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中途半端な僕へ  作者: ふじもん
~終わりと始まり~
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捜索

〜終わりと始まり〜

捜索

〜幸せのパン〜


橘先輩「とはいってもな、3日以上見つかってねーからな」


ぼんやりとした意識の中、声が聞こえる。知ってる声だった。


店長「ああ、可能性のあるところはくまなく探したはずなのになんでだ」


橘先輩「まああとはこの島で唯一警察も手をつけてない場所はせいぜい……んっ?」


ゆっくりと体を起こすと先輩と目があった。するとすぐに駆け寄られる。


橘先輩「おい、春樹大丈夫か?」


店長「よかったぜ、お前まで駄目だったらホントにシャレになんねーぞ」


春樹「お前までってどういう事ですか?」


店長「えっ」


春樹「妹はまだ見つかってないんですか?」


店長が一瞬しまったという顔をするが隠しても仕方がないと思ったのか


店長「ああ、まだ見つかってない。もう3日ずっとこの調子だ」


と正直に言ってきた。すると先輩が店長の肩を掴んで


橘先輩「おい!!」


というが店長は


店長「嘘を言ってもしかたねーだろ、すまん春樹、この3日間、俺達も島中探したが見つからなかった」


正直に頭を下げた。そしてまた僕の中で、時間が止まる。しばらくの沈黙の後


春樹「見つかってない、じゃあやっばりホタルは――」


店長「でも!!」


と店長は僕の肩を掴み強く言う。


店長「いいか春樹、絶対に諦めるな!、行方不明だろうがなんだろうが報告が上がってねー以上それは"最悪"とは言わねーよ!、いいか!まだ死んでねーんだ、必ずどこかで生きてる。なのにお前がそんな面してんじゃねーよ」


春樹「て、店長…僕」


涙が止まらなかった。ポロポロと溢れてきて、冷たい中に急に暖かいものが入ってきたのに対して耐えられなかった。店長達の服を見ると汚れが酷く目立った。きっとどれだけ汚れても、自分の仕事を投げ出しても探してくれたんだろう。


店長「大丈夫だ。心配すんな、絶対ホタルちゃんはお前のこと待ってんぞ。だから俺達の今するべきことは探すことだ。いいな?」


店長は頭を撫でてそう優しくいった。


春樹「う、うん」


それに僕は泣き声で答える。しばらくすると先輩が話し出した。


橘先輩「…春樹、確かに俺達はこの島中探した。ただ一つだけ探してない場所がある。まあ正確には探せない場所だ」


春樹「探してない場所?」


橘先輩「そうだ、そこが唯一の可能性だが、入れるかどうかわからん、なんせ警察すら全体の地理を把握してないくらいだからな」


その物言いにピンとくる


春樹「まさか探してないところって…?」


店長「ああ、もう四の五のいってられねーよ、しっかり覚悟決めろそこにいく以外ホントにねーんだ。警察もなぜかそこだけは入らねーしな…」


橘先輩「でもいいのか?お前怖いの苦手だろ」


店長「バカやろそれはお前だろうが、いいからとっとといくぞ」


と店長は一言溜めて


店長「この島で唯一の立入禁止区域、"迷いの森"に」


と言った

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