選挙とMMO 後編:MMO
大事な事はだいたいネットゲームで覚えた。
自集団の拡大の方法。
パイは奪うモノ。
Massively Multiplayer Online
大規模な複数プレイヤーが同時接続できる、とかで翻訳できているだろうか?
この手のゲームでは、集団での競争が推奨されることが多い。
課金無双とか言い出すと要素が難しくなるので、ちょっとそこはおいておく。
最大手の1位集団に所属する魅力は、なんと言っても「報酬」である。
様々なゲーム内での「報酬」を実力で取得する事ができ、場合によっては参加しているだけで、最優秀プレイヤーと同じ報酬を取得できたりもする。
では、2位集団の魅力とは?
2位集団には比較すれば魅力がない。
あえて言えば「違い」だ。
報酬は1位の方が優良だろう。
メンバーの違いや、集団のスタンスの違い、挑戦者であるという楽しみ方、工夫を凝らす余地。
中には1位を倒すという目的のプレイヤーもいるだろう。
そんな2位集団で盛んに行われるのが、勧誘や合併、所属プレイヤーの新陳代謝、などなど。
2位を維持するのは、1位を維持するよりも遥かに労力が必要になる。
さて、2位集団が1位報酬を目指すとしたら、何が必要だろうか。
勝てる戦いを地道に積み重ねるのが、基本的なスタンスになるだろう。
かち合わない方向性での進軍(陣取りの類)
消耗しない戦術(長期戦)
或いはスタートダッシュの優位性、スタートダッシュが不利なゲームでは終了時刻を待つ態勢など(短期決戦)
色々な手段で、細かく報酬を手に入れながら、集団メンバーのモチベーションを高めていく。
時に、中堅メンバーの活躍の場を設定したり、参加だけのエンジョイ勢に役割を割り振って、効果的で達成可能な報酬を手にしたり。
勢力を拡大して、戦える組織を作るという事をしないと、2位を維持する事すらできない。
また大抵のゲームでは、集団戦の報酬の差が、そのまま1位との戦力の差の拡大にもなるので、報酬以上に何かしら戦力増強策が必要となっていく。
多くの場合、所属人数はほぼそのまま戦力の差になる。
人数に頭打ちがあるゲームでは、定員満員で差にならないが、活動率がキーになってくるだろう。
合併などでようやく戦力が拮抗して、一度1位を取る事ができれば、後はそれまでの1位集団となんとか対等に近い形で戦う事ができるだろう。
ようやくのスタートラインである。
1位を狙える2位になると、組織の主要なメンバーにはやるべき事が増え、競争する楽しみが増えてくる。
ところでmassivelyは規模・人数であるとして。
multiplayerの部分での戦い方はどうであろうか。
戦力は集中させる。特に拮抗時には突破力が重要だ。
これからいう戦術は考え方の違いもあるので、正解だと言えるものではないが、ヒトツノ解として、私の指針である。
守勢は手堅く、オーソドックスに強くあれ。
どのシーンでも勝てるように戦力を積み上げる。
大きく構えてオーソドックスな構えを取る事。
ゲームの種類によってオーソドックスな戦術は違ってくるだろう。
他勢力がバタバタと無理をしてくる(一点突破を狙ってくる)ので、それを待って迎え撃てば良い。
無理は続かない。続かないようにさせるのが守勢の戦略。
最重要課題は参加人数だ。
参加のインセンティブを強調し、可能であれば時間帯のログインをしてもらう。
喋りの得意なメンバーにワイワイCHATしてもらうだけでも雰囲気が変わる。
攻勢は集中、可能であればより短時間で全戦力を集中させる。
秒単位(より可能なら0.1秒、0.01秒に合わせて)で攻勢を集中させて突破する場面が、それである。
相手の最強の守勢を突破するのは一瞬で一回だけで良い。それを可能にできるかどうか。
守勢の基本は、全時間帯で戦力を積む。
対して攻勢は、瞬間火力で突破する。
多くのゲームでは、攻撃のタイミングを図る事ができる。
守勢は大概、いつ攻撃がくるかはわからないため、漫然と守るケースが多い。
MMORPGでもそうであるが、RTSの場合は、よりそれが顕著である。
攻は、一点突破。優位性はそのタイミングを決める事ができること。天の時
守は、人数。優位性は守勢にはタイミングを合わせずとも守勢の戦力を重ねる事ができること。地の利と人の和。
配置をして攻勢の一点突破に備える。耐えきった際には早く守勢を回復させる。
ところで選挙に絡めた話をしよう。
タイミングは誰が決められる?
区割りは誰が決めた?
どの区からも必ず1人出してくる党は、つまり誰が得している?
ルールを作れる側が有利なのは、当然である。
自集団の拡大方法は何か。
共感を呼べ、かつ差別化を図れるキャッチコピーと、その代表的なマスコットメンバー。
ルールを利用した戦術立案と、それを遂行できる組織態勢。
ゲームではサーバ毎にプレイヤーの数は上限がある。
そのパイを奪い合って既存の勢力はもはや形作られている。
そこから更に脱落したり移籍したりする数はさほど多くない。
より居心地のよく、嫌悪感のない集団であり、脱退者が少ないこと。
他者からのウケが良い集団になるために、普段から交流を持つこと。
大事なことはだいたいゲームで学んだ。
実践の機会はない。