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死人に口無  作者: 詩音
8/9

口無と茶葉(2)

0:回想

茶葉:『大丈夫、俺がいる……口無をひとりになんかさせないから』

口無:(M)ハルが亡くなった時、チャバは僕を優しく励ましてくれた。

口無:(M)変わらずにずっと友達でいてくれてるんだね。

0:間

口無:今日の試作品、新メニューに採用してもいいって

茶葉:おお、良かったな……っていうか、まず俺に食わせろよ

口無:じゃ、明日食いに来て

口無:(M)ニンジン、じゃがいも、かいわれとカゴに入れて、苦めのピーマンを見極めながら会話をしていく僕。

茶葉:まさかとは思うが……明日はなんの日か、忘れてねぇよな?

口無:忘れるわけないよ

口無:(M)忘れたいんだけどねという言葉はもう胃へと消えていった。

茶葉:だから明日はお前と鶏のさっぱり煮をメインにあいつの好きな料理を作って食べる気でいたぞ?

口無:忘れてなかったんだ

茶葉:あったりめぇだろ?俺はあいつの一生のライバルだ!

口無:(M)料理はチャバの方が断然得意だと思うからいまいちピンと来ないんだよね。

口無:(M)でも、チャバが忘れていなかったんだと思うと少し嬉しくなった。

口無:(M)そりゃあそうか。

口無:(M)僕とチャバとトレーネにいたもう1人の料理人の絆は2年くらいじゃ壊れないもんね?

0:間

口無:バイト終わってから来るってことでいい?

茶葉:ああ、明日は絶対お前と一緒だ

口無:いやいや、トレーネで同じ厨房にいるんだから一緒じゃん

茶葉:それとこれとは……話が、違う

口無:チャバ?

口無:(M)たまにチャバがおかしくなる時がある。普段は自信満々なんだけど、うつむいてぶつぶつ言い出す時が。

口無:(M)良い例は僕がピアスを開けた時。

口無:(M)あまりにも似合わなかったのか、発狂してうつむいたんだ。

茶葉:な、なんでもねぇよ!

口無:そう?

茶葉:そうだよ、バーカ

口無:じゃあ、材料買ってきてよ。こっちも軽く買っとくし……楽しみにしてるから

茶葉:お、おおぅ

口無:今日はゆっくり休んでね……チャバ

茶葉:お、お前もな……口無

口無:(M)お互いに労ってから、電話を切った。

口無:(M)チャバは自分とお母さんのために一生懸命働いている。

口無:(M)だったら、僕はなんのために生きているのだろう。僕がいなくなれば、チャバの心配の種は減るのにな。

口無:(M)相変わらず暗いことを考えながら、今度は精肉コーナーへと向かっていった。

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