みんなで一緒に
『ひだまり童話館』「開館7周年記念祭」参加作品です。お題『7の話』
僕はお父さんとお母さんの3人暮らし。一人っ子だけど、お父さんとお母さんのお父さん、お母さんがいる。僕にとってはおじいちゃんとおばあちゃんだ。
休みの日はお父さん、お母さんのどちらかの実家へ行く。どちらのおじいちゃんとおばあちゃんもいつもお菓子を用意して待っててくれる。
どちらの実家へ行くのか、お父さんとお母さんがたまに喧嘩している。最近はそれが酷くなっている。お父さんとお母さんのおじいちゃん、おばあちゃんは仲良くないみたい。仲良くして欲しいな。僕はどっちのおじいちゃん、おばあちゃんも好きなのに……。お父さんとお母さんが喧嘩しているのを見るのは嫌だな。みんなで仲良く出来ないのかなあ。
夜、お父さんと星を見た。たくさんの星が煌めいている。お父さんは星に詳しい。ふいにお父さんが夜空を指差した。
「あれが北斗七星だよ。有名な星だよ。星をつなげると柄杓の形をしてるんだ。」
「ひしゃくって何?」
「うーん、水を掬う道具だよ。神社で水を掬ったことあるだろ?」
「ああ! あれがひしゃくなんだね!」
その後、僕は北斗七星の写真を見て、ひしゃくの形を確かめた。なんだろう。見たことのあるような形だなあ。僕は一人で夜空を眺めた。
その夜僕は、真っ白いふわふわとした場所にいた。そこには、お父さん、お母さんとおじいちゃん、おばあちゃんたちがいた。みんなで仲良く話している。そんな時、お父さんが僕を手招きした。するとそこには大きなメリーゴーランドがあった。既にお父さん、お母さん、どちらのおじいちゃんもおばあちゃん皆がメリーゴーランドに乗っている! 僕が乗ると7人になった。よく見ると、満点の星空。メリーゴーランドだと思ったのはひしゃくだった。ひしゃくが回ってる! 北斗七星だ! 僕は嬉しくなった。みんなで笑い合いながら乗っている。なんて楽しいメリーゴーランド!
僕は夢を見た。何の夢だったのか覚えていないけど、幸せだったような気がする。僕はお父さん、お母さんに話しかけた。
「なんだか幸せな夢を見たよ。お父さん、お母さんとお爺ちゃん、お婆ちゃんがいたような気がするよ。そっちではみんなで仲良くしたのかなあ」
僕はお父さんとお母さんの仏壇に手を合わせた。