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中途半端な僕へ  作者: ふじもん
~終わりと始まり~
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魔法

〜終わりと始まり〜

魔法

禁止区域 森 アレックス家前


春樹「あの、こんなところでやっても大丈夫なんですか?」


アレックス「ああ、外は外でも俺の家の周辺には魔物が出入りできないよう魔法をかけてあるからな」


春樹「魔物…あの化け物のことですよね?」


アレックス「そうだ、んじゃあそこから簡単に話すか…」


アレックス「誰でもそうだが生物は基本体内に魔力を持っている」


アレックス「だが、もちろん全部が全部魔法を使えるというとそうじゃない。それがさっき話した素質の話だ…その体内に持っている魔力と空間、つまり大気中に含まれるマナのこの2つを上手く繋ぎ合わせて、魔法に変換するんだ、まあいわば素質があるか、ないかはこの変換する能力力があるかどうかってことだな」


春樹「魔法に変換する力…」


このとき僕が気になったのは"空間"という言葉だった。この世界、つまりあの門をくぐった瞬間に感じた違和感だ。この世界にきて一番始めに感じたのは空気の気持ち悪さだった。


気持ち悪さといっても空気が汚いとかそういうことじゃなくてなんかよどんでいる?というかまるで空気に見えない何かがあるようなイメージ。実際に僕のいた元の世界では何もない空間に手を伸ばしても何も掴むことなどできはしないのは当たり前だけどこの世界は手を伸ばせば何か掴めそう?というかまるでそこに何かあるように見える感じとでもいえばいいのかな?とまあこんな感じでいわゆるこの"何かある感じ"が僕にとっての違和感だったのかもしれない。まああくまで今冷静に考えればの話なんだけど…


アレックス「これから教えるのは初級の魔法、ライトを教える。まあ日常的に使われているものだな。料理を作る時に火を通したりとか、使い方はいろいろ。ださっきやったやつだな」


アレックスさんはそう言うと人指し指を出すと、その先を見つめ、


アレックス「…ライト」


と小さくいった。するとさっきと同様に人指しの先に小さい火が灯る。


春樹「ふおおおお、か、かっこいい」


アレックス「…お前もやってみろ、大切なのはイメージ力だ。空間の力を使って、火が灯すイメージをリアルに描いてみろ」


春樹「は、はい」


僕は自分の中にある先ほどのアレックスさんが使ったライトを頭の中にイメージする。しかし――


あれ、上手くいかない?


なんでだろう?というかイメージが難しい。といってもさっきのアレックスさんをイメージするだけだ。ただ


なんか火を見ると別のものが見えてくる。記憶?


家が燃えている?どこだろう?怖い…誰かが叫んでる?僕の名前を…


すると僕の指先にどんどん力が集まってくる。しかしそのエネルギーはさっきアレックスさんがやったライトとは比べ物にならなくて


アレックス「バカ!!なにやってる!!!」


アレックスさんが凄い勢いでこっちにくると僕を抱え、すぐさまにそこから離れる。しかしその瞬間


ボオンという激しい音がなる。


アレックスさんは離れたところで僕を下ろすと、激しく燃える火を見ながら


アレックス「バカな…今のは…」


と意味深に呟いたが、僕は何が起きたのか理解できずにボウッとしていてそれどころではなかった。

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