オープニング
〜オープニング〜
最後の休息
"最近よく考えることがあるんだ"
閉じていた目を開くとこの場所とは不釣り合いなぐらいキレイな夕日だった。戦って戦って、そんなことも気にする余裕なんてなかったことについ苦笑をしてしまう。周りを見渡すと戦争によってたくさんの人が死んでいるのが見える。その人たちを見ながら思う。 "どうしてこんなことになったのかな"って
"もしあの時僕が別の選択をしていたら何か変わっていたのかな"
"もしあの時僕が彼を止められていたらあんなことにはならなかったんじゃないかな"
"もっと彼らのことを理解できていたら"って
いつも後悔ばかりだ。最後の戦いの前にふとこの光景を見ておきたくて僕は周りを見渡していたわけだけれどどこを見てもそこはやっぱり死体の山で僕にこれは夢である、という可能性をどこまでも否定させた。その中で見知った女の子を見つけた。彼女の近くに寄る。彼女もすごく負傷しているようだ。生きてはいるし命に別状はないだろうけど気を失って座り込んでいるようだった。彼女の傷のついた顔に手をそっと添え
男の子 「よく頑張ったね」
といった。僕は彼女に触れると同時に気持ちを入れ替えて最後の戦いに向かおうとすると後ろから服を引っ張られた。
女の子「いかないで…」
弱くてとても小さな力だったけどどうやら意識はまだあったみたいだ。懸命に残っている力で服を引っ張っていた。僕はそれに苦笑して ごめんね と小さく呟くと
男性「スリープ」
といい眠りの魔法を使った。彼女は懸命にそれに抗いながらも意識を完全に失う。僕はその彼女に ありがとう といい最後まで服を握りしめた手をゆっくりとほどいて彼女に背を向けその場を去り、最後の戦いへと向かった。
戦いの場に向かう途中再びさっきのことをまた考えた。"もしあの時に"っというやつだ。
人生は後悔の連続という言葉があるけれど今の僕にその言葉はまさしく見に染みる。まさに僕の人生は後悔の連続だ。さっきもいったけれどもし僕が今までにすべて正しい選択をしていたのなら…
"もしかしたら仲間がこんなに死ぬこともなかったかもしれない"
"もしかしたら家族を失っていなかったかもしれない"
そして…
【もしかしたらこの世界にくることもなかったのかもしれない】
僕はどうせ最後だと思い最後の戦いに向かいながら今までのことを思い出す。
ゆっくり…ゆっくりと…