つづいて きこえます

もと おひめさまと メイドは かおを みあわせました


「あのかた たちは どなた…?」

「おそらく ぼうけんしゃ でしょう。 この しろは いまや ダンジョンと かわりませんからね。」

「ぼうけんしゃ…!?」


もと おひめさまは ワクワクした ようすを かくせませんでした

なにせ もと おひめさまは ぼうけんしゃに なるのが ゆめだったのですから


「わたし あって ごあいさつがしたいわ…!」

「このすがたでは まずいと おもわれます。」


メイドは もと おひめさまを ふたたび かがみに うつします

つきの ひかりが とどかなければ アンデッドと まちがわれても しかたないすがたです


「わかったわ! それでは つきのひかりが とどく そとで おあいすれば いいわね!」

「さようでございます。」


もと おひめさまと メイドは いそいで うらぐちから しろを でたのでした

もと おひめさまは かわいい おんなのこ だったのです!

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